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#57:対決ものでこんなオチが許されるはずがない!

俺の名は北郷一刀


ある日、テレビの企画で天和達と共に無人島脱出をさせられ麗羽チームと戦うことになってしまう。


しかし、無人島生活も案外楽に進み、夜を向かえたのだが


天和「ん~! やっぱりお風呂は気持ちいいねぇ♪」


地和「海水使ってるからちょっとべたついてるけどね」


人和「まぁ、無いよりマシでしょう」


現在天和達は俺が作った簡易風呂(砂浜に穴を掘って、海水を入れて焼いた石を入れたもの)に入っていた。


というのも、もう夜だというのに天和が


天和「お風呂に入りた~い!」


とワガママを言い、他の二人も便乗した。


当然こんなところに風呂なんて無いと俺ははっきり言ったのだが


地和「何でもいいからお風呂を用意しなさい! さもないとちぃ達の裸を見たことをマスコミにばらすわよ!」


と脅され仕方なく用意した。


というか、この状況


テレビで放送していいのだろうか?


天和「一刀~、一緒に入る?」


一刀「入るか!」


入ったら俺が殺されるわい!


一方その頃、麗羽チームは


猪々子「麗羽様、風呂の用意ができましたよ」


こちらも麗羽のワガママで風呂を用意していた。


麗羽「何ですのこれは!」


バァンッ!


タオルを巻いた麗羽はドラム缶風呂に文句を言ってきた。


斗詩「我慢してください。こんな無人島でお風呂を用意するのも大変なんですから」


麗羽「仕方ありませんわね」


文句を言いながらもドラム缶風呂に入る麗羽であったが


ここで猪々子達は一つのミスをやらかしてしまった。


真直「ところで猪々子、ドラム缶の底に木のフタを入れましたか?」


猪々子「あぁ、これか、何に使うかわからないから置いといたけど」


斗詩「ダメだよ文ちゃん!?」


猪々子が持つ木のフタ


実はドラム缶風呂で一番大事な部品だったりする。


ドラム缶に水を入れ、暖めると底の方が熱くなる。


料理したりするのなら問題ないが人が入る場合


麗羽「あちちーーっ!?」


ドラム缶の底に足が当たるため火傷するのだ。


斗詩「麗羽様、早くドラム缶風呂から出てください!?」


こういう場合、すぐドラム缶風呂から出るのが普通なのだが


麗羽「さっきからやってますけど、胸がつかえて出られませんの!?」


何と!? 麗羽の爆乳が原因でドラム缶風呂から出られなかった。


足は熱せられ、更に熱くなるドラム缶によって胸にまで火傷を負いそうになった麗羽


だがその時!


バッ!


ゴロゴローーッ!!


麗羽「わぁーっ!?」


猪々子「麗羽様!?」


麗羽が暴れたせいでドラム缶が火から離れ、海の方に転がっていき


ばっしゃーーんっ!!


海水によって鎮火し、ドラム缶を冷やすことができた麗羽


猪々子「助かったな、麗羽様って意外な幸運スキルがあるからな」


ほっと安心する猪々子であったが


斗詩「でも文ちゃん、ドラム缶は海の方に転がっていったけど、麗羽様って泳げなかったよね!?」


猪々子「あっ!?」


そう。麗羽はドラム缶による火傷からは回避できたのだが


麗羽「あぶぶっ!?」


今度はドラム缶による呼吸困難に苦しむ麗羽であった。


そしてあっという間に一日が経過し


カッ!


天候もいい朝を向かえた。


一刀「そしてこれが完成したイカダです!」


じゃーんっ!


地和「このイカダ、いつの間に作ったのよ?」


それはまぁ、ご都合主義という奴だな


天和「でも何だか普通でかわいくないね」


地和「白蓮号と名付けましょう」


こらこら、人の名前をイカダにつけるな


人和「とにかく、ここからは早さが勝負です。麗羽さん達が出発していなければまだ間に合います!」


一刀「それでは出港だ!」


そして俺達は無人島を離れた。


一方、麗羽チームは


斗詩「麗羽様、早く起きてくださいよ!?」


麗羽「まだ早いですわ! わたくし、美容のためにあと数時間は寝ないといけませんの!」


猪々子「それじゃあ、勝負が終わっちゃいますよ!?」


真直「もはや、リタイアのようなものですね」


もはや脱出は絶望的だったりする。


そして俺達は


天和「うまく脱出できたね」


地和「これって映画とかだと大きなモンスターに襲われるのが定番よね」


人和「ありえないけど、物騒なこと言わないでください」


一刀「えっほ! えっほ!」


俺がオールを漕ぐなか、呑気に会話をしていた。


という誰か一人くらい漕ぐの代わってくれよ!?


俺がそう思っていたその時


天和「ねぇ、あれ何?」


天和がイカダに近づく三角形の物体を見つけた。


地和「まさかサメ!?」


人和「そんなのいるはずが!?」


確かにこういう番組でサメが出るなんてありえないけど、あの三角形の物体はどう見ても背びれ!?


地和「ちょっと!? こっちに近づいてくるわよ!?」


人和「私達、どうなるんですか!?」


このままでは全員がサメに襲われてしまう!?


サメだって俺一人が犠牲になれば天和達は襲わないかもしれない┅


と、俺は自分が犠牲になって天和達を助けようと決意したその時!


ザバァッ!!


サメが飛びかかってきた。


その正体は┅!?


AD「あのぅ、すいません」


背びれ付きのダイバースーツを着たADさんであった。


するとADさんは


AD「大変申し上げにくいんですが、麗羽さん達がリタイアしました」


一刀達「「「「えっ!?」」」」


実は数分前


麗羽「あーもうっ! 暑いし、虫は多いし、疲れましたわ! というわけでギブアップします!」


猪々子「えぇっ!?」


斗詩「これまでの苦労は一体┅!?」


真直「まだイカダを紹介してもいないのに┅!?」


うなだれる側近達とリタイアしたことで快適な生活が戻ってくると喜ぶ麗羽であった。


そしてその反響が俺達にも襲いかかってきた。


AD「このままでは番組が成り立たないので今回の収録は放送されないことになりました」


天和「えぇ~っ!?」


地和「何でなのよ!」


人和「今まで何をしていたんですか!?」


一刀「とほほ┅!?」


あまりの衝撃にショックを受けるしかない俺達であった。


更に数日後


天和「一刀、またテレビの企画で一ヶ月間ケーキだけしか食べちゃいけない対決に出るんだ」


地和「また麗羽達と四人対戦だからあんたも参加しなさい」


人和「期待していますよ」


と、俺に迫る三人であったが


一刀「もうこりごりだぁーっ!?」


俺は三人から逃げるのだった。


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