#44:風邪を引いた際、見舞いの品のメロンは蜂蜜キュウリで代用できるか?
ある日のこと
キーンコーンカーンコーン!
いつものように始業ベルが鳴り、授業が始まるのだが
一刀「(あれ?)」
一刀は妙な違和感を感じていた。
それはいつもは三人で集まっている天和達が今日は地和と人和だけで天和がいないという状況であった。
一刀「(仕事があって三人が揃わない時はあったけど一人いないだなんて、寝坊でもしてるのかな?)」
一刀が不思議に思うなか
桔梗「ほら皆、席に着け。授業を始めるぞ」
いつものように授業が始まろうとするのだが
地和「桔梗先生!」
桔梗「何じゃ?」
地和が手を上げると
地和「姉さんは今日、風邪で休んでます」
桔梗「そうか、わかった」
一刀「(天和、風邪で休んでたのか)」
休んでいる理由に納得する一刀
そして一時間目終了時
一刀「さて、次の授業の準備を┅」
一刀が次の授業の準備をしようとしていると
地和「一刀、ちょっと来なさい!」
ぐいんっ!
一刀「えっ?」
一刀は強引に地和によって教室から出されてしまった。
すると
一刀「何だよ?」
地和「何だよ? じゃないわよ! いま、姉さんは風邪で苦しんでいるのよ!」
人和「学校休んで看病に行ってください!」
と二人は言うが
一刀「それなら別に放課後でも┅」
地和「ダメに決まってるでしょ!」
人和「風邪で苦しむ天和姉さんを放課後までほっとくつもりですか!」
無茶苦茶である。
一刀「だったら地和か人和のどっちかが看病すれば┅」
地和「それはダメ!」
人和「私達はタダでさえアイドル活動で休んでいるのにこれ以上休むことはできません」
一刀なら休んでいいのか
一刀「でも俺、部活もあるし┅」
一刀の憧れの存在である不動先輩と会える
それだけで日頃の疲れが吹き飛ぶため部活に行きたい一刀であったが
地和「断るってんなら前にあんたが姉さんのおっぱい揉んだ写真を週刊誌に流すわよ」
人和「そうなったらどうなりますかねぇ」
ついには一刀を脅してきた二人
もしそんなことをされたら一刀はファン達からフルボッコどころか死罪にされるため
一刀「わかったよ! 看病行けばいいんだろ!」
一刀は看病に行くしかなかった。
地和「やった! 御見舞いの品として高級メロンを買っときなさいよね」
一刀「何でだよ!」
高校生に高級メロンは高すぎる買い物である。
一刀「じゃあな」
高級メロンはともかく看病しに向かう一刀であった。
そして一刀が去った後
地和「やった! 作戦大成功!」
人和「天和姉さんが風邪を引いたのは予想外だったけど、これで天和姉さんのストレス等は減るはずですね」
全ては一刀を生贄にし、天和のやる気を上げようという二人の作戦であった。
人和「でも二人っきりにして天和姉さん、やり過ぎたりしないですかね?」
地和「う~ん。その点は心配だけど大丈夫でしょう!」
ところが大丈夫ではなかったりする。
それから少しして
天和「ケホホッ!」
風邪を引いた天和が自室で寝ていた。
天和「う~!? 頭がガンガンするし、体は寒いし、何だか気持ち悪いよ~!?」
それが風邪の症状である。
天和「ちぃちゃんも人和ちゃんもお姉ちゃんがこんなに具合が悪いってのに学業を優先するだなんてそれでも姉妹なの!」
姉妹であろうが兄弟だろうが普通は学業を選ぶだろう。
天和「あーもうっ! ムカつくーっ!!」
ブンッ!
怒りのあまり、玄関目掛けて枕を投げる天和
すると
ガチャッ!
一刀「天和、見舞いに┅ぶほっ!?」
扉が開き、見舞いに来た一刀の顔に枕が炸裂した。
天和「えっ!? 一刀!?」
天和は一刀が現れたことに驚くと
一刀「地和達からお前が苦しんでいると聞いて見舞いに来たが、その元気があれば大丈夫そうだな、それじゃあな」
スッ!
