#58:調子に乗りすぎるほど後から怖いものはない!?
フランチェスカ学園にはとあるイベントがある。
それは『天帝の日』と呼ばれ、毎年貂蝉学園長の誕生日である〇月✕日に行われるイベントである。
前日に学園長が生徒からランダムに一人決め、選ばれた生徒は天帝となり、翌日の丸1日、学園を好きなように支配でき、その権限は生徒会長であっても阻むことはできない(ちなみに誕生日が土日の場合、その年は開かれない)
一刀「へぇ、そんな日があるんだな」
華佗「あぁ、一刀が来た去年はあいにくその日は土曜だったんで無かったが、今年は平日の明日がその日だからな」
つまり確実に誰かが選ばれるのだ。
及川「でもその日って特別な事情でもない限り休むのを禁じる日やからなぁ、ひどい目に遭わされるのがオチやで」
一刀「オチって、まさかそこまで大変な目に遭わないだろ」
と思う一刀であったが
桃香「(天帝に選ばれれば一刀くんと仮でも結婚式が挙げられる!)」
華琳「(その日は一刀と二人っきりでディナーが楽しめるわね)」
蓮華「(一刀とデートができる!)」
既に何人かの女子から標的にされているとは知らない一刀であった。
一刀「何だか悪寒がする!?」
それはさておき
貂蝉『それでは生徒のみんな、天帝を決めるからスマホの画面を見るのよん♪』
放送から気持ち悪いが学園長の声が流れ、生徒達はスマホに仕込まれた『学園案内』のアプリを起動させると
パッ!
画面には貂蝉学園長と巨大電光ルーレットがあり
貂蝉「ポチッと♪」
学園長がスイッチを押した途端
パララーーッ!!
ルーレットが動き出した。
桃香「(お願いします!)」
麗羽「(おーほっほっほっ! 幸運の持ち主であるわたくしなら選ばれて当然ですわ)」
誰もがスマホの画面を見るなか
パッ!
ルーレットが指した人物は┅
〇 及川
及川「へっ?」
及川であった。
桃香「(あぁーっ、選ばれなかった!?)」
蓮華「(何ということだ!?)」
華琳「(くぅっ、残念だけどディナーはまたの機会に!)」
皆は選ばれなかったことにショックを受けていたが更に衝撃的なことを見ていなかった。
あの及川が天帝に選ばれたことを!?
及川「マジっ?」
明日は女子にとってフランチェスカ学園史上最悪の日となる。
その事を多くの女子達が天帝に選ばれなかった衝撃で忘れていたのだ。
そして翌日
一刀「しかし、いつもは遅刻してばっかの及川が朝早くから寮を出るだなんてな」
華佗「こりゃ明日は洪水級の大雨が降るかもな」
二人がそんな会話をしながら登校していると
ざわざわっ!
一刀「んっ? 何だか校門が騒がしいな」
校門では多くの生徒が集まっていた。
その理由は┅
及川「えぇ、全校生徒の皆さん、わいが天帝に選ばれた及川です。わいが天帝に選ばれたので最初の仕事を行いたいと思います」
及川が校門の前に立ち、何やら演説すると
及川「それは女子のバストサイズの計測です! 女子はバストサイズを計測しないと構内に入れません! 男子? 興味ないんで好きに入ってください」
朝からとんでもない提案を出す及川
朱里「そ┅そんなの無理に決まってるじゃないですか!」
桂花「何を考えてるのよ!」
そんな及川に抗議する女子(主に貧乳組)であったが
及川「おやぁ? 天帝に逆らってもいいのかなぁ?」
桂花「うぐっ!?」
天帝の日にはルールがある。
天帝に逆らう、暴力を振るったものは即退学となるのだ。
及川「さぁ、欠席したくなければバストサイズ測ってください!」
パチンッ!
及川が指を鳴らすと
ザザザッ!
