#42:下着ドロが現れると一番の変態が真っ先に疑われる
俺は北郷一刀
実は俺の通うフランチェスカ学園では最近ある事件が発生していた。
その名も『怪盗Xによる窃盗事件』である。
その事件の始まりは3日前に起きていた。
3日前
桃香「あぁーっ!? 下着が無くなってる!?」
華琳「やられたわね!?」
蓮華「一体誰が!」
各寮に干されていた下着が盗まれるという事件が発生
しかも被害はそれだけでなく┅
月「早く着替えなくちゃ!」
事件発生から一夜が経った翌朝
男子寮管理人である月が制服からメイド服に着替えるべく更衣室にて着替え、下着姿になった直後
月「えっ? へぅ~~っ!?」
怪盗Xに襲われ
詠「お待たせ月!?」
後からやって来た詠が更衣室に入ると
詠「月っ!?」
月「きゅ~!?」
バァンッ!!
下着を剥ぎ取られ、全裸になっていた月が更衣室にて発見された。(ちなみに月はこの後、恥ずかしくなり現在も欠席中である)
そして更に翌日
麗羽「おーほっほっほっ!」
麗羽がいつものように高笑いしたその時
ビューッ!!
バサァッ!
風が吹き、麗羽のスカートが舞い上がった瞬間
ビュンッ!!
麗羽「えっ?」
黒い物体の何かが麗羽に接近し
シュバッ!!
麗羽は怪盗Xにパンツを奪われてしまった。
だが
麗羽「今のは一体┅、まぁ別に何でも構いませんわ。おーほっほっほっ!」
バサァッ!
ノーパンに気付かぬままスカートを舞い上がっているにもかかわらず校内を歩く麗羽であった。
だが女子達も下着窃盗犯であるXを許すわけにはいかない
女子達の懸命な捜査の結果、ついにXを捕らえた。
その人物こそ┅
及川「何でやね~ん!?」
俺の悪友である及川であった。
しかし、朝から華琳より『Xを捕まえたから来なさい』という連絡を聞いて生徒会室にやって来た俺と華佗だが、まさかそこで手錠で捕らえられた及川と対面するだなんて
そういえば朝から及川の姿を見かけなかったな
及川「華琳! 何でわいが捕まらなあかんねん!」
及川は華琳に向かって叫ぶと
華琳「失礼ね! いくらあなたが単なる変態だという理由で逮捕する私じゃないわよ。ちゃんと証明できるんだからね。秋蘭!」
秋蘭「こちらに」
秋蘭は華琳に一本の巻物を渡した。
シュルルッ!
華琳はその巻物を広げてみると
華琳「まず最初に発生した各寮の下着窃盗事件、これについてアリバイが無いのはあなたを含めた男子二十近く」
ちなみに俺はその時、剣道部の活動をしており不動先輩や愛紗達の証言でアリバイが証明された。
華琳「そして第二の月を襲った事件。犯人が同一犯ということで前回と今回でアリバイがなかったのはあなたを含めた男子五人」
ちなみにこの時、華佗は保健室で紫苑先生の手伝いをしており、紫苑先生によって華佗のアリバイは証明された。
華琳「そして最後の麗羽の下着窃盗事件。前々回、前回、今回でアリバイが無いのは及川、あなただけなのよ」
ここでアリバイが無いのは及川だけとなった。
及川「違う! わいは犯人やない!」
華琳「へぇ、じゃあ事件の時、あなたは何をしていたっていうの? 防犯カメラにあなたの姿は映ってなかったけどね」
すると及川は
及川「言ったるで! 最初の時、わいは各寮の風呂場に隠しカメラを仕掛けに通風口に忍び込んどったんや! 二番目の事件の時は見つからんようにこっそりと風呂場の映像を見とったんや! そして最後の事件の時は学園内に仕掛けといたパンチラスポットに隠れとったんや! どや、アリバイが証明されたで!」
及川┅
華琳「あらそう、もうあなたが無罪でも犯人で構わなさそうね」
及川「なんでやねん!?」
自分から犯罪を告白してどうするんだよ
それに証明する他の人物(身内以外)がいないとアリバイは証明できないんだよ
華琳「とにかく、一番疑わしいのはあなたなの! 犯人じゃないと言うのなら犯人を見つけなさい。まぁ、できるのならね」
及川「ぐむむっ┅!?」
この後、及川は一応証拠不十分ということで一時的であるが釈放された。
及川「悔し~~!! 華琳ったら頭っからわいを犯人と決めつけおって!」
そりゃ普段が普段だからな
及川「見ておれ! 必ずわいらの手で犯人捕まえて華琳に頭を下げさせたる!」
犯人と疑われ、犯人逮捕に燃える及川
んっ? いまこいつ、わいらって┅
及川「いくでかずピー、華佗! 今日からわいらは青年探偵団や!」
やはり俺達を巻沿いにするつもりか!
一刀「俺、パスで」
華佗「俺も保健室での手伝いがあってな」
そんな及川を手伝う気なんて俺達には無く、断ろうとするが
及川「そんなこと言わんとって! わいら親友やろ!」
しかしなぁ┅
俺達の目から見ても今回は及川が犯人としか思えなかった。
すると
及川「もちろん協力してくれたら報酬でかずピーにはエロ本を、華佗にはこの人体百科辞典をあげようやないか」
なっ!?
それを聞いて
一刀「任せとけ!」
華佗「今回だけだぞ」
俺と華佗は報酬欲しさに及川に協力するのだった。
及川「サンキュー! さすが持つべきものは親友や! とにかくわいはトイレ行ってくるで」
と、及川がトイレに向かって俺達の前から姿を消してから数分後
「いやぁーっ!?」
女子の悲鳴が鳴り響いた。
一刀「何だ!?」
俺と華佗は悲鳴が聞こえた現場に向かうと
女子「ふえぇんっ! Xにパンツ取られた~!?」
Xにパンツを盗まれたモブ女子がその場でしゃがんでいた。
女子「お手洗いに向かおうとしたら急に男子トイレから黒い物体が飛び出してきて襲われたの~!?」
一刀「えぇっ!?」
男子トイレって、さっき及川が行ったばかりじゃねぇか!?
華佗「一刀、まさかと思うが!?」
一刀「あぁ、俺も疑いたくはないけどよ!?」
ここまで来たら及川を疑うしかない
そう思ったその時
シュバッ!!
俺と華佗の目の前を黒い物体が走り去った。
一刀「あれが噂のXか!?」
華佗「とにかく追いかけるぞ!」
そして俺と華佗がXを追いかけた直後
及川「はぁ~、腹痛かったけどスッキリしたわ~♪」
呑気に及川がトイレから出てきたのだった。