漂流9日目 もう一度、貴女に会いたい。ただそれだけだったのに……!
あの頃、私は焦っていた。
こうもクリームソーダに囚われる理由はナイはずなのに、そして出会えない理由はナイはずなのに、コトゴトクその機会をつぶされているのはナゼ?このまま会えないの?
「メロンソーダ」「バニラアイス」「缶詰チェリー」が揃った昔ながらクリームソーダに会いたい、ただそれだけなのに。
ええい!「喫茶店」も「飲食店」もダメならば「ホテル」とかならばどうだ?
値段はバカ高くなるのをカクゴしてぐーぐる先生と相談を始めると……おお、あった!
……あったんだけど。
あのさー。なんで「ラブ」な「ホテル」のメニューがヒットするのさ?
流石にイヤ過ぎる!絵面を考えてみて欲しい。何が悲しくてそんなところに独り出向いてわざわざクリームソーダをいただかなければならんのだ?却下だ却下!さすがにアホすぎるし悲しすぎる!
他にはないのかと思い、エリアを広げてサーチすると、住宅街の中に一軒の喫茶店を発見する。画像を見ても赤きチェリーさんがキチンといらっしゃるのがわかる。よっしゃここだ!
「いらっしゃいませー。もうすぐオーダーストップですけどいいですかー?」
あぶなっ!
でも間に合ったのなら問題ない。テーブルにメニューが置かれるが、広げて読むフリをしつつ、ターゲットであるものを頼む。
「クリームソーダを一つ」
「かしこまりましたー」
……ふぅ。これでようやくこの旅も終わる。
なんだかんだあったが、まあ終わりよければすべてヨシ、と言うし。
あとは出されたものを味わうだけ。
神よ、ようやくこの旅も終わりを告げる時が来たようです。
「お待たせしましたー。クリームソーダになります」
「ありがとーごさい、ま……す?」
……一つ伺いたい。
チェリーさん、どこ?
ボーゼンとしつつも、もしかしたらチェリーさんが沈んでらっしゃるのかと思い刺されたスプーンをちょっとだけ乱暴に引っこ抜くと……
ぶっしゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!
今度はバニラアイスとメロンソーダが爆発的反応を起こして泡がこれでもかと溢れ出てきやがったよ!
て、てめぇぇぇぇ!(´;ω;`)
この後テーブルを拭き、なんともナサケナイ思いでクリームソーダをいただきながら、「缶詰チェリー漂流記じゃないし、一旦ここでゴールとしよう……」と決心したのでした。
これにて漂流記、終わり!
お疲れさまでした!
………そのハズでした……。
【注】
クリームソーダを作る時は手順を誤ると大惨事になります。結構スキルが要る飲み物だったのね……




