五日目
「さすが十束剣ですね、マスター。」
「いやいやなんでそんなに落ち着いていられるの・・・」
今、俺の屋敷から見える巨大な山が真っ二つになった。
「いいじゃないですか、これで勇者も即死ですよ。」
「まぁ即死じゃなかったら化け物だよ。」
俺が小さく溜息を吐く。最強すぎる・・・
「さぁさぁ朝食はもうできてます。行きましょうマスター。」
「あれが魔王様ですか。なかなかいい男・・・ジュルッ」
「???ちゃんよだれが出てます。だらしないですよ。」
「・・・でも魔王様の隣にいるあの魔道具は邪魔。」
「ほんとだよな~そもそも自我を持つ魔道具なんて聞いたことねぇよ。」
「そんなことよりどうやって配下に入れてもらうか考えないと人間に魔王様が復活したことがばれちゃうよ。」
「・・・配下に入らずにいたら人間に捕まえられる。」
「死ぬのや奴隷は嫌だよな~」
「「「う~~~~ん」」」
「う~ま~い~どぉおおおおおおおおおおおおお!!」
このちょうどいい半熟具合、このちょうどいい塩加減。うますぎて口からビーム出そうだ!!出ないよね?
「ほらマスター口に黄身がついてますよ。」
アグライアはハンカチで口元をきれいに拭いてくれた。
「それにしても見事に日本の朝って感じだな。」
アグライアが作ってくれた朝飯のメニューは目玉焼き、赤味噌汁、ホカホカごはん、味のり、緑茶。なんでも全て魔力で作れるそうだ。魔力便利だな。
「フフッ食べているマスターもかわいいですね。」
アグライアの笑顔。あなたのほうが可愛いわ!!
「マスター侵入者です!!」
アグライアは立ち上がり大声で言った。やはり朝ので人間にばれたか。
「数は三人、全員女です!!」
「人間じゃないのか?」
「種族は魔族だと思われます。どういたしますかマスター。」
「ふむ、まずあってみよう。たった1%の魔族だからな。」
俺が言い終えるとさっき部屋に置いておいた十束剣をアグライアが持ってきた。
「気を付けてくださいね。マスターは魔王なんですから。」
「知ってるさ。俺は最強の魔王だ!!」
「やっぱりマスターはかっこいいです。」