#21:競泳選手は巨乳より貧乳の方が勝つ確率が高い
市民プールにやってきた俺、北郷一刀と天和達張三姉妹
ところがそのプールは麗羽によって貸し切りにされており俺達は立ち退きを命じられるも三姉妹が応じず、しかも俺を欲しがる麗羽と三姉妹による俺の意志に関係なく俺をかけた戦いが開始されるのだった。
客「あれ? ここって貸し切りじゃなかったっけ?」
客「何かのイベントをするから入れるらしいぞ」
観客を入れるため一時的に貸し切りを解除すると
バァンッ!!
あっという間に観客席は満員になった。
一刀「たかが対決するためだけによく観客を集めたな」
まぁ麗羽は目立ちたがり屋だからな
更に
陳琳「会場の皆さん、お待たせしました。これより張三姉妹VS麗羽一行によるプールを使った三本勝負を行います! 実況はプールのタダ券に釣られてやってきたフランチェスカ学園放送部の陳琳と解説は北郷一刀と麗羽さんの軍師である真直さんでお送りします」
実況役に放送部である陳琳まで呼び出すとは目立ちたがり屋の麗羽らしいけどな
陳琳「それでは出場選手である両チーム三名の登場です!」
陳琳がそう言うと
天和「絶対負けないよ!」
地和「せっかくこの日のために新しい水着買ったんだから!」
人和「負けるわけにはいきません」
麗羽「おーほっほっほっ! 我が陣営の圧勝ですわ!」
猪々子「まぁ頑張るしかねぇよな」
斗詩「でないとお仕置き食らいそうだしね」
水着姿の両名に
「「「うおぉーーっ!!」」」
観客達は興奮しまくっていた。
まぁ、気持ちはわからなくもないけどな
陳琳「それでは早速第一試合といきましょう! 第一試合はプール往復による競泳です」
というわけで舞台は大きなプールに移った。
陳琳「プールを一周して先にゴールした人の勝ちです。ちなみにこのプールは一周百メートルありますので体力配分には気を付けてくださいね」
でないと途中で溺れる人もいるだろうしね
陳琳「それでは代表選手の紹介といきましょう。張三姉妹からは地和選手!」
地和「ふん、プール往復なんて楽勝よ」
陳琳「そして麗羽チームからは猪々子選手です!」
猪々子「よし! 先手はもらったぜ!」
地和VS猪々子の競泳対決となったわけだが
しかし妙だ。
地和はビキニなのに対し、猪々子はさっきの緑のタンキニ(タンクトップビキニの略)と違って全身競泳水着だなんて
水着を変える理由があるのだろうか?
この時の俺はそれすらも作戦の一部であることに気付かなかった。
陳琳「それではよ~い┅ドン!」
そして競泳が開始され
バシャシャッ!!
地和と猪々子はほぼ同時にスタートを開始した。
陳琳「両者、スタートダッシュは互角の模様、こうなったら差を広げるのは体力と運動能力でしょう」
実況である陳琳がそう言うと
陳琳「おぉーっと、地和選手がやや一歩リードか!」
わずかであるが地和がリードしていた。
地和「へへん! 体力ならともかく運動能力なら体の固い猪々子より普段からダンスで鍛えているちぃの方が有利ね!」
と地和は言うが
陳琳「おぉーっと、だが猪々子選手も徐々に差を積めている!」
地和「えっ!?」
猪々子「へへんだ!」
陳琳の言うように猪々子が地和に追い付いていき、とうとう抜かした。
陳琳「しかし、同じ泳ぎ方なのにどうして猪々子選手が地和選手を抜いたのでしょうか?」
体力勝負なら軍配が上がる猪々子だが試合後半ならともかく序盤ではありえない
これはどういうことなのか俺には理解した。
一刀「成程な」
陳琳「おや、一刀さんはこの理由に納得の模様ですが理由を知っているのならば解説らしく分かりやすく教えてください」
陳琳にマイクを向けられ
一刀「わかった解説しよう」
俺は答えた。
一刀「猪々子が地和に追い付いた理由、それは胸囲の差だ!」
バァンッ!!
陳琳「きょ┅胸囲の差ですか!?」
一刀「あぁ、数え役満☆姉妹でも有名な貧乳の地和だが猪々子は更に上回る貧乳の持ち主。胸が大きいほど水泳の邪魔になるというからな」
と言いきった直後
ドカァッ!!☆ミ
一刀「ぐふっ!?」
俺の顔に何処から繰り出されたのかビート板が繰り出された。
地和「誰が数え役満☆姉妹でも有名な貧乳ですって! 一刀、後で覚悟しなさい!」
犯人は地和に違いない
そしてその後も地和は猪々子に離されてしまいあっという間に残り距離が半分になってしまった。
陳琳「地和選手と猪々子選手、その差は25メートルくらい離されてしまった。これは一体どういうことなのでしょう?」
何で地和は猪々子に追い付けないんだ?
誰もが疑問に思っていると
真直「それは戦略というものですよ」
真直が口を開いた。
真直「競泳対決にはもちろん北郷さんの言うように胸囲の差もあるんでしょうが他の差として水着の差ですね」
陳琳「水着の差ですか?」
真直「えぇ、露出の高い水着より肌の露出が少ない水着の方が水の抵抗を少なくすることができるんです」
成程
だから猪々子はタンキニではなく競泳水着を着たわけか
陳琳「おぉーっと、あっという間に猪々子選手が残り5メートル! 対する地和選手は残り約30メートル、これはもう絶望的か!」
猪々子「この勝負もらったぜ!」
地和「ちぃっ!?」
懸命に泳ぐ地和であったがその差は縮められそうにない
天和「あわわ!? 人和ちゃん、ちぃちゃんが負けそうだよ!?」
人和「いいえ姉さん、まだ勝負はついていません。かくなる上は┅」
一刀「えっ?」
人和は俺を見た後
人和「一刀さん┅」
(ひそひそっ)
俺の耳にひそひそ話をしてきた。
一刀「えぇっ!? 嫌だよそんな役!?」
それは恐ろしい内容で俺は引き受けたくなかったが
人和「フォローしますし、後でいい事してあげますから」
という言葉を聞き
一刀「任せとけ!」
いい事という言葉に反応した俺は了承してしまった。
そして
陳琳「猪々子選手、残り1メートル。これはもう決着がついた!」
ここから逆転するだなんて絶対に不可能だろう。
だから俺はゴールの前に立ち、地和にこの言葉をかけた。
一刀「地和のド(強調)貧乳!」
その瞬間
ブチンッ!!
地和「誰がド貧乳ですってーーっ!!」
バシャシャーーッ!!
怒りの地和はまるでモーターボートのごとく早さを見せ
バビュンッ!!
猪々子「えっ!?」
あっという間に猪々子を追い抜き
陳琳「ゴール!! 勝者、地和選手!」
地和が勝利したのだが
地和「一刀ーっ、誰がド貧乳ですってーーっ!!」
めきめきっ!!
一刀「く┅苦しい!?」
人和「姉さん待って!?」
人和が地和を止める数秒の間、俺は地和に首を絞められるのだった。
あぁ、天国にいるであろう母さんが手を振っているのが見える┅