先程枕をぶつけられた恨みもあって去ろうとする一刀であったが
天和「あぁっ!? え~と、熱が出た~!? 看病してくれなきゃ死んじゃう~!?」
天和的には迫真の演技であったと褒めてやりたいがどう見てもド素人演技であり、一刀も通常ならば騙されないのだが
一刀「わかったよ。看病してやるよ」
今更学園に帰るわけにもいかず、看病するのだった。
すると
一刀「そうだ。地和に言われてメロン買ってきたぜ」
天和「メロン♪」
そう言いながら袋を見せる一刀に目を輝かせる天和
一刀「食べさせてあげるから目を閉じてくれ」
天和「?。うん」
何で目を閉じなければならないのか不思議がる天和であったが食べさせてくれるというので気にしない天和
そして
一刀「あ~ん!」
天和「あ~ん┅」
一刀が差し出したものを口にする天和
そのメロンの食感は┅
シャキシャキッ!
メロンとは思えない食感であるが
天和「うわぁ、本当にメロンだ」
味はメロンなので気にしなかったりする。
天和「ありがとう一刀、メロン高かったでしょ?」
と聞く天和であったが
一刀「いいや、五百円で売ってたよ」
この発言を聞いて天和は気にしないことをやめた。
天和「(五百円のメロン? カットメロンでも五百円じゃ買えないし、賞味期限が切れたものにしては美味しいし、どうなってるの?)」
ちらっ┅
あまりにも気になった天和が目を開けてみると
天和の目の前にあったのは┅
ジャーンッ!
ハチミツをかけられたキュウリであった。
天和「一刀~っ! これの何処がメロンなのよ!」
一刀「バレたか♪」
※キュウリにハチミツをかけるとメロンの味になるらしい
※また、プリンとアボガドに醤油をかけるとウニやトロの味になるらしい
天和「ぶーっ!!」
一刀「仕方ないだろ。高校生に高級メロンが買えるか!」
金銭面だけでなく、ただ一刀がイタズラしたかっただけだったりする。
そこで天和はちょっとした仕返しを思い付いた。
天和「あ~、何だか汗かいちゃって気持ち悪い」
バサッ!
天和は寝巻きを脱いで下着姿になると
天和「一刀、騙した罰として汗ふいて」
一刀に背を向けてそう言った。
一刀「えっ!? それはちょっと!?」
天和「背中だけでいいからお願~い」
天和が背中だけでいいと言うので
一刀「わかったよ」
天和の背中を拭こうとする一刀であったが
天和「あっ、そうだ。ちょっと待ってね」
プチンッ!
パサッ!
天和は一刀が拭く前にブラを外すと
天和「背中拭いてもらうのにブラ着けてちゃ邪魔だよね♪」
外したブラを見せながらからかうように言ってきた。
一刀「なっ!?」
天和「大丈夫。腕ブラしてるから見ようと思っても見えないよ。さぁ、背中を拭いてね♪」
一刀をからかうように腕ブラしながら背を向ける天和
一刀「し┅仕方ないな!?」
スッ!
このまま無視しておくと次は何を要求してくるかわからないため天和の背中を拭く一刀
だが
ふにゅんっ♪
天和「ひゃんっ!?」
他の人に背中を拭いてもらう
実は意外と感じちゃうものだったりしたようでそれを知らなかった天和は
バッ!
思わず胸を隠していた腕を離してしまい
一刀「えっ┅?」
ぷるんっ♪
天和「あっ┅!?」
後ろからとはいえ一刀におっぱいを見られたことに気付いた天和は
天和「い┅いやぁーっ!!」
ドッカァーーンッ!!☆ミ
一刀「ぐほぉっ!?」
一刀を力一杯殴り飛ばしてしまうのだった。
その翌日
天和「元気回復!」
天和は元気になったのだが
桔梗「北郷は重傷により欠席すると連絡があった」
天和に殴られたことにより欠席する一刀であった。
天和「てへっ、やり過ぎちゃった♪」