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アリシア様の日記

私はデイジー、アリシア様の侍女をやっている。

アリシア様はフローレス邸に来るまでは、引っ込み思案で恥ずかしがり屋な性格だった。

そんなアリシア様を変えたのが、パトリシア様だった。

アリシア様はパトリシア様と出会ってから、良く笑うようになられた。そして日記をつけるようになった。いつも寝る前に、ニコニコと楽しそうに笑みを浮かべながら。


私は前に、その日記を見せて欲しいと頼んだ。アリシア様は顔を真っ赤にして

「だめ!!絶対見ちゃだめ」

なんて叫ぶから余計に気になってしまう。こっそり見ようと思ったが、鍵付きの引き出しに入れられていて無理だった。



今日はカイル様主催のお茶会があった。

アリシア様はいつもよりも熱心に日記を書いている。

「アリシア様、そろそろお休みになられないと」

「待って、もう少しで終わるから…よし」

アリシア様は日記を閉じて、ベッドへ向かった。

「お休みデイジー」

「お休みなさい。アリシア様」

私はアリシア様の部屋から出て、そっと扉を閉めた。

そして、二時間程経った今。私はまたアリシア様の部屋に来ている。部屋に入ると、アリシア様完全に眠りについていた。私は足音を立てないように気をつけて、机の上の日記を取る。心臓をバクバクさせてまま部屋を出る。

「ふぅ」

私は日記を持って自室へ向かう。すぐにでも読みたい気持ちを抑えて。


部屋に着き、ランプをつける。そして日記の1ページ目をめくる。

○月✕日

今日のお姉様は、水色に白いレースのドレスをお召しになられていました。童話で見た雪の妖精のようでした。天気が良かったので、二人で庭園に行きました。私が少し寒そうにしていたら手を繋いでくれました。お姉様の手は少し冷たかったのですが、繋いでたらあったかくなりました。


□月○日

今日のお姉様は、オレンジ色に黄色のリボンのドレスをお召しになられていました。まるで春のお花の妖精のようでした。今日はお庭でお茶をしました。私がわざと付けたクリームを優しく拭いてくださいました。アリシアは本当に可愛いわねと言ってくださいました。


これ、毎日書いている。そうだ、今日のページを…


✕月□日

今日のお姉様は、水色に青色のお花が散りばめられたドレスをお召しになられていました。お姉様の瞳に良くお似合いでした。今日はお姉様の苦手なものを知りましたの。毛虫が苦手で涙目になられるほど怖がっていました。とてもとても可愛らしかったです。私には知られたくなかったとお顔を真っ赤にして恥ずかしがっていたお姿がとてもいじらしかったです。お姉様は私が守って差し上げないといけないと思いました。


アリシア様がパトリシア様をお慕いしているのは知っていたけど、まさかここまでだったとは。

私は見てはいけないものを見てしまった。

これは速やかに元の場所に戻さないといけない。でも何度もアリシア様の部屋に入っていると不審に思われるかもしれない。明日にしよう。


私は早めに起きるつもりがいつもと同じ時間に目を覚ましてしまった。すぐに準備をして、アリシア様の部屋に向かう。

普段ならノックをするが今日こっそりと扉を開ける。

「デイジー!!」

起きていらっしゃる

「おはようございます、アリシア様」

私は部屋に入る。

「私の日記、読んだの?」

「……」

バレた。私は目を逸らす。

「読んだのね」

「申し訳ありません」

私は持っていた日記をアリシア様に返す。

「ど、どこまで読んだの?」

「も、もしかして、私がお姉様の飲みかけの紅茶をこっそり飲んだとこは読んだの?」

「お姉様にお膝枕をしてもらったとき匂いをかいでいたとこは?」

そんな事をしていたのか。

「あの…アリシア様、落ち着いてください。」

「…絶対絶対、お姉様には秘密だからね」

「は、はい」

さすがにこの内容をパトリシア様が知ってしまったらまずいでしょう。


私はこの話を墓場まで持って行くことと、二度とアリシア様の日記は見ないこと誓った。


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