#55:番組の企画とはいえいきなり無人島に連れてこられたら訴えてやる!
読者の皆さん、北郷一刀です。
読者はこういった時、どういった反応をするでしょうか?
どういう時かというと┅
バァンッ!
朝、目が覚めるとそこは寮の部屋ではなく無人島という摩訶不思議な時です。
とりあえず俺は┅
一刀「なんじゃこりゃーっ!?」
叫ぶことにしました。
しかも、この場に来ているのが俺だけならまだしも┅
天和「わぁっ、やっぱり冬だけど海はいいよね♪」
地和「ちょっと姉さん、恥ずかしいからあまりはしゃがないでよ」
海岸ではしゃぐ天和と地和
そして
人和「まさか本当にやるだなんて」
頭を悩ませる人和がそこにいた。
どうやら人和はこの状況に心当たりがあるそうだ。
というのも┅
昨日、天和達の付き添いでテレビ局に行った際、ある番組のプロデューサーからこう言われた。
プロデューサー「君達、無人島で生活してみたい?」
という質問に対し天和達は
天和「海か、やっぱりいいよね」
地和「気晴らしにはいいかもね」
人和「スケジュール的に問題がなければ大丈夫です」
と三人は答え、更に
三人「「「ただし、一刀を含めた四人でなら」」」
俺を含めた四人でと答えた結果
プロデューサー「四人か、わかった任せといてよ」
プロデューサーが動き、この状況になってしまったのだ。
っていうか、アイドルでもない一般人の俺が巻き込まれるなんて
人和「あのプロデューサー、うっかり言ってしまったことであっても企画を実行してしまう強引な性格だそうです」
無茶苦茶すぎるだろ
一刀「つまり、俺達が知らないだけでもうカメラが回っているわけね」
人和「その可能性はありますね」
こりゃ迂闊に変なことができない
俺がそう思ったその時
天和「きゃあっ!?」
ばしゃんっ!
海岸で遊んでいた天和が足を滑らせ、ずぶ濡れになってしまった。
地和「何やってるのよ姉さん」
天和「いや~ん。びしょびしょだよ~!?」
すると天和は
天和「誰もいないことだし、脱いじゃお♪」
ぐいんっ!
服を脱ぎ、天和のブラが見えてしまうが
人和「ちょ┅ちょっと姉さん、ストップ!?」
天和「何でなの? ここには私達の他に一刀しかいないわけだし、一刀になら下着姿くらい見られても平気┅」
その発言も色々とNGですから!?
人和「そうだとしてもカメラが回ってるんですよ!?」
天和「えっ┅!? いやーん! 早く言ってよ!」
っていうか、今のがテレビで流れたらどうなるんだろう?
多分編集作業でカットされるかモザイクが入るんだろうな
地和「そういえばさぁ、こういう企画って対決みたいな感じだけど対戦相手は誰なの?」
地和の質問に皆が?を浮かべたが
ずぼっ!
一刀「うわっ!?」
突然砂の中から黒子のような姿をしたADさんが出てくると
AD「対戦相手はこちらになります」
ADさんは俺達に一枚の紙を渡してきた。
一刀「何々┅」
そこに書かれていた対戦相手とは┅
麗羽「おーほっほっほっ! アイドルなんかにわたくしが負けるわけにはいきませんわ!」
麗羽達であった。
猪々子「麗羽様がいつになく燃えている!?」
斗詩「そりゃ天和さん達には酷い目に遭わされてきたからねぇ」
そもそも麗羽の逆恨みだけどな
麗羽「とにかく真直さん、必ず奴らに勝つよう指示をなさい! そのためには何万、何億かけたって構いませんわ!」
という麗羽だが
真直「あのぅ麗羽様、この対決ではお金は使えないんですけど」
麗羽「何ですって!?」
麗羽は勝負の内容を理解していなかった。
麗羽「ならこんな島、手っ取り早く脱出しますわよ! クルーザーを用意なさい!」
斗詩「ですから使えないんですって」
脱出系番組でクルーザーなんて使うはずがない
麗羽「だったらどう脱出すればいいんですの!」
猪々子「それを考えるんですってば!?」
麗羽が無人島に来ると大変だな
一方の俺達はというと
一刀「まぁ、とにかく脱出すればいいわけだ」
天和「みんなで力を合わせて頑張ろう!」
地和「麗羽なんかには負けないわ!」
人和「どうせもう逃げられませんしね」
俺達は無人島脱出に挑むことにした。
AD「それではまた何かありましたら来ますので、それではよろしく!」
ずぼっ!
そう言うとADさんは再び地面に潜ってしまった。
あの人、忍者かよ!?
一刀「とにかくまずは火を起こさないとな」
地和「マッチもライターも無いのにどうやって火をつけるのよ!」
天和「もしかしてテレビでやってる錐揉み式で火をつけるの?」
一刀「それもいいけど、それだと時間がかかるからな、こっちには人和がいる」
人和「私ですか?」
人和自身はわかっていないが人和がいれば火をつけることができるんだ。