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お姉様からのお土産

お姉様は最近忙しいようで、お食事の時間以外であまりお話することができません。

少し寂しいですが、わがままを言ってお姉様を困らせるわけには行かないので我慢をしています。

お兄様も、お姉様とお話できないせいか少し疲れたような顔をしています。


ある日の夜、夕食の後にお姉様にお部屋に呼ばれました。お兄様もですが、それでもお姉様とお話できるのが嬉しくてお部屋に行きました。


「姉さん、忙しそうだけど大丈夫?」

「ええ、大丈夫よ。でも二人と一緒に過ごす時間が減ってしまったのが寂しくて」

お姉様は少し恥ずかしそうにされました。そのお姿がとても可愛らしくて、今までの寂しさが一気に吹き飛びました。

「そうだわ、二人に渡したいものがあったの」

お姉様は立ち上がり、机の引き出しから何かを持ってきて小さな袋を私とお兄様にくださいました。

「開けても良い?」

お兄様が聞くとお姉様は頷きました。私も袋を開けると、ピンク色の可愛いブレスレットが入っていました。

「素敵…お姉様ありがとうございます」

「高価なものではないし、つけていけるところはあまりないけど。素敵な街に行ったからお土産にと思って」

お姉様は、街へお出かけに行くことが増えました。このブレスレットもそこで購入されたみたいです。

「僕のは服で隠れるし、毎日着けるよ」

お兄様はネックレスを頂いたようで、私と同じぐらい喜んでいらっしゃる。私も毎日つけたいところですが、大切なブレスレットを壊してしまってはいけないので

「私は特別な日に着けます」

「気に入ってもらえて良かったわ。実は私もアンナから貰ったんだけど…」

お姉様はアクセサリーケースを持ってきて、イヤリングを見せてくれました。

「二人とお揃いなの」

お姉様とお揃いだなんてとても嬉しいですが、お兄様ともお揃いになってしまうのはちょっと嫌です。

「お姉様、こちらのイヤリングをつけるときは教えてください。そのときは私もブレスレットを着けるので」

私がそう言うと、お姉様は少し驚かれた後優しい笑顔を向けてくださいました。

「ええ、せっかくだから一緒に着けたいものね」



「そういえば、カイル様がまたいらしてたよ」

お姉様からのお土産に喜んでいた所に、嫌な名前が出てきました。お兄様ももう少し空気を読まれた方が良いと思うのですが

「そうなの?」

お姉様は少し不思議そうなお顔をされる。

「姉さんは出かけていると伝えてもなかなか引き下がってくれなくて」

「私に?何か用事でもあったのかしら」

お姉様は、カイル様が用事がなくても来ていることに気づかれていないようです。

カイル様は数年前から、私ともお話しをしたがってきます。お姉様の好みを聞いてくるので、私は頑張って答えないようにしています。

『教えてくれたら、君が出会う前のパトリシアの話しをするよ』

だなんて誘惑をしてくるので耐えるのが大変でした。

お姉様は、カイル様がこのお屋敷に初めていらっしゃったときに不安そうなお顔をされていたのですが、今では、エリオット様ほどではありませんがそれなりに仲は悪くはなさそうです。

でも、もしお姉様がカイル様のことを好きになっていたら、邪魔をしている私は嫌われてしまう。

「あの…お姉様は、カイル様のことはお好きですか?」

私は恐る恐る聞いてみる。

「友人としてはまあ…嫌いではけど、大丈夫よアリシアがカイル様の事が好きなら応援するわ」

お姉様は盛大な勘違いをされているようですが、カイル様に恋愛感情を抱いていないようで安心しました。隣に座るお兄様もホッとしたお顔をしています。

「私はカイル様のこと微塵も興味がないので大丈夫です。それに私が好きなのはお姉様だけです」

私はお姉様の誤解を解くために、お姉様に告白をしました。

「アリシアありがとう、私もアリシアの事が大好きよ」

嬉しくて、お姉様に抱きつきたくてウズウズとしていたらお姉様は立ち上がり

「私もそっちに座っても良い?」

と言って私とお兄様の間に座りました。

「アリシア、好きな人ができたら教えてね」

私の告白は伝わってないみたいでした。お兄様を見ると拗ねているように見えたので、私は少し優越感に浸っていましたが

「姉さん、僕のことは?」

「セシルの事ももちろん大好きよ」

というやりとりをされたので、優越感は一瞬で消えてしまいました。

お兄様は、無自覚であざといことをするので注意する必要がありましたが

「私の妹と弟は本当に可愛いわね」

とお姉様が楽しそうなので、今日はお姉様に免じて許してあげることにします。


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