校内からサングラスをかけた黒服の集団が現れた。
彼らは天帝の手足となる特殊アンドロイド集団である。
天帝の命令を絶対に聞き(殺害等は聞かない)、天帝に逆らうものがいればすぐに天帝に知らせる役目がある。
女子「うぅっ!?」
女子「仕方ない!?」
退学がバストサイズの計測
天秤にかければどちらを選ぶのかは明白であり、女子達は仕方なくバストサイズ計測を選んでいった。
一刀「及川の奴、早速無茶なことを┅!?」
華佗「こりゃ今日一日は大変な日になるな!?」
そう。これはまだほんの序の口であった。
その後
及川「今日の体育は授業内容を変更して水泳とする!」
男子「ふざけるなよ及川!」
男子「今何月だと思ってるんだ!」
季節は冬であり、ブーイングする男子達であったが
及川「これを見ても文句が言えるのかな?」
及川が指をさした先には
ぷるんっ♪
スリングショット水着を着た桃香達であった。
桃香「恥ずかしいよぅ」
蓮華「何でこんな格好を!」
恥ずかしい思いをする桃香達
華琳「あなた達なんてまだいい方よ。私を見なさい!」
バァンッ!
そう言う華琳の格好はスク水に『そう』と平仮名で書かれた刺繍入りを着ていた。
というのも┅
及川「水泳の時間、巨乳はスリングショットを! 貧乳はスク水を着用すべし!」
全ては及川の仕業であった。
その後も┅
桔梗「ふむ、この格好で授業はちとのぅ」
ぷるんっ♪
バニーガール姿で授業を行う桔梗先生
及川「教師はバニーガールで授業するべし!(女子教師のみ!)」
及川「食事の時間は裸エプロンで食べるべし!(女子のみ!)」
及川「美術の授業はヌードデッサンを行う!」
天帝となった及川の無茶苦茶振りはどんどんエスカレートしていき
男子達「「「うおぉーーっ! 天帝様、万歳!」」」
一刀、華佗、他数名の男子達以外からは高い評価を得たが
女子達「「「あいつ、殺す!」」」
女子達からは高い殺意を抱かれていた。
及川「なーはっはっはっ、愉快や愉快! ここは天国や!」
しかし、幸せの時間はそう長くは続かないもの
いつしか終わりがやって来るのだ。
翌日
及川「いやぁ、昨日は幸せやったで」
一刀「お前だけだろ」
華佗「というか、やり過ぎだ」
三人がいつものように登校していると
及川「おや、何だか校門が騒がしいな」
校門の方が騒がしいので見てみると
バァンッ!!
そこにはボコボコにされた挙げ句、磔にされた男子達が柱に縛り付けられていた。
一刀「おい、あの縛り付けられている男子達って!?」
華佗「昨日、及川に賛同した奴らだよな!?」
ということは┅
及川「ハッハッハッ!? わい、何だかお腹が痛くなったから今日は休むわ!?」
身の危険を感じた及川は寮へ戻ろうとするが
ガシィッ!!
華琳「そうはさせないわよ」
一足遅く華琳に捕まってしまい
華琳「でぇいっ!!」
及川「わぁーっ!?」
ドシャッ!
及川は女子達が輪になっている真ん中に落とされた。
女子達「「「こいつ、殺してやる!」」」
及川「あ┅あの皆さん、暴力は反対で!?」
華琳「そうね。殺しちゃダメよ」
及川「華琳┅」
助けてくれるのかと思いきや
華琳「半殺しにしないとね! やっちゃいなさい!」
ドタバタァーーッ!!
及川「ぎゃあぁーっ!?」
華琳の命により、女子達は一斉に及川に襲いかかった。
華佗「は┅早く教室に入ろう!?」
一刀「及川の自業自得だしな!?」
友達を見捨てて校内に入る一刀と華佗
その後
及川「助けて~!? もうしませんから許して~!?」
及川は全身ボコボコにされ、全裸にされた挙げ句、磔にされ凧のように風に揺られていた。
ギチチッ┅
及川「凧の紐が千切れるーっ!?」
ブチンッ!
及川「あぁーっ!?」
その後、数日の間、及川の姿を見たものはいない