プロローグ
「……して、……もう、ゆるして」
パトリシアは許しを請う、手足は拘束をされ、首には鎖をつけられている。
「この程度の痛み、あの子が負ってきた傷に比べたら大したことはないだろ」
そう言うと不適な笑みを浮かべ、パトリシアの瞳にナイフを振り下ろす
「ぎやああぁぁ」
「はぁ、何て酷い話なの」
パタンと小説を閉じ、私はため息をつく
友人から借りた小説、「君に捧げる花」
この物語は主人公のアリシアが、両親の再婚で公爵家の娘になるのだが、公爵家の一人娘だったパトリシアにいじめられる。パトリシアから酷い扱いを受けても、パトリシアを責めたりしなかった。そんな健気で優しく、愛らしいアリシアは、パトリシアの婚約者のカイル王子に一目惚れされる。嫉妬に狂ったパトリシアが殺し屋を雇いアリシアを殺そうとするが、カイルにより助けられる。その後義妹を殺そうとしたパトリシアは監禁され、拷問された挙げ句、処刑される。
アリシアとカイルは無事結婚し、幸せに暮らしましたとさ、って感じ
確かにパトリシアのやってきたことは最低だけどさ、拷問が酷いんだよね、王族だけが持つ全てを癒す能力?を使って、傷つけては治しを繰り返すなんて
まあ、物語にケチを付けても仕方ないけど
「休憩も終わったし、本棚の整理しに行きますか」
読書家の私は、大学卒業後憧れだった図書館の司書になった。
「よし、あとはここの棚だけ」
よっと、声に出しながら梯子に登り、上の段から本を取り出していく
「うわぁ、すごい埃」
はたきを取りに行くため梯子から下りようとしたその瞬間私は、足を滑らせてしまった。
そこで私の記憶は途絶えてた。




