私の協力者
今日はパトリシアの提案で、みんなでお茶会をする事になった。
エレノアのおかげでパトリシアの隣に座ることができたが、相変わらずパトリシアは、アリシアの世話をしている。ケーキを食べさせてあげたり、膝枕をしてあげたり。
「本当にアリシアに甘いね」
私の言葉にパトリシアはふわふわとした返事をした。眠くなってきたようだ。
「パトリシアも寝ていいよ」
パトリシアはこくんと頷いたと思ったら眠りについたようだ。婚約してから、会う回数も増えていた。色んな表情を見ることも増えたけど、寝顔を見るのは初めてだ。可愛らしい寝顔に魅入っていると
「女の子の寝顔をまじまじ見るのは失礼じゃない」
とエリオットに言われてしまった。それはエリオットが正しいと思い少し反省をした。
気づいた頃には、セシルとエリオットも眠っていた。
私はジャケットを脱いで、パトリシアの肩にかけていると
「あの、カイル様少しお話しよろしいでしょうか」
真面目な顔をしたエレノアが声をかけてきた。
「いいよ、みんな寝ちゃって退屈だしね」
私がそう言うと、エレノアは立ち上がる。
「起こしてしまってわいけないので、あちらで話しましょう」
私も立ち上がり、少し離れた木陰へ移動する。
エレノアとはあまり話したことがない、何か共通の話題をと考えていると
「カイル様!!はっきり申し上げますわ、パトリシア様はあなたの好意に気づいていませんのよ」
あまりの気迫に圧倒しかけた。
「…そんなはずは」
私は反論しようと思ったが、考えてみると私にだけ敬語だ。それに、最近はエリオットといることが多い。
「思い当たるところがあるのですね?」
「……」
でも、嫌われてはいないはず。今日だってクッキーを食べさせてくれた。嫌いならしないだろうし。
「安心してくださいまし、私が協力致しますわ」
エレノアは力強く言う。
「君が…?」
「私はパトリシア様の幸せを願っておりますの、二人が幸せになるお力添えがしたいのですわ」
正直、不安しかない。アリシアやセシルは、私がパトリシアといると妨害しに来る。エリオットはパトリシアに信頼されているし、味方がいるに越したことはないけど。
「私は、パトリシア様はカイル様とお似合いだと思っていますわ」
エレノアは良い子だ、間違いない。
「ありがとう、協力してもらおうかな」
「是非!!」
エレノアは張り切っている。
「早速だけど、アドバイスをお願いしてもいいかな?」
「もちろんですわ」
陽が落ちてきて、そろそろ迎えが来る。みんなで屋敷に戻る途中、袖を引かれた。振り返ると、少し不安そうな顔をしたパトリシアがこちらを見ている。
「どうしたの?」
なるべく安心して話しができるように優しく笑う。
「その…カイル様は」
言葉に詰まっているようだ。
「うん」
「カイル様は…エレノアの事が好きなんですか?」
私は少し、驚いてしまったがそれと同時に嬉しくなった。
「パトリシアはそんな事を心配していたの?」
可愛らしいくてつい笑ってしまった。
「…やっぱり、何でもないです」
私が笑ってしまったからか、パトリシアは一瞬ムッとしたあと走って逃げろうとした。
そうだ、エレノアは
「可愛いとか、優しいとか素直に伝えているんだけど」
と私が相談したら
「可愛いなんて、誰だって言えますわ。大事なのは好意を伝える事ですわ」
と言っていた。
私はパトリシアの腕を掴んだ。
「私が好きなのは、パトリシアだけだよ」
パトリシアはアリシアに呼ばれ、走って行ってしまった。顔が赤く見えたのは気の所為ではないはず。




