#60:普段スケベな奴は時として天才をも上回る頭脳を発揮する時がある
フランチェスカ学園には校舎や寮の他にも様々な施設がある。
そのうちの一つに監獄室と呼ばれる場所があり、牢獄のような作りになっていて余程の問題児でなければ入れられることはないのだが
開校以来、滅多に使われることがなかったこの施設が使われることとなった。
その利用者のなかに┅
バンッ!
我らが主人公・北郷一刀がいた。
いや、一刀だけではない
華佗、及川、他のモブ男子達等、男子全員が入れられていた。
一刀「はぁ、どうしてこうなったんだ!?」
華佗「俺達、どうなってしまうんだろうな?」
この施設に入れられると余程のことがない限り退学はほぼ確定である。
何故男子達がここに入れられているのかと言うと
男子「元はといえば及川、お前のせいだ!」
男子「責任とってお前だけ罰を受けて死ね!」
及川「何を言っとんねん! みんなかてノリノリやったやないか!」
やはりトラブルメーカーである及川が原因であった。
ことの切っ掛けは数日前に遡る。
数日前、季節が冬ということもあり生徒会長である華琳が主催する温泉旅行に参加した俺達
一刀「温泉旅行に参加させてくれるだなんてさすが華琳だよな」
華佗「同じ金持ちでも麗羽とはえらい違いだよな」
ちなみにその麗羽は
麗羽「おーほっほっほっ! 誰が華琳さんの主催する温泉旅行に行くものですか。わたくしはわたくしで温泉旅行を満喫しますわ。それでは行きますわよ」
猪々子「へ~い」
斗詩「何だか嫌な予感がするなぁ」
真直「これも麗羽様に仕えるものの運命というものですね」
側近三人を連れて温泉旅行に参加しなかった。
及川「しかしまぁ、華琳って胸は小さいし、背丈も小さいし、少々ケチやけど、意外にいいとこあるやないか」
及川がそう言った直後
ドカァッ!!☆ミ
華琳「誰の胸と背丈が小さくてケチですって、あんただけバスから放り出してもいいのよ」
及川「ご┅ごめんなさい!?」
華琳に殴られる及川であった。
そして無事に温泉がある雪山に着いた俺達は
一刀「いやっほーっ!」
華佗「はぁっ!」
及川「のわぁーっ!?」
昼をスキーやスノボで楽しみ、及川は雪ダルマになって楽しんだ。
及川「楽しんどるわけやない!」
その後、夜は温泉タイムとなったのだが
及川「諸君! 我々はこれより覗きを決行する!」
及川が男子達を集めて女湯覗きを企んでいた。
一刀「またお前って奴は懲りせずにこんなことを」
華佗「しかも何で俺達まで」
及川「お前らは友達を見捨てる気か! 『赤信号、みんなで渡れば怖くない』『一人殺せば殺人、百人殺せば英雄!』という言葉があるやろ! 何でもみんなで行けって意味や!」
それは意味が違う
一刀「しかし、相手は華琳だぞ」
華佗「絶対に覗かれないための秘策を用意してるだろうしな」
及川「フフフッ、わいを甘く見るなよ! こういう時のわいのIQは華琳をも遥かに越えるんやで!」
確かに及川は普段のテストでは零点を量産しているが性欲に関することなら天才である華琳をも越える頭脳の持ち主であった。
その成果もあり
及川「みんな、あそこへ行けば桃源郷が待っとるで!」
男子達「「「おぉーっ!」」」
男子達は誰一人欠けることなく覗きエリアの前にたどり着いた。
一刀「恐るべき及川の変態力だな!?」
華佗「こうなったら華琳も敵わないな」
及川「ぐひひっ! もうすぐ桃香の巨乳や蓮華の美尻が拝めるで! 者共、一斉に行くで!」
だがその時
ドシャァッ!!
及川「あぁーっ!?」
一刀「なっ!?」
華佗「うわっ!?」
突然一刀達の足元の雪が崩れ
バッシャーーンッ!!
男子達は雪ごと全員風呂場に落ちてしまった。
一刀「ぷはぁっ!?」
華佗「苦しかったぜ!?」
及川「死ぬかと思ったわ!?」
何とか死に物狂いで男子達が雪の中から出てくると、彼らの目の前に現れたのは┅
ぺったぁ~~んっ
鈴々、桂花、小蓮等の貧乳組の裸であった。
及川「何でやねん! 何でよりにもよってつるぺた組の裸なんか見なあかんねん! これなら水着着ててもえぇから巨乳組の姿が見たかったわ!」
一刀「お┅おい及川!?」
華佗「そんなこと言ってる場合じゃ!?」
その通りであり
桂花「きゃ┅きゃああぁぁーーーーーっ!!」
桂花の叫び声が響き渡ったのだった。
その後、男子達は全員逮捕され監獄室に入れられ、処分を待つのみとなった。
一刀「俺達一体どうなるんだ!? 退学か!?」
華佗「それだけならまだいいが下手すると死刑かもな」
及川「あぁ、死ぬ前に巨乳のおっぱいを揉みたかったで!」
男子達が不安がるなか
ガチャッ!
監獄室の扉が開くと
『出なさい』
華琳の声が聞こえてきた。
及川「おっ、まさかの無罪放免かいな! さすが生徒会長、生徒のことを考えとるやないか♪」
ウキウキ気分で牢獄から出る及川であったが、彼の前には
及川「あれ?」
バァンッ!!
ずらりと並ぶ三つの門があった。
すると
『男子達、あなた達の処分を説明するわ。桂花達はあなた達を斬首するよう申してきたけど』
一刀「斬首だと!?」
華佗「やはり死刑か!?」
及川「何で洗濯板見て殺されなあかんねん!」
『落ち着きなさい! まぁ、及川の変態力を見誤った私の落ち度もあると見てあなた達にチャンスをあげるわ』
一刀「チャンス?」
『あなた達にはこの先にある三つの試練を行ってもらいます。もし一人でも試練を突破できたのならばあなた達は無罪放免にしてあげるわ』
華佗「やったな!」
『ただし、もし全員試練を突破できなかった場合、あなた達は全員退学の上に去勢だからね』
及川「きょ┅去勢やと!?」
去勢とは、すなわちキン〇マを切断することである。
『生き残りたければ誰か一人でも残ることね。それでは頑張りなさい』
プツンっ!
そう言って華琳からのアナウンスは消えてしまった。
男子「去勢だなんて冗談じゃねぇぞ!?」
男子「この先どうやって生きればいいんだよ!?」
あまりの内容に衝撃を受ける男子達
すると
及川「落ち着け皆の衆、さっきの華琳からのアナウンスを聞いとったやろ! 男子の中の誰か一人でも試練を突破すれば助かるんや! 力を合わせて頑張ろうやないか!」
及川がまるで神様のごとく皆をまとめると
男子「そうだよな、これだけ数がいるなら一人くらいは試練を突破できるに違いない!」
男子「頑張ろうぜ!」
気合いを入れる男子達であったがその心の中は
『俺が倒れても他の誰かがやってくれる!』
他力本願であった。
一刀「っていうか、こうなったのも及川が原因なのをみんな忘れてるな」
華佗「まぁ、いまそんなことを責めても仕方ない。俺達も頑張らないとな」
一刀「だな」
仕方なく一刀と華佗も試練を突破しようと気合いを入れた。
そして男子達は最初の門を通ろうとするのだった。




