2/3
1話
いつもの時間、いつもの道、少年は歩いていた。
少年の名前は冬原雪斗。
どちらかというと整っている顔立ち、背が低く細めの体つき。どこにでもいるような少年だ。
「ああ、今日は話しかけられるかな・・・」
「誰によ?」
「そりゃ、あの子に決まっ・・・うわあ!?」
独り言を言っていた彼に話しかけたのは、とある少女。少女の名前は春宮桜子。
整った顔立ちにふわふわした髪の毛。彼より少し低い背に細い体。
「急に話しかけるなよ!」
「別にいいじゃない。それくらいでびっくりしないでよ」
「それくらいってお前・・・」
言い合いをしている二人に後ろから忍び寄る影。
「ゆっきーとー!」
ドンっと、その人物は雪斗を押した。
「うわあ!?おま、亜紀!何すんだよ!」
「あはは!おはよう、雪斗!春宮さんもおはよう!」
「おはよう、紅葉くん」
雪斗を押した少年、紅葉亜紀は元気に笑った。
綺麗な顔、高い身長、スラリとしている。
「亜紀、お前さあ・・・」
「まあまあいーじゃないか、親友だろ?」
「ったく、お前・・・まあ、いいけど」
「あー、さくちゃん、紅葉くん、冬原くん、おっはよー!」