5 悪役令嬢は懐かれた。
「お姉様、お庭に行きましょう。」
「お姉様、こちらの本を読んでください。」
アリシアとベアトリスが来て1ヶ月は経った。
アリシアは懐いてくれたのか、子犬のように私について回るようになった。
「お姉様、一緒にお茶しましょう」
キラキラとした瞳で私を見つめる。
「そうね、今日天気が良いからお庭に準備してもらいましょう」
私はアリシアの頭を撫で、近くにいた侍女にお茶の用意を頼んだ。
「アリシア、頬に付いてるわ」
アリシアは一生懸命にお菓子を頬張っていたからか、頬にクリームを付けていた。
私がハンカチで拭いてあげると恥ずかしかったのか、頬を赤くした。
「ありがとうございます。お姉様」
「ここでの暮らしには慣れた?」
「はい、皆様には良くしていただいてますので」
「それは良かったわ」
「それに、お姉様と一緒にいるのが楽しいです。」
本当に良い子ね、自然と笑みが溢れる。
「ありがとう、私もアリシアが来てくれてから楽しいわ」
「あの、お姉様のお誕生日を教えてください。」
「えぇ良いわよ、9月17日よ」
「ありがとうございます。」
「そういえば、アリシアは5歳だったわよね」
「はい」
「ってことは、誕生日は」
「4月8日です。」
過ぎてる。今は5月も終わりを迎えるところ。
今でもだいぶ懐かれてるけど、もっと好感度を上げとくべきでは?
「アリシア、明日もここで一緒にお茶しましょう」
よし、準備しないと
アリシアへのプレゼントを
私は早速アンナに頼んで色々用意してもらった。
翌日、準備もできたところで急に不安が襲ってくる
「喜んでくれるかな?」
私はポツリと溢す
「絶対に喜んでくれますよ、自信持ってください。」
アンナが背中を押してくれた。
「ありがとう、アンナ」
「はい、私はお茶の準備をしてきますね。」
庭に着くとアリシアはすでに来ていた。
ちょこんと座る姿が可愛かった。
「アリシア、お待たせしてごめんなさい」
「お姉様、いえ楽しみ過ぎて私が少し早く来てしまっただけなのです」
「そう言ってもらえて嬉しいわ」
私も椅子に座る。
少しして、アンナとデイジーがお茶とお菓子をテーブルに並べる。
私はアンナをチラッと見るとアンナもすぐに察してくれた。
「アリシア、今日は私からあなたへプレゼントがあるの」
「お嬢様こちらを」
アンナが布を被せた籠を持ってくる。
「これなんだけど、アリシアをイメージして作ってみたの」
私は小さめなブーケを渡す。アリシアの瞳と髪の色に合わせ、ピンクや黄色の花を包んだものだ。
包み紙は白と黄色を重ねたものに、リボンはピンクで、我ながら結構綺麗にできたと思う。
「………」
「あの、どうかしら?」
反応がない、やっぱり5歳の女の子にあげるプレゼントじゃなかったかな
「…です」
「ん?」
「とっても嬉しいです、こんなに素敵なプレゼントを私のためにとってもとっても嬉しいです。」
いつも以上にキラキラとした瞳で微笑むアリシア。
「喜んでもらえて良かった、でも来年のプレゼントはちゃんとお誕生日当日に渡すわね。」
「来年もくださるんですか?」
「もちろんよ」
こんなに喜んでもらえるなんて思わなかったな、
目的のためとはいえあげて良かった。




