表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
46/176

37 悪役令嬢は薬草を育てる。

勉強会を始めた三日後、当然のようにカイルもやって来た。エリオットが来る予定の少し前に。

「苗を持ってきたよ」

カイルは本当にジタリギスの苗持ってきてくれた。苗はわざわざ庭園に運んで置いてくれたそうだ。

「ありがとうございます」

嬉しくて笑みが溢れる。あとでスコップとか用意してもらわないと。

「エリオットはまだ来てないのかな?」

カイルは辺りをキョロキョロと見ている。二人共なんだかんだ仲が良いみたいだし、来てなくて寂しいのかな?

「はい、約束の時間よりもまだ早いですから」

「そっか、じゃあそれまで二人だね」

カイルが爽やかに笑う。

「いえ、僕もいるので三人です」

セシルがやって来た。どうやら今日は稽古も授業もお休みらしい。

「セシルはアリシアのところに行きなよ」

「アリシアはエリーゼと約束があるみたいなんで」

そういえば、ここ最近は私はエリオットと、アリシアはエリーゼと一緒にいてセシルは退屈していたのかな?

「エリオットが来るまで、セシルも一緒にお茶しましょう」

「うん、行こう姉さん」

セシルは嬉しそうに私の手を引く。しっかりしてる子だけど、こういう一面を見るとまだ子供だなと思う。

「パトリシアは婚約者の私がエスコートするから義弟君は手を離していいよ」

「エスコートなんて必要ありません」


私達は、エリオットが来るまで応接室でお茶をしている。

「姉さんは、エリオット様と何をしているの?」

そういえば、カイルにしか話してなかったな。

「エリオットから勉強を教わっているの」

「姉さんが!?」

「ええ、エリオットの方が詳しい分野だから」

「私も一緒に勉強しているんだよ」

カイルがニコニコと笑う。

「そうなんですね。姉さん、僕も一緒に勉強したいんだけど」

そっか、セシルはここのところ一人で寂しかったんだ。

「良いわよ」

私がそう言うとセシルは嬉しそうに

「ありがとう姉さん」

と言った。私はつい、アリシアと同じ感覚でセシルの頭を撫でる。怒られるかな?と思ったけど、そういった様子はなく大人しく撫でられている。

やっぱり、相当寂しかったのか素直に甘えてくれている。そうだ!!

「ねぇ今度、エレノアも呼んでみんなでお茶会をしましょう」

セシルとエレノアの仲も取り持てるし。

「…うん?別に良いよ」

あれ?あんまり乗り気では無さそうな反応。

「もちろん私も招待してくれるんだよね」

向かいに座っていた、カイルは乗り気みたい。まあいっか。そんな事を話していたら、扉がノックされる。

「どうぞ」

私が返事をすると、エリオットが入ってきた。

「あれ?ごめん俺遅かった?」

エリオットが時計を見てオロオロとしている。私は立ち上がりエリオットに駆け寄る。

「大丈夫、時間通りよ」

「良かった、ところで今日はセシルも一緒?」

「はい、お願いします」

「じゃあ始めようか」

エリオットが持ってきた本をテーブルに置いた。

「エリオット、カイル様が先日話していた苗を持ってきてくれたの」

ワクワクが隠しきれず、顔が緩んでしまった。

「そっか、今日はそれを植えに行こうか」

エリオットが子供をあやすように私の頭を撫でる。

「パトリシア、私が持ってきた苗を植えに行こう」

カイルが立ち上がり、ツカツカと私とエリオットの間に入ってきた。


私達は庭園に着いた。庭園に向かう前にアンナにスコップを頼んでおいた。

「ジタリギスは日陰でも育つから、この辺りで良いと思うよ」

パトリシアが育てていたルピナスの花壇の近くだ。私はエリオットの指示に従い、苗をプランターに移し替えた。

「水やりは二日に一回ぐらいで大丈夫、それと今は大丈夫だけど蕾がついたら触らないこと」

「勉強会の度に様子を見に来るから」

エリオットは植物を育てたことがあるかのように手際が良かった。

「ありがとうエリオット」

これから育つのが楽しみだな。そうしたら、薬の作り方も勉強しないと。

「パトリシアは、顔に土がついているよ」

カイルが私の頬に手を伸ばしてきた。

「姉さんは仕方ないな。ほら取れたよ」

セシルがハンカチで土を落としてくれた。

「ありがとう」

「セシル?私が取ってあげようとしていたんだけど」

「カイル様のお手を煩わせるわけにはいかないので」

セシルとカイルも本当に仲良くなったな。

「そうだ、エリオット今度は勉強会ではなくてみんなでお茶会をしましょう」

「うん、エリーゼも喜ぶよ」


よし、エレノアに手紙を出さないと。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