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11 悪役令嬢の誕生日

セシルとも仲良くなり、夏が過ぎ、9月になった。

9月17日、今日は私…ではなくパトリシアの8歳の誕生日だ。


早朝から、アンナ達侍女の手によりおめかしされる。いつもの比較的動きやすいドレスではなく、少し重たいドレス。ドレスはブルーを基調としたもので、金色の薔薇の刺繍も施されてるものだった。


「パトリシアお嬢様、お誕生日おめでとうございます。」

アンナが私の髪を梳かしながら言う。

「ありがとう、アンナ」

私は早く起こされたのと、髪を梳かされるのが心地よくて眠りそうになる。

「あの、お嬢様こちらを」

アンナから小さな箱を受け取る。

「開けてみてください」

リボンを解いて箱を開けると、綺麗な青い石のついた髪飾りが顔を見せた。

「綺麗」

思わず感嘆の声が漏れる。

「気に入っていただけて嬉しいです。あまり高価なものではないのですが、お嬢様さえ良ければお付けしてもよろしいですか?」

「ええもちろんよ、素敵なプレゼントをありがとう」


身だしなみを整えてもらい、ちょうど部屋を出ようとした所、扉を叩かれる。


扉を開けるとアリシアとセシルが立っていた。

「お誕生日おめでとうございます」

「お誕生日おめでとう」

「ありがとう、二人とも」

「お姉様、今日はいつも以上に素敵ですわ」

アリシアがキラキラした瞳を向ける。

「良く似合ってるよ」

「セシルにも、褒めてもらえるなんて思わなかったわ」

私は、考えていたことを口に出してしまった。

「失礼な、僕だって人のこと褒めたりするよ」

「ごめんなさい、そんなつもりで言ったわけじゃなくて」

「もう良いよ、それよりこれ」

セシルから本をもらった。

「ありがとう、これ読みたかった本なの」

「私からはこちらです」

「これは、押し花の栞ね」

アリシアのくれた栞はネモフィラを押し花にしたものが使われていた。

「私がデイジーと一緒に作りましたの」

「すごいわ、ありがとうアリシア」


私は、受け取ったプレゼントを部屋に置き、三人でダイニングへ向かう。

ダイニングへ向かう道、使用人達に沢山お祝いの言葉をもらった。

今は屋敷で孤立するパトリシアはいない。そう、今は…


「「パトリシア、お誕生日おめでとう」」

ダイニングの扉を開けるとアルフレッドと、ベアトリスが迎えてくれた。

「ありがとうございます。お父様、母上」

「今日は一段と綺麗ね」

ベアトリスが私の頬を撫でる

「パトリシア、これを」

アルフレッドから箱を渡される。

「誕生日プレゼントだよ」

「でも、プレゼントは」

私は、セシルの侍女を連れてきてもらうために、誕生日プレゼントはいらないって

「僕達があげたいって思ったから」

「さあ、開けてみて」

箱を開ける。サファイアが沢山ついたネックレスだった。

「ありがとうございます」

こんな高価なものを、子供の誕生日にあげるのか、流石公爵家。

「付けてあげるわ」

ベアトリスがネックレスを取り、私の後ろに回る。

「やっぱり良く似合ってるわよ」

「はい、とっても素敵ですわ」

アリシアとベアトリスが、そっくりな笑顔を私に向ける。


「さあ、もうすぐお客さん達がこられる。準備しようか」



そうか、貴族の誕生日って、家族で祝うだけじゃないんだった。

確か、小説だとパトリシアは体調がすぐれないとかで誕生日会はできなかった。


「皆さん、本日は僕の娘、パトリシアの誕生日会にお集まりいただきありがとうございます。」

アルフレッドに肩をポンっと叩かれる。


「フローレス公爵家が娘、パトリシア=フローレスと申します。皆様、私のためにお集まりいただきありがとうございます。今日は存分にお楽しみください。」


パトリシアの誕生日会が始まった。


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