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#53:ブームは流行るのは早いが去るのも早い

それはある日のこと


一刀「面っ!」


バシィンッ!!


審判「一本! それまで!」


一刀が見事に面を決めた直後


『優勝、フランチェスカ学園所属 北郷一刀!』


わぁーーっ!!


一刀の優勝が宣言された。


そう。今日は剣道部の全国大会が行われている日なのだ。


凪「先輩、おめでとうございます!」


愛紗「やりましたね!」


同じ部である凪や愛紗が興奮するのはもちろんのこと


桃香「きゃーっ!! 一刀くん、最高ーっ!」


蓮華「まさか個人の部で優勝してしまうだなんてな」


華琳「それでこそ我が夫に相応しいわね」


この日は生徒会長である華琳の権限により学園全体で剣道部の応援に来ていた。


天和「今のすごかったよね!」


地和「相手が何もできないうちに勝っちゃうんだもの」


人和「それだけに団体戦で優勝できなかったのは惜しかったですね」


そう。人和の言うように団体戦では惜しくも剣道部は準優勝になってしまったのだ。


しかし、その鬱憤を晴らすかのように一刀が個人の部で優勝したのだから帳消しであろう。


如耶(きさや)「北郷殿、次の部長は君に任せたぞ」


そう言って現部長である不動先輩は会場から去るのだった。


だが大会が終わった翌日、騒動が起きたのだ。


そうとも知らず


一刀「おはよう華佗、及川!」


いつものように華佗、及川と共に学園に向かう一刀


華佗「おはよう一刀、昨日は大変だったろう」


一刀「あぁ、もう昨日の試合で体がバキバキだぜ」


及川「今日くらい休んだ方がええんちゃう?」


一刀「いや、不動先輩から部長のバトンを受け取ったわけだし、新部長として頑張らないとな!」


華佗「一刀の奴、燃えてるな」


及川「何だか本当に消火器が必要に見えてくるで」


三人がたわいもない会話をしながら学園に向かうと


一刀「何だか門のところが騒がしくないか?」


及川「まさかほんまに火事でも起きてたりして」


何故か門の方で騒ぎが発生していた。


すると


ドドドオォーーッ!!


門の方で騒いでいた集団が一刀達目掛けて向かってきたのだった。


一刀「な┅何だよあれ!?」


及川「ははぁ、さてはわいのファン達やな、ついにわいがスポットライトを浴びる日がやってきたんや! さぁ、皆よ、わいを誉め称え┅」


と、集団に向かっていく及川であったが


ドッカァーーンッ!!☆ミ


及川「のわぁーっ!?」


及川は集団にぶっ飛ばされてしまった。


一刀「おい、こっちに来るぞ!?」


華佗「こっちだ一刀! 少々遅くなるが裏門から入るぞ!?」


一刀「そうするしかないか!」


ダッ!


一刀と華佗は仕方なく裏門から校内に入ることにした。


一刀「あ┅危なかった!?」


華佗「間一髪だったな!?」


何とか無事に校内に入り込んだ一刀と華佗


校内に入りさえすれば学園関係者でしか入れないためひと安心するのだった。


華佗「それにしてもあの集団は何だったんだ?」


一刀「及川が目当てじゃないのは当然にしてもどうして襲ってくるんだ?」


二人が考えながら歩いていると


桃香「一刀くん、よかった。登校できたんだね!」


蓮華「あんなことが起きたから心配したぞ!?」


一刀達の前に桃香達が現れた。


一刀「あんなことって、何かあったのか?」


一刀が聞くと


華琳「これよ」


スッ!


華琳は一枚の新聞を一刀に見せた。


その新聞には┅


『フランチェスカ学園所属の剣道部、北郷一刀、個人の部優勝!』


昨日の出来事が大きく載っていた。


一刀「何だこれ!?」


華琳「そりゃ女子が優秀のフランチェスカ学園で男子が有名人になったわけだもの。話題にもなるわよ」


そう。今朝いた集団には記者もいたのだが大半が追っかけの女子達であった。


一刀「ってことはしばらくは今日のような目に遭うのか!? 大変だなぁ!?」


普通の男なら女の子に迫られれば喜ぶのだろうが


あいにく一刀はそういった男ではなかった。


その背後にて


及川「にしし、いいこと聞いたで! まさかかずピーがそんなに人気があるやなんてな、憎いがこの人気を利用しない手はないで!」


ピポパッ!


及川「あ~もしもし、わいや、作ってもらいたいもんがあるんやけどな」


何処かへ電話をする及川


その一週間後


及川「できたで! 知り合いに作ってもろたかずピーグッズ!」


ジャーンッ!!


一刀に人気があると知り、商売に使おうと企む及川


及川「さぁさぁ、寄ってらっしゃい見てらっしゃい! かずピーグッズの販売やで!」


しかし、そのグッズの顔はどう見ても一刀のゾンビにしか見えなかった。


しかも


がらんっ!


及川「あれ?」


及川が校門に着いた時には既に追っかけ達の姿はなかった。


及川「かずピーの追っかけは!?」


華佗「あぁ、毎回一刀が逃げるもんだから諦めて去っていくうちにブームが去ったようだぞ」


及川「何やて!?」


何にだって期限はあるものであった。


しかも本物とは似ても似つかないため学園でも一刀グッズは売れなかった。


及川「がぁーんっ!? せめて一個でも買っておくれ!?」


そんな及川に手を差し出したのは


桂花「半額なら買うわ」


意外なことに桂花であった。


及川「仕方ない。半額で売った!」


桂花「商談成立ね」


桂花は似ても似つかない一刀人形を手に入れた。


その使用方法は┅


桂花「あいつめ、また華琳様と会話して、華琳様が汚染されたらどうしてくれるのよ!」


ドカァッ!!


単なる鬱憤ばらしのためであった。


桂花「このブサイク人形なら華琳様に怒られないものね。あと二、三個買っておけばよかったわ!」


ドカァッ!!


これを機に及川作の一刀人形は一刀を憎むもの(思春、詠、ねね等)に売れたという


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