No.1 なんの脈絡のないのが日常だ。
第1編【非日常】
これから始まるのは関係のない人が関係し終わるまでの物語。
ごめん。いきなり登場しちゃって。
俺の名前は──。まぁ、関係ないか。
俺は前にちょっとした、でも、普通の俺からしたらとっても珍しい、でも、やっぱり関係のない出来事が起こったんだ。じゃあ、とりあえず聞いてくれるとありがたいよ
目の前の〝彼〟に俺は語る。
えーと。俺は高校1年生になったんだ。それで、俺はその高校の入学式に登校していたんだ。
まぁ、俺は昔からここに住んでたから中学から高校に移っただけだし、生活習慣は変わらないし、あ、俺のことなんて全然興味がないか。ごめんごめん。
俺が語るとそれは可笑しいかな?あはははっ。
じゃあ、続きを語るよ。
俺が登校してると前を歩いていた女子生徒がすこし、すこしずつ人のいない方に行ってしまった。なぜかはわからないけど。俺はすこし気になった。
でも、俺は止められた。隣を歩いていた生徒に
「ダメだよ」
と言われたのだ。
名前も知らない女子生徒だったが、それでも俺に話しかけてくるってことはなにか理由があるのか?
「な、なにが?」
すこしだけ、俺は動揺した。知らない女の子を付けている俺の姿は外から見ればストーカーに見える。俺はそれを気にしていた。
だが、その生徒は俺の気にすることとはまったく関係のないことを注意したのだ。
「そっち側は〝校則違反〟の場所だよ」
…………………え?
「でも、彼女は行ってるのね?」
これは正しい。というか俺はそんな校則は知らない。この生徒も新入生のはずなのになんでその校則のことを知っていたんだろう。
「入学説明会の時に言われたでしょ」
あー。確かにそんなものもあったな。でも俺は確か、途中で寝ちゃって起きたらもう終わってたっけな。
「いや、俺その時は寝ちゃってて覚えてないんだよね。あははっ」
その生徒は呆れたように天を仰いだ。
「ハァーー。もう、なんで忘れちゃうかなぁー」
そう言って俺に何か、折られた紙を渡してきた。
「それ、校則をまとめた紙だからちゃんと読んでおいて。あとあなたと私は同じクラスだからよろしく」
そう言って俺に笑顔を見せた。
すこしだけ見とれてしまった。
すこしだけだ。
「よろしく」
俺は平静を装ってそ言った。
「じゃあねまた教室でねー」
そう言ってその生徒は立ち去る。──と思ったら慌てて戻ってきて言った。
「あ、まだ自己紹介がまだだったね!私は、うーんと、結城理沙っていうんだ」
「結城さんね。覚えたよ」
「君はなんていうのかな?」
俺は迷ってこう言った。
「好きなように呼んでよ」
結城さんはすこし戸惑ったような顔をしたけど俺の言葉にちゃんと返事をした。
「んーー。じゃあオーサキで」
「なんで?」
「それはねぇー。自分のことを俺って言ってるからなんとなくオレオレさぎ?に繋がって、それを略してオーサキ」
やれやれ。単純すぎる。でも、なんとなく気に入った。
「わかった。俺は今日からオーサキだ」
言うと結城さんは笑った。
彼は一体どう関係するんだろうね。