#45:対決に熱中し、熱くなりすぎて勢いに任せると冷めた時の衝撃はかなりのものである
俺の名は北郷一刀
それはある日のことだった。
パシャッ!
天和「きゃはっ♪」
パシャッ!
地和「いぇ~い♪」
パシャッ!
人和「うふっ♪」
放課後、俺は三姉妹に捕まってしまい、今度発売される雑誌のカメラマンとして繰り出されていた。
一刀「はぁ~、何も素人の俺でなくてもプロのカメラマンがいるだろうに」
天和「何言ってるの一刀!」
地和「そうよ! 発売前の写真集が見れるんだから喜びなさいよね」
確かにそうかもしれないが被写体がこいつらじゃなぁ
これがもし不動先輩だったら写真集を買い占めてやるのに
と、俺の心がバレてしまったのか
ドカンッ!!☆ミ
俺は天和達から殴られてしまった。
一刀「な┅何でわかったの┅!?」
天和「他の女の子のことを考えているなんて顔を見ればわかるもん!」
地和「今はちぃ達に集中しなさいよね!」
人和「しっかりしてください!」
女達は俺の考えが読める超能力でも持っているのだろうか!?
まぁともかく、撮影は問題なく進んでいき
一刀「終わった~!?」
撮影は終了した。
天和「うわぁっ、うまく撮れてるじゃん」
人和「一刀さんはカメラマンとしての才能があるかもしれませんね」
まぁ、被写体はよかったしな
さて、後は帰るだけだと思ったその直後
地和「これじゃダメよ!」
地和が突然叫んだ。
天和「どうしたのちぃちゃん?」
地和「だってこの写真、姉さんと人和はきれいに撮れてるのにちぃだけ普通すぎるわ!」
と叫ぶ地和であったが
別に俺は二人を特別視していたわけではない
ただ地和が指摘したのはどれも天和の胸の谷間や人和の尻のアップ等、色気のあるものばかり
それに比べて地和は胸はつるぺったん、尻は魅力無しだからな┅
と俺が思った直後
ドグボォッ!!☆ミ
一刀「ぐほぉっ!?」
地和の拳が俺の顔に繰り出された。
地和「魅力無くて悪かったわね!」
や┅やはり頭の中がバレてる!?
地和「とにかく! こんなんじゃ納得いかないから撮り直し! いいのが撮れるまで帰さないんだからね」
そんな~!?
天和「ちぃちゃんは頑固だからねぇ」
人和「撮影が終わったらちゃんと鍵をかけてくださいね」
そんな俺を置いてさっさと帰る天和達
一刀「待って!? 俺も┅!?」
地和「一刀はダメ!」
俺も逃げようとしたが地和に捕まってしまった。
その後
パシャッ!
何回シャッターを押したのかわからないくらい押したのだが
地和「ダメ! ダメダメ! 撮り直し!!」
なかなか地和からの了承は得られなかった。
一刀「だからこういうのはプロのカメラマンに頼めって┅」
地和「ダメよ! 文句言わずに撮りなさい!」
どっちが文句を言ってるのやら
と、俺がぶつぶつ言っていたその時
「おーほっほっほっ!」
隣のスタジオから高笑いが聞こえてきた。
地和「何よ、うるさいわね!」
一刀「今の高笑いは!?」
スッ!
気になった俺と地和が隣のスタジオを覗いてみると
麗羽「おーほっほっほっ!」
そこにはやはり麗羽がいた。
やっぱりあの高笑いは麗羽だったか
でも何でここに?
俺が不思議がっていると
猪々子「小遣い稼ぎにと性格はともかくスタイルだけはいい麗羽様の写真集を作ろうと撮影所に来たわけだけど」
斗詩「本人もノリノリだねぇ」
真直「でも写真集は売れること間違いなしですね」
成程。小遣い稼ぎのための写真集作成だったのか
麗羽「おーほっほっほっ! 美の神であるわたくしの写真集なんて全世界の人間が欲しがるに違いありませんわ! 当然ながら数え役満何たらより売れること間違い無しですわ!」
本当にそうなのか?
すると
麗羽「特に地和とかいう洗濯板なんて他の二人のおまけのようなもの、あいつだけの写真集なんてゴリラも欲しがりませんものねぇ」
麗羽が地和を挑発した瞬間!
地和「誰が洗濯板ですって!!」
ばたんっ!!
