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25/59

#25:長期休暇の前のテストほどやりたくないものはない

もうすぐ夏休み


みんなは夏休みの予定は立てているのかな?


予定を立てるのは自由だが、フランチェスカ学園にはとある決め事があった。


そしてその事に気付かず


天和「もうすぐ夏休み前のテストだねぇ」


地和「まぁ、別に赤点だからって進級に影響がなければ問題ないでしょ」


テスト勉強をしない天和と地和であったが


人和「甘いですね姉さん達」


見かねた人和が二人に声をかけた。


天和「人和ちゃん」


地和「何が甘いってのよ」


二人が理由を聞くと


人和「このフランチェスカ学園にはちょっとした決め事がありましてね、もし長期休暇前のテストで赤点をとった場合┅」


天和「と┅とっちゃった場合!?」


人和「長期休暇の半分は地獄の補習が待ってるんですよ」


地和「えぇーっ!? 何よそれーっ!?」


つまり夏休みの場合、約40日の休みなため20日間も補習を受けなければならず、しかも夏休みの宿題も仕上げなければならないのだ。


天和「で┅でも赤点とらなきゃいいわけだし!?」


人和「ちなみに赤点の点数はテストによって変わるらしく、今回は五教科で200点とらないといけないそうです」


地和「げえぇーっ!?」


一教科あたり40点とればいいわけなのだが、普通の人でもとるのが難しいであろう。


人和「そういえばこの間のテスト、姉さん達は赤点でしたっけねぇ」


天和「うぅっ!?」


人和「私は大丈夫でしたけど、そうですか、姉さん達は揃って補習を受けるわけですね」


地和「うぅっ!?」


人和「一刀さんも補習受けずに大丈夫そうですし、姉さん達が揃って補習を受けている間、私は一刀さんと共に海にでも行って好感度を┅」


天和「それはダメーっ!!」


地和「人和だけずるいわよ!」


文句を言う二人であったが


人和「勉強しない姉さん達が悪いんです。悔しかったら補習を受けないようにしてください。もちろん補習を受けることになってもアイドル活動はやってもらいますからね」


天和「そんな~!?」


そんなことになれば夏休みは補習とアイドル活動で埋まってしまい、遊んだり恋する時間がなくなってしまう。


天和「こうしちゃいられない! ちぃちゃん、私、やるよ!」


地和「ちぃだってやっちゃうんだから!」


というわけでテストに向けて勉強を開始する二人であったが


天和「うぅっ┅!? わからないよぅ!?」


地和「この問題、どうやって解くのよ!?」


普段頭を使わない人が急に頭を使ったところでうまくいくわけがなかった。


するとその時


及川「やぁやぁ、天和ちゃんに地和、勉強するやなんて真面目やのぅ」


及川が二人を茶化しに来た。


地和「何しに来たのよ及川(バカ)、あんただって赤点だったんだから勉強しなくていいの」


一応聞いてみると


及川「心配無用。わいは補習を計算に入れて休みの計画立てとるからな! 宿題は華佗に見せてもらえば大丈夫やしな」


どうせ赤点だからと開き直る及川


読者は及川のように開き直らないでね


天和「開き直るか、その手もありだよね」


地和「ダメに決まってるでしょ!」


あまりに勉強したくないため開き直ることも考える天和を止める地和


及川「まぁ、勉強頑張ってな」


地和「何しに来たのよあいつ!」


結局邪魔しにしか来てない及川


天和「でもわからないよ~!?」


地和「人和に頼むのは(しゃく)だし、他に頭のいい人っていえば┅」


そして思い当たったのは


華琳「勉強を教えてほしいですって」


学年でもトップの学力を持つ華琳であったが


華琳「あんなの授業を聞いていれば赤点なんてとらないでしょ」


天和「うぅっ!?」


天和達はアイドル活動もやって授業をサボっていることがある上に、授業を聞いても頭の中に入ってこなかった。


地和「と┅とりあえず赤点だけは回避したいの! お願い! 勉強教えて!」


天和「お願いします!」


頭を下げてまで勉強を教えてもらおうとする二人に


華琳「いいわ。教えてあげましょう」


二人の熱意を感じ、華琳は教えることにした。


天和「やったー!」


地和「これで赤点回避できる!」


赤点を回避できることを喜ぶ二人であったが


春蘭「おっ、お前達、来ていたのか」


そこへ春蘭が現れ


天和「私達、華琳さんに勉強教えてもらうんだよ」


地和「折角だからあんたも教えてもらったら」


二人は華琳に勉強を教えてもらうことを春蘭に伝えると


春蘭「なっ!?」


春蘭は物凄く驚いていた。


普段ならば華琳主催と聞けば喜ぶはずなのだが


春蘭「そ┅それはよかったな!?」


そのまま去ろうとする春蘭であったが


華琳「あら春蘭、折角だからあなたも勉強してみる?」


華琳が春蘭にそう言うと


春蘭「い┅いえ、折角ですが私はちょっと予定がありまして!? 失礼します!」


そう言って春蘭は去っていった。


その直後


華琳「さぁ、それじゃあ勉強を開始するわよ」


そう言う華琳の衣装が


バァンッ!!


制服ではなくSMのボンテージファッションであった。


地和「何でそんな服着てるのよ!?」


華琳「あら、私の勉強を受けるんだもの。赤点とらせるわけにはいかないでしょ」


どうやら気合いが入りまくっているようだ。


そして┅


華琳「そこは何回も教えたでしょ!」


ビシィッ!!


天和「ひぃっ!?」


華琳「同じところを間違えるな!」


バシィッ!!


地和「ひぃっ!?」


華琳の勉強はハードであった。


天和「もうやだ~!?」


地和「春蘭が受けたがらないのもわかるわ!」


逃げようとする二人であったが


天和「あれ!? 開かない!?」


扉には鍵がかけられており、開けることができなかった。


華琳「残念だけどその扉は特注品でね、私の持つこの鍵でしか開けることができないわ。出たければ勉強を終えることね」


地和「もうやだ~!?」


その後も華琳による地獄の勉強会は続いていき


テスト終了後


人和「姉さん達、よかったじゃない」


二人は何とか赤点を回避したものの


人和「だけど、何でそんなに痩せてるの?」


天和「あはは┅」


地和「もう補習も勉強もしたくな~い!?」


華琳による勉強会の結果、恐怖のあまり減量してしまった二人であった。


そして翌日


天和「一刀~、二人っきりで海に行こーっ!」


地和「あっ、ずるい! ちぃと行くわよね!」


人和「私と是非」


三人は揃って男子寮に押し掛けるが


天和「鍵がかかってる」


地和「きっとちぃ達と会いたくないから部屋に閉じ籠ってるのよ」


人和「月さんから鍵をもらってきます」


三人は男子寮の管理人である月に鍵をもらいに行くが


月「一刀さんでしたら剣道部の皆さんと共に合宿に行きましたよ」


天和「えぇーっ!?」


地和「合宿って、何処へ行ったのよ!」


月「不動先輩の実家のお寺としか聞いてないです。近くに海や温泉もあるらしいです」


それを聞いた三人は


天和「海に温泉!?」


地和「それってラブコメの定番じゃない!?」


人和「何やら嫌な予感がしますね!?」


この三人の予感は当たっていたのだった。


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