〔No.4〕物語のマチガイサガシ。
〝彼女〟の計画はこうだった。
まず、私は〝彼女〟と入れ替わって〝彼女〟は入れ替わってる間に調べる。その時に私は地下のどこかに隠れる。
次に〝彼女〟は『Aクラス』の戦力、思考力、対応力を測る。
その後に再び入れ替り、日常に戻る。
そういう計画の〝はず〟だった。
計画の最中に〝彼女〟は聞いてきた。
「ねぇ。私がエリナを裏切ったら、恨む?」
私は答えた。
「そのときはそうしないといけない理由があるんだと思うから恨まないよ」
すると〝凉花〟は言った。
「よかった。」
よかった?
「ごめんね。前のは───」***を取り出す
私にそれをぶつけた。
「嘘なの」
私の死は確定した。
いつからこの物語は間違ってしまったのだろうか。
この物語は本当に私が主人公なのだろうか。
私が主人公だったからこの物語はこんな結末になってしまった。みんなは自分の物語の主人公になった時点でこの結末は決定しているのだ。物語が始まった時点で、この世に生まれた時点で、死ぬために物語を進めるのだ。
でも、でも、でも、と嘘や言い訳を糧に私は生きてきた。
私は嘘の塊だった。私は嘘の皮を被った化け物だった。
それを殺してくれたのは彼だった。代表だった。私は嘘つきになりながらこれまで人間として人間と生活してきた。そんな中で私は自分が他の人間と違うことをすこしずつ自覚していった。
そんな時に私は友達として付き合っていた代表に言われた。
「好きだ」
私は戸惑った。だって代表が私にそんな感情を持っていたとはおもわなかったのだから。でも、そんな幸せな感情はそのあとの代表によって砕かれた。
「俺はお前が死ねば人間にそう感じることができる」
本当に戸惑った。だっておかしいでしょ。これまで仲良く遊んだりしてたのに唐突にそんなことを言ってくるんだから。
「だから一緒にきてくれ」
なんとなく私は代表のことが気になった。だっていきなり友達にそんなことを言ってくる人がいたんだから、どんな人か気になるのは当然だろう。
そんなやり取りの後に代表が、そして私も【ドッペルゲンガー】だと知った。
私は全身の痛みをきっかけに目覚めた。
私は四角い部屋にいた。すべての壁がすこし赤く染まっていた。すこしして私の血だと知った。私の全身から血が吹き出ていた。その吹き出し方は外部からの刺激によったものだった。
なんで常に刺激を受けているのだろう?
部屋を見渡す。空っぽの部屋から手掛かりを探す。手に触れて確かめる。痛みの出どころを探す。
痛い。
見つけた。それは部屋の8つの角にあった。
わかった。8つの角に痛みの原因、四角い部屋の壁に私の血が吹き出しできた赤い染み、常に受ける刺激、わかった。
ここは『第8空間』だ。正式名は『実験室』でその名の通り実験する部屋だ。でも、薬品は必要ない。私達、《影》が耐えられる〈影人〉の影響力の実験をするための部屋だ。
どこかにあったはずだ。モニターがあったはず。
壁に紛れたモニターには【50.15】と表示されていた。