#49:娘と母の性格が似ているのは間違いなく遺伝といえる
一刀の実家がある九州のどこか
そして一刀の実家にて
ドタバタンッ!!
朝から何やら騒動が起きていた。
その理由は┅
一刀の父「まっ┅待ってくれ平和!? 落ち着いて話し合おうじゃないか!?」
一刀の父と
平和「あなたと話し合うことなんて無いわ! それにあなたを半殺しにでもしなければ私の怒りは収まらないものねぇ!」
ドガバキンッ!!
一刀の父「ぎゃーっ!?」
一刀の父は突然やって来たピンクの長髪に水色と薄紫のメッシュを入れた平和という名の爆乳美女にボコボコにされるのだった。
読者も察しがついていると思うが、この平和という人物、天和達の母である。
一刀の父と再婚後、すぐ海外に行っていたため一刀と面識はほとんど無かった。
しかし、三年以上経過して海外から日本に戻ってみると当時娘達が結成していたアイドルグループ『Ko-kin党』が解散しており(理由はアイドル継続のため一刀の父が金融会社から借金したことによるもの)
その情報を突き止めた平和は一刀の実家に乗り込んだのだった。
平和「そして娘達の居場所はこの男(一刀の父)から聞き出した。今すぐ東京のフランチェスカ学園に向かうわよ!」
行動力でいうならまさに天和達三姉妹の母という人物である。
平和「それに息子(一刀)にも会いたいからね♪」
そんなこんなで翌日
地和「ふんふふ~んっ♪」
天和「ちぃちゃん、朝からご機嫌だね」
地和「そりゃそうよ。朝の占いコーナー見てたら今日のちぃは『会いたい人に会える』って言ってたんだもん。きっと神様が一刀とデートさせてくれるのよ♪」
占いを自分の都合よく考える地和であったが
人和「ちぃ姉さん、それなら私達も占いに当てはまるけど」
地和「あっ!?」
三姉妹は生まれた日が同じの三つ子のようなもののため誕生日は同じであった。
天和「ならその占いは私や人和ちゃんかもしれないね♪」
地和「いいや! 絶対ちぃよ!」
三姉妹が朝から騒いでいたその時
ざわざわっ!
何やら校門の方が騒いでいた。
人和「あんなに騒いで何かあったのでしょうか?」
天和「ねぇねぇ、何があったの?」
話を聞いてみると
男子「それが、及川の母さんが来てるんだよ。しかも物凄い美人の!?」
天和「えぇっ!?」
地和「あの変態メガネの母が美人ですって!?」
驚いた天和達は騒ぎの中心に向かうと
そこには┅
平和「あぁ、三年以上経ってずいぶん様子が変わったようだけど会いたかったわよ一刀♪」
及川「はぁいママ♪」
自分達の母が及川を一刀だと思い込んで抱きついている光景であった。
それを見た三姉妹は
天和・地和・人和「「「ママ、一体何をやってるの!!」」」
平和「あらあなた達、久し振りに会ったけど大きくなったわね」
娘達との再会を喜ぶ母であったが
地和「そうじゃなくて、どうして変態メガネに抱きついているのよ!」
平和「あら、息子に抱きつくのは当然じゃない。海外じゃちょっとしたスキンシップよ」
※海外ではハグやキスはスキンシップや挨拶という文化があります。
人和「何を言ってるんですか! その人は一刀さんじゃありません!」
平和「えっ?」
じーっ┅
及川「いや、見つめないで」
見つめられ照れる及川であったが
ドンッ!!
及川「ぎゃんっ!?」
及川はいきなり突き飛ばされると
平和「あなた、私に嘘をつきましたね」
こきこきんっ!
及川「へっ!?」
及川の前に腕を鳴らした平和が立っており、しかも物凄く怒っていた。
及川「わ┅わいはただかずピーを探しとるって聞いたけどこんな美女に良い思いさせてたまるかと思ったからかずピーやと名乗っただけで┅!?」
平和「だまらっしゃいっ!!」
ドガバキンッ!!☆ミ
及川「ぎゃーっ!?」
及川は怒りまくる平和によってボコボコにされた。
天和「うわぁっ!?」
地和「相変わらずママってば強いわね!?」
人和「さすがはアクション女優の経験者ですね!?」
天和達の母である平和は歌手だけでなくドラマや映画にも出演し、しかもスタントマン無しで危険なシーンにも参加していた。
そして及川がボコられている間にいつの間にか周囲の人達が去ると
平和「ふぅ、いい汗かいたわ」
平和の前には見るも無惨なボロボロにされた及川が転がっていた。
地和「それよりママ、一体何で来たのよ!」
母である平和が突然やって来た理由を聞いてみると
平和「おっとそうだった。三人にこれを渡したくてね」
スッ!
そう言うと平和は胸の谷間からあるものを取り出し三姉妹に渡した。
それは┅
天和「パスポート?」
三姉妹のパスポートであった。
平和「そうよ。あなた達の新しいアイドルユニット『数え役満☆姉妹』見たけど前よりもすごくよかったわ」
天和「ママ┅」
母から褒められつい照れてしまうが
平和「だけどそれだけにこの狭い日本ではあなた達は有名になれない。だから私と共に海外に行くのよ」
突然母から海外に向かうよう言われてしまった。
地和「な┅何言ってるのよ!? 学校は!?」
平和「もちろん退学にさせてもらうわ。心配しなくても海外の学校に通わせてあげるからね」
人和「も┅もちろん一刀さんも一緒に連れていくんですよね!?」
海外に行くのならせめて一刀もと思う三姉妹であったが
平和「それは無理ね。残念だけどあなた達を苦しめたあの男(一刀の父)の息子とは暮らしたくないの」
平和は一刀が父親とは違う性格なのを知らないため同じ性格だと思っていた。
平和「さぁあなた達、海外に行けば世界中、いや人類全てがあなた達のファンになるわ! あなた達は海外に飛び立つのよ!」
三年以上前の天和達なら喜んで母について行ったのかもしれないが
天和「ママ、ごめんなさい」
地和「ちぃ達、海外には行かないから」
人和「右に同じです」
三姉妹は海外行きを断った。
平和「あら、どうしてなのあなた達?」
天和「えぇと┅!?」
本音を言うなら一刀と離れたくないからなのだがそれをはっきり言えないので
地和「か┅海外の食事はちぃ達の舌に合わないからよ!?」
人和「それに頻繁にテロや強盗が発生しているようですし!?」
とりあえず誤魔化すことにした。
平和「成程。あれほど母に従順だったあなた達が逆らうだなんてね」
言葉からして母は怒っていると思う天和達
だが
平和「いいわよ。そんなに言うなら海外行きは諦めてあげる」
天和「本当!」
あっさり認めてくれるかと思いきや
平和「ただし、私との勝負に勝ったらね」
天和・地和・人和「「「えぇっ!?」」」
突然母と対決することになった天和達であった。
ちなみにこんな騒動が起きているというのに一刀はというと
一刀「ゲホホッ!?」
月「今日はお休みですね」
風邪でダウンしており月の看病を受けていたのだった。