14 悪役令嬢とエレノア嬢
「本日はお招きいただきありがとうございます。エレノア=コーデリアですわ」
「私はエレノア様の身の回りのお世話をしております。ミアと申します。」
カイルが来た二日後、エレノアとエレノアの侍女ミアがやって来た。
「ようこそお越しくださいました。」
私とアンナが出迎える。
「お庭でお茶の準備をしておりますので、ご案内します。」
「先日は本当にありがとうございました。」
私とエレノア、ミアは庭に向かっている。
「いえ、私は何もしていませんわ。」
エレノアが首を横に振る。
「そんな事はありません。あなたのおかげで、アリシアのピンチに気づけたのですから」
「お姉様ー」
庭に近づいてきたら、私の姿が見てたのか、アリシアの声が聞こえてくる。
「アリシア様、お客様がいらっしゃるのに、そのように大きな声を出すのははしたないですよ」
デイジーの声も聞こえてきた。
庭に着くとアリシアとセシル、デイジーとライラがいた。
「お出迎えできず申し訳ありません。セシル=フローレスです。」
セシルが挨拶をすると、それを見ていたアリシアも慌てて挨拶する。
「ア、アリシア=フローレスです。先日はありがとうございました。」
「お招きいただきありがとうございます。エレノア=コーデリアでございます。」
「挨拶も済みましたしお茶にしましょう」
お菓子を用意しに行っていたアンナが戻ってきて、テーブルにお菓子を並べる。デイジーとライラがお茶の準備をする。
「どうぞ召し上がって、エレノア様のお口に合えばいいのだけれど」
「ありがとうございます、いただきますわ」
「あの、それって」
エレノアが私のドレスに目を向ける。
「はい、エレノア様から頂いたブローチです。」
私は、誕生日にエレノアがプレゼントしてくれた、白い薔薇のブローチを付けている。
「やはり、私の見立ては間違いありませんわ。良くお似合いですわ」
「ありがとうございます」
エレノアは誇らしげに笑っていた。
「それにしても、本当に仲がよろしいのですね」
私がアリシアの口を拭いていると、エレノアが口を開いた。
「そうなんです。私とお姉様はとーっても仲が良いのですよ」
アリシアがドヤ顔をする。
「アリシアがあまりに手がかかるから、姉さんが世話を焼いているだけですよ」
セシルが言う。
「むぅ、そんな事ありませんわ、お兄様のいじわる」
アリシアが頬を膨らます。
「ふふっ、賑やかでごめんなさい。」
「いえ、仲が良いのは良いことですわ」
そうだ、セシルのためにここは、セシルの良さをアピールしないと。
「セシルはとても賢くて良い子なんですよ、アリシアは本当に愛らしくて…二人とも私の大切で大好きな存在なんです。」
露骨にセシルだけをアピールするのは良くないから、アリシアのことも褒める
「姉さん…」
人前で褒められるのが恥ずかしいのか、セシルが顔を赤くする。アリシアはニコニコしている。
「私は、エレノア様とも仲良くなりたいんです。なので、エレノア様のことも教えてください。」
私が笑いかける。
「私は、その…友人というものができたことがなくて、だからそういったお話しをしたことがありませんの」
エレノアがもじもじしながら話す。
「ですが、私も…私もパトリシア様と仲良くなりたいですわ」
「私はあの日、他のご令嬢の言葉ではなく、私を信じてくださった。パトリシア様に一生着いて行きたいと思うようになったんですわ」
「だから、アリシア様、セシル様、パトリシア様の事を私に教えてくださいまし」
私はあまりの迫力に唖然とする。きっと、アリシアとセシルも驚いているはず、二人に視線を向ける。
「まあ、エレノア様もお姉様の素晴らしさにお気づきになられたのですね」
「姉さんの話なら、僕も黙ってられないな」
「あの…アリシア?セシル?」
その後、私は置いてきぼりで三人で私の話を始めた。結局エレノアの事は聞けず終いだ。
「お嬢様、そろそろ」
「もうこんな時間、もっとパトリシア様のお話を聞きたいところですけど、御暇させていただきますわね」
「また、お話ししましょうね」
アリシアはエレノアに懐いたようだ。
「エレノア様、またお呼びしますね」
「ありがとうございます、あの…パトリシア様さえ嫌じゃなければ、私のことはエレノアとお呼びください。」
「ええ、改めてよろしくね、エレノア」
「はい、パトリシア様」
「私のこともパトリシアで良いわよ」
「いいえ、尊敬の意を込めてパトリシア様とお呼びいたしますわ」
おかしいな、距離を感じる。
「それでは、セシル、アリシア今日はありがとうございました。」
二人のことは呼び捨て?
「それではごきげんよう」
エレノアとは仲良くなれた…のかな?




