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3 悪役令嬢は出会ってしまう。

この世界に転生してから5日たった頃、勉強が始まった。

この国、イリース王国の歴史、政治について、行儀作法、社交ダンス、楽器などの授業だったが、身体と頭が覚えているようで、そこまで大変には感じなかった。

よくよく考えると元々パトリシアは優秀な子と言う設定だった。


そんな生活にも慣れた頃だった。


「パトリシアお嬢様、旦那様が戻られました。」

遂に来てしまったのだ、運命って奴が


「パトリシア、元気にしてたかい?」

私の頭を優しく撫でる男性、パトリシアと同じハニーブロンドに、サファイアの優しげな瞳

そう、彼はアルフレッド=フローレス公爵、パトリシアの父親だ

「お久しぶりです、お父様」

私が笑顔を向けると、アルフレッドは私を抱き上げた。

「寂しい思いをさせてしまってすまなかった……」

私はこの言葉の続きを知っている。

「でも、今日から大丈夫だ、新しい家族ができるんだ。」

「………」

私が黙っているとアルフレッドは、ゆっくりと私を降ろし、また頭を撫でる

「パトリシアはお姉さんになるんだよ、3つ下に妹ができたんだ。」

「もう少しで2人が着く、そしたらまた呼びに来るよ」

そう言うとアルフレッドはゆっくりと扉を開け部屋から出ていった。


小説だとこの後、庭園に向かったパトリシアがアリシアと出会うんだけど。


フローレス公爵邸にある庭園は、花好きのエリザベート夫人の為に用意された。使用人は勿論、エリザベート自身も手入れに気を使っていた。そんな母親を見ていたパトリシアも花が好きになり。

パトリシア専用の花壇を用意してもらうほどだった。

元々身体の弱かったエリザベートが病気になってしまう。パトリシアは母親が元気になるように、母親の好きな花を育てた。

エリザベートの好きな花、ルピナスは温度管理が大変で育てるのが難しい花だ。

それでもパトリシアは母親が元気になるならと、雨の日も風の日も花壇に通い育てた。そんな努力も虚しく、花が開く頃、エリザベートは息を引き取った。

最悪な出会いとはここから始まる。

庭園に行くと自分が母親の為に育てた花に触るアリシアと出会う。

パトリシアは声を荒らげ

「私の育てた花に触らないで!!」

アリシアの肩を押して転ばせる。

「今すぐ出ていきなさい!!」

とまあこんな感じ。


っても、パトリシアの過去を知った後でこの場面を読むとパトリシアは悪くないと思うんだよね、

転ばせたのは悪いけど。


そろそろかな、庭園にでも向かうとしますか。


本当に綺麗な庭園、アリシアが目を奪われるのも無理はない。

私はゆっくりと歩く、向かうはパトリシア専用花壇。

確かこの辺だったはず、あそこだ。私は歩みを速める、フワッと柔らかな風が吹き、思わず目を瞑る。

風が止み、目を開けるとそこにいたのは、ストロベリーブロンドの腰まであるストレートヘア、丸いシトリンの瞳の少女、間違いないアリシアだ。

アリシアは小説の出会いのシーンと同じで、パトリシアの育てたルピナスに触れている。


私は自分の意思に反して一瞬体がこわばるが、ゆっくりとアリシアに近づく

「綺麗なお花でしょ」

私はできる限り優しく微笑む、アリシアは身体をビクッとさせた。

「驚かせてしまったわね、私はパトリシア、お父様から聞いているわ、あなたのお姉さんになるのよろしくね」

私はそっと手を差し出す、アリシアはビクビクしつつもゆっくりと私に視線を向ける。

「あっ、あの」

可愛い、お人形さんみたい。そりゃあこんなに可愛ければ王子も一目惚れするわ

「なあに」

少し間を開けてしまったが返事をする。

「わ、(わたくし)はアリシアって言います、そのよろしくお願いします。」

私の差し出した手を両手でキュッと握る。

その仕草が可愛くて仕方ない。

「ふふっ」

愛おしくて思わず笑みが溢れる。アリシアは上目遣いで不思議そうな、どこか困ったような顔をしている。

「そろそろ行きましょう」

アリシアの手を引きながら歩みを進める。

「はい」


よし、第一印象は悪くないはず


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