怒った地和が扉を開いた。
麗羽「あら地┅、洗濯板さんじゃありませんの」
地和「わざわざ言い直すな! 誰が洗濯板よ!」
麗羽「あ~ら、だってそうじゃありませんの。その貧相な体に何の魅力があるといいますの?」
地和「うぐっ!?」
貧乳を指摘されショックを受ける地和だったが
地和「ふんっ! あんたの写真集がちぃ達よりも売れるですって、あんたの写真集なんてタダだって買う人いないわよ! むしろ顔にモザイク入れた方が売れるわね」
負けじと反撃する地和
麗羽「何ですって~!」
猪々子「顔にモザイクか、確かに売り上げ上がるかもな」
斗詩「文ちゃん、し~っ!?」
地和に挑発され麗羽も怒っていた。
麗羽「ならわたくしとあなたで勝負ですわ! どちらがより魅力的な写真になるかをね!」
地和「望むところよ! ちぃの魅力を見せてあげるんだから!」
そしていつの間にか二人の魅力対決が始まったのだった。
一刀「何だか巻き込んで悪いね」
斗詩「いえ、麗羽様も麗羽様ですから」
戦いに巻き込まれたもの同士である俺と斗詩は同情し合うのだった。
その後
麗羽「おーほっほっほっ! ボディコン服ですわ!」
地和「ならこっちはナース服よ!」
麗羽「くぅっ! SM女王!」
地和「CA!」
もはや魅力対決というよりコスプレ対決と化していた。
地和「一刀! サボってないで撮りなさいよね!」
一刀「はいはい」
俺としては無視したいが無視すると地和が怒るため従うしかなかった。
麗羽「なかなかやりますわね!」
地和「あんたこそやるじゃない!」
どうやら二人の対決は拮抗しているようであった。
麗羽「だけど、これならどうですの!」
そういう麗羽が用意したのは
バァンッ!!
自分のスタイルを生かしたマイクロビキニであった。
それに対し地和は
地和「負けないんだから!」
バァンッ!!
何と!? ブラジリアン水着ことスリングショットであった。
確かにスリングショットは貧乳向けの水着なのかもしれないな
麗羽「ムキーッ!! このわたくしと張り合うだなんて生意気な! ですが、これならわたくしの勝ちですわ!」
ポイッ!
そう言いながらマイクロビキニを脱ぎ捨てる麗羽
まさか!? 裸になる気か!?
と思われたが
バァンッ!!
何と!? 大事なところにのみ葉っぱで隠した大胆すぎる格好であった。
麗羽「おーほっほっほっ! これでわたくしの勝利は確実ですわ!」
地和「ぐぬぬっ!?」
というより麗羽のはもはや痴女だろ
地和「ちぃだって負けないんだから! この水着をもうちょっと寄せていって┅」
ぐいんっ!
ただでさえ大胆なスリングショットを更に面積を縮めて大胆にする地和
麗羽「おーほっほっほっ! さぁ猪々子、撮りまくりなさい!」
猪々子「ほいきたっ!」
そして猪々子がカメラを構えると同時に
ぶるんっ!
麗羽の胸が大きく揺れた瞬間
ひらりっ!
麗羽「えっ?」
麗羽が身に付けていた葉っぱが外れてしまい
バァンッ!!
ぷるるんっ♪
麗羽は全裸となってしまった。
カシャシャーッ!!
しかし、カメラは自動連続シャッターにしてあったからなのかそのまま撮りまくる!
麗羽「い┅いやぁっ!!」
慌てて体を隠す麗羽
というよりいつも裸な気が┅
地和「やった! ちぃの勝ちね!」
どういう基準なのかわからないが勝利を確信する地和であったが
ぶちんっ!
地和「えっ?」
地和の着ていたスリングショットが引っ張られ過ぎて千切れてしまい
バァンッ!!
ぷるんっ♪
地和は全裸になってしまった。
カシャシャーッ!!
そして俺の手にしていたカメラも自動連続シャッターにしていたため裸の地和を撮りまくっていた。
地和「い┅いやぁーっ!! 一刀、こっち見るんじゃないわよ!」
ドカァッ!!☆ミ
一刀「ぐほっ!?」
直接見てもいないのに俺は地和に殴られてしまったのだった。
その後、当然ながら裸の写真なんて魅力対決に使えるはずがなく
スタジオの使用時間が来てしまい俺達は追い出されてしまったのだが
後日
猪々子「おい及川、麗羽様と地和の裸の写真要らねぇか?」
及川「え~、貧乳の地和と性格悪い麗羽のヌードか、格安で頼むで」
小遣い稼ぎにと及川に写真を売ろうとした猪々子であったが
麗羽「猪々子、あなた何を販売してますの!」
猪々子「だぁ~!? 許してください~!?」
地和「誰が貧乳よ!」
及川「ぎゃ~っ!?」
猪々子と及川は麗羽と地和の制裁を受けるのだった。
もちろん写真は全て破棄されたという