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児童書全集

おねしょのはなしをかく

作者: 月尊優

 椋鳩十むくはとじゅう先生が編纂へんさんされた「ねしょんべんものがたり」をんだことはありますか?

 おとこの子、おんなの子、小学校しょうがっこう入学前にゅうがくまえなのになおらない子から、いつもはしないのになぜかしてしまう子まで。


 発行が昭和しょうわ46ねん1か月半(いっかげつはん)で3万部まんぶをこえたベストセラー。昭和54年10月に文庫本第一刷ぶんこぼんだいいちずり発行はっこうされました。


 児童じどう文学者ぶんがくしゃ中心ちゅうしんに24人のおねしょのおもかれた本です。

 朗読ろうどくように文庫本、実家じっかには単行本たんこうぼんっております。


 児童文学では書いてはいけないとされていた「おねしょ」ですが、椋先生のおともで岩手県いわてけんをおとずれていた子どもの本けんきゅう代田昇しろたのぼる先生が、椋先生からきいた「ねしょんべんたいけん」を小学校の子どもたちにおはなしされたのでした。

 子どもたちはだいばくしょうでころげまわらんばかりだったそうです。


 そのころの子どもの本の世界せかいではそんなげひんなはなしはほとんどなかったそうです。あくしゅみとされていたようですね。


 わたしは3かいぐらいしかしたきおくがありません。なんとかおもいして書きたいです。

 ()(まえ)(なに)をしていたのかな? 何か()みすぎた? 体の調子(ちょうし)(わる)かったのかな?

 ゆめの中でおべんじょを(さが)していたことありますよね?


 おしっこがしたくなったらゆめの中身(なかみ)がかわってしまうのかな?

 たとえば、遠足や公園(こうえん)(あそ)んでいたけど、おべんじょや、のはらのおしっこできる場所(ばしょ)を探してしまう。



   *



 でも、ゆめはいろんな方法(ほうほう)でおしっこのじゃまをします。おべんじょが()つからない、どのとびらも()まっている、だれかが(ちか)くにいるとか。


 ばっちゃにも()われたことがあります。おべんじょがこわれていたり、とても(よご)れている。


 「そこでしたらいかん」と。


 ここまででゆめがさめなければたいへんです。

 でも、わたしはじゃまをされたことがありませんでした。


 いつも学校で使(つか)うおべんじょのとびらをしめるか、いえにあるものにたどり()いてしまうのでした。

 学校ではいちばんおくのおべんじょを使(つか)っていて、ゆめでも(おな)じでした。

 もうがまんができないからじゃまされなかったのかな?



   *



 おしっこしてもだいじょうぶな(ところ)だからあんしんしてできるんですよね。

 いっぱいまでたまっていたから、()()(とき)はとっても気持(きも)ちがいいんですよ。


 でもどうしてだろう? わたしはちゃんとおべんじょでおしっこしたんだよ? どうしてパンツもパジャマもおふとんまでぬれているの? ゆめの中のできごとなのに。


 パンツ、パジャマとシーツは(せん)たくきで(あら)うけど、おふとんは屋根(やね)の上にほされてしまう。

 グラウンドでソフトボールやキックベースボールをしていた子たちの練習(れんしゅう)()わってからほされていたのかな? わたしのおねしょがうわさになることはありませんでした。

 通学路(つうがくろ)のとちゅうにいえがあった子はたいへんですね。

 その子は「ねしょんべんぎつね」とよばれてました。もうすぐ4ねんせいなのにへんなあだ()をつけられてかわいそうでした。


 でも、わたしはもうすぐ中学生なのにしてしまいました。


 その日は体の調子が悪かったのか、学校から(かえ)ってずっと寝ていて、おべんじょへ()かずに(よる)も寝ていました。

 ゆめはつり天井(てんじょう)という、天井がゆっくりとおりて()るものでした。わたしはかべのあなに()げて無事(ぶじ)でした。

 でも、無事ではありませんでした。わたしはいえのおべんじょにいたのです。

 だからふつうにすわっておしっこしました。



   *



 とちゅうでおもらししていることに気付(きづ)いてあわてて()めることができました。

 ぬれているのはパンツとパジャマだけ。おふとんは無事でした。パンツは(まえ)の日のものととりかえ、洗たくきにねじりこみ、パジャマにはアイロンを()てました。おしっこのゆげがあがりました。

 お母さんがおりてきたけど、ぜんそくが()()きたことにしてごまかしました。



   *



 (あさ)からバスに()って商工会議所しょうこうかいぎいしょまでそろばんのしけんを()けに行ったけど、集中(しゅうちゅう)できずに結果(けっか)不合格(ふごうかく)でした。

 帰ってからお(とも)だちのいえへ行った時になぜか「おねしょ」の(はなし)になって、わたしはしんぞうが口から()()しそうでした。

 その時にテレビで()()()()いた「冗談(じょうだん)はよせっ!」と言いました。お友だちからは右左の手を入れかえ、「冗談はせよっ!」と言い(かえ)されました。


 バレていたのかな? そんなことありませんよね? かんぺきにしまつしたのですもの。


 しばらくは夜寝る前にまたおねしょしないかしんぱいでした。でも、その日を最後(さいご)にすることはありませんでした。

 おしっこするゆめは(いま)でもみますよ。ゆめだと気付いてわざとおしっこすることだって。

 でも、なにもぬらすことはありませんでした。ふしぎですね。



   *



 北畑静子(きたはたしずこ)先生の「わたしの おねしょのはなし」では(まち)でいちばん大きなびょういんへつれて行かれ、えらい先生にみてもらいます。


「どこも悪くないですよ。()()()()です。おねしょしまいといっしょうけんめいに(おも)うからしてしまうのです」


 この先生のお言葉(ことば)(おさな)かった静子先生の(たす)けになります。なんて本当(ほんとう)のことをわかっているのだろう、(はじ)めて()ったのにわたしの本当の気持ちを()っていると。



   *



 おしっこのゆめとおねしょは、本当はかんけいがないそうです。

 でも、それを()かなければおはなしが書けませんよね?



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引用元(いんようもと):北畑静子(さく)「わたしの おねしょのはなし」(椋鳩十(へん)「ねしょんべんものがたり」より)

エッセイと児童書じどうしょことなりますね。

えて投稿とうこうしないとしても、また推敲すいこう出来できます。


「冗談はよせ!」はフジテレビけい「オレたちひょうきんぞく」で西川にしかわのりお師匠ししょう流行はやらせたギャグです。一度いちど、右左を間違まちがえられ、「せよ!」になったことがあったときおくしております。

西川のりおさんは地下鉄ちかてつ改札かいさつ前でおかけしました。そのちかくでも笑福亭鶴瓶しょうふくていつるべ先輩せんぱいみちをおゆずりしていただいたこともあるんだよ。

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