表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

15/69

12 悪役令嬢と侯爵令嬢

「パトリシア様、おめでとうございます。こちらプレゼントです。」

「パトリシア嬢、本日はお招きいただきありがとうございます。」


はぁ、疲れた。貴族は大変だなぁ

「姉さん、お疲れ様。ドリンクを持ってきたよ」

セシルが、グラスを両手に持ちながらやって来た。子供のなのに気が利くな。

「ありがとう、セシル。主役がこんなに大変だなんて思わなかったわ。」

「そうだね、僕も大変だったよ」

「セシルも?」

「姉さんについて、色々聞いてくる令息達をあしらうのが。」

「私について?」

アリシアならまだしも、なぜ私?

まあ見た目は美少女だから無理もないか。

「姉さんは気にしなくて良いよ」

セシルは、あしらうのに疲れたのかむくれた顔をしている。

「そういえばアリシアがいないわね」

「僕も見てないよ」


始まったときは、確かベアトリスの近くにいたはず。ベアトリスの方に目をやると大人たちと話をしていたが、近くにアリシアはいなかった。


「あなた達いい加減にしなさいよ」

怒鳴り声が聞こえ、私とセシルはそちらへ向かう。

そこには、涙をこらえ震えているアリシアと三人の令嬢。

そして、アプリコットオレンジの縦巻きロール、後頭部にはピンクの大きなリボンを付けた、ローズクォーツの瞳に鋭い目つきの少女がいた。

「アリシア!?何があったの?」

私が慌てて駆け寄る。

「いえ、何でもないですわ。大丈夫ですの」

頑張って笑顔を作ろうとするアリシア。

「セシル、アリシアをお願い。」

セシルがアリシア連れて少し離れたところでなだめてくれている。

「で、何があったか説明していただけますか?」

私は少し威圧を与える。

「い、いや私達は別に」

「そ、そうですよ、何もしていませよ」

「はい」

三人の令嬢はたじろぎ、後退りする。

「いいえ、(わたくし)はこの目で、この耳で聞きましたわ」

縦巻きロールの少女が、自信満々に話しに加わってきた。

「あなたは?」

「パトリシア様、ご挨拶が遅くなりました。私エレノア=コーデリアですわ」

エレノア?聞いたことがある。でも、小説だともっと後に登場するはず。


エレノア=コーデリアはコーデリア侯爵家の娘、年齢はセシルと同い年。鋭い目つきと高飛車な態度で社交界でも、あまり良い噂のない少女。そんな少女が、謂れのない罪で周りに責められた所を助けたのがアリシアだ。それから二人は親友になり、エレノアはセシルと結婚する。


「エレノア様、お話しをお聞かせください。」

「ええ、彼女達はアリシア様を…侮辱していたのです。」

「私達はそんなことしていません。エレノア様はいつもこうなのです。」

「そうですわ、エレノア様は嘘つきなんです。」

「パトリシア様、信じてください」

この三人の話は聞くまでもない。

「私は嘘などついていませんわ」

エレノアは拳を握りしめ、身体を震わせながら涙声で言う。

「エレノア様、もう良いです。」

「え?」

私がゆっくりと三人の令嬢に近づく

「パトリシア様信じてくださったんで「あなた達は確か、男爵家と子爵家のご令嬢でしたよね」

私は被せて言う。

「はい」

「なら分かるわよね、あなたは公爵家と侯爵家を侮辱したのよ」

「いえ、そんなつもりは」

「そんなつもりは?あら、それはアリシアを侮辱したって認めてるのと同じよね」

「……」

「この話が、ご両親の耳に入れば、あなた達はどうなるのかしらね、食事抜き?それとも課題を増やされるかもしれないわね」

私は大人げないが、意地悪を言う

「も、申し訳ありません」

「ごめんなさい」

「お許しください」

三人が謝る。

「謝る相手が違うのではなくて?」

三人がアリシアのもとへ走る。

「ア、アリシア様、申し訳ありませんでした。」

「ごめんなさい」

「お許しください」

セシルの後ろに隠れていたアリシアは

「分かりました。許します」と言った。

三人はアリシアの許しの言葉を聞き、その場を去ろうとする。

「あら、もう一人謝るべき方がいるのでは?」

私の言葉に三人は、エレノアのもとへ

「「「エレノア様申し訳ありませんでした。」」」

「まあ、今回はパトリシア様のお顔に免じて許して差し上げますわ」

三人はその言葉を聞いたあと走っていった。


「ふぅ、アリシア大丈夫?」

私は一息つきアリシアのもとへ駆け寄る。

「お姉様」

アリシアが私に抱きつく。

私はアリシアの背中を擦る。

「こんな状態でごめんなさい。エレノア様、私の妹を守ってくださりありがとうございました。」

私はエレノアにお礼を言う。

「と、当然のことをしたまでですわ」

エレノアは少し照れながら言う。

まだ子供なのに、自分より幼い子を守るなんて立派だな。


「後日、またご招待させていただきます。お礼をさせてください。」


セシルのためにも仲良くなっておかないとね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