#16:マジックミラーは無敵のようで無敵じゃない
俺は北郷一刀
今日は学園の休校日
全寮制とはいえこの日は許可なく学園の外に出られる唯一の日だぜ
さて、読者のみんなはこんな日は何処へ行く?
女の子をナンパしに行く?
映画を観に行く?
ちなみに俺は┅
人和「一刀さん、早く行きますよ」
一刀「はいはい」
人和の買い物に付き合わされていた。
以前の脅し以来、俺は天和達三姉妹に逆らうことができず休校日は三姉妹に付き合うことになっていて今回は人和がその権利を得ていた。
あぁ、正直に言うと俺は休校日なんて消えてほしいと思っている。
だって休校日にこいつらと買い物に出掛けると絶対色々と奢らされるからだ。
特に前回と前々回の天和と地和の買い物に付き合わされた時なんて二人合わして10万近く奢らされてしまい危うく金欠になるところだったんだぜ!?
多分人和はそんなことはないにしろ警戒していたが
人和「これはいい。こっちもいい。これも似合いそう!」
やはりあの二人と同じ血液が流れているだけあって長々と買い物をしていた。
女ってのはどうして買い物に長々と時間がかかるのだろうか?
人和「それでは私は試着してきますので一刀さんはその辺をうろついていてください」
一刀「へ~い」
そう言って人和が試着室に入った後
一刀「うろついていろって言われてもどうすりゃいいのやら」
いっそのこと逃げるという選択肢もあるのだが逃げたら後が怖いのでその選択肢は無い
試着するのにもかなりの時間がかかりそうなので俺は空いた時間をどうするのか考えていたその時だった。
沙和「真桜ちゃん、このお店に入ろうなの!」
真桜「また入るんかいな」
店に真桜と沙和が入ってきたのだ。
一刀「やばい!?」
真桜はともかくこんな店で沙和に出くわしたら絶対奢らされる!?
只でさえ金欠気味なのにこれ以上浪費するわけにはいかない
そう思った俺は試着室の裏側に隠れることにした。
実はこのスペースは人が入れるようになっていて普段は店員くらいしか入ることができないらしい
沙和「う~ん。やっぱりこのお店にも置いてないなの~」
真桜「ほなさっさと出るで」
沙和「悔しいなの~!」
そして真桜と沙和は店から出ていった。
一刀「助かった~!?」
出くわしたら絶対奢らされていただけに助かったぜ!?
と、俺がひと安心して裏側から出ようとしたその時
一刀「んっ? よく見たら鏡が┅」
隠れるのに夢中で気付かなかったが目の前に鏡があることに気付き、鏡を見てみると
一刀「うぉっ!?」
バァンッ!
そこには下着姿の人和が映っていた。
人和「誰かの声が聞こえてきたような気がしますけど、まさかこんなところに覗きしようなんて人はいませんよね」
どうやら人和はこっちに気付いていない
これはマジックミラーなのか!?
何故こんなものが試着室の裏側につけられているのかは謎だが店長、GJ!
しかし、前日の水着審査の時は不動先輩に夢中で気付かなかったけど人和って胸は姉である天和に劣るけど地和よりかは大きいし、スタイルも悪くない
そんな人和の下着姿を拝めるなんて俺はなんて運のいい男なのだろうか
俺が感激していたその時だった。
人和「これを試着してみましょう」
人和が手に取ったのはビキニの水着だった。
人和「最近一刀さんが姉さん達に色々やられてるみたいだし、少しはサービスして私の水着姿でも見せてあげましょう」
ありがとう人和!
でも俺は水着姿よりも先に下着姿を目撃し┅
お前の裸を見させてもらうぜ
人和は水着を試着しようとブラジャーに手をかけ、そしてそしておっぱいを┅
と、人和がブラジャーを外そうとしたその時
人和「んっ? 何だか鏡の後ろの方からエッチな視線が出ているような気が┅」
やべぇ!? 声を出してないのにバレるのかよ!?
だがさすがにマジックミラーの仕掛けに気付いたりは┅
と思ったその時
フッ!
突然店舗が停電になり
一刀「あぁっ!?」
俺の方から人和の姿が見えなくなってしまった。
くそっ! あとブラジャー一枚だったのに! さっさと停電復旧しろ!
俺が悔しがっていると
パッ!
一刀「おっ、ついた」
電気が復旧し、明かりがついたのだが
一刀「あれ?」
試着室に人和の姿はなかった。
一刀「何処へ行ったんだ人和は?」
俺が人和の姿を探していると
「何をやってるんですか一刀さん?」
一刀「何をって、俺は人和の着替えを観察して┅」
俺が声に反応して振り向くと
人和「へぇ」
バァンッ!!
そこには服を着替えた人和がいた。
一刀「れ┅人和!? 何故ここに!?」
ここは試着室の裏で店員以外来れないはずなのに!?
人和「知ってます? マジックミラーって光が原因で中の様子がわかるようで、明かりが逆転すると反対側の風景が見えるそうですよ」
な┅何だと!?
つまりあの停電の時、俺の方から人和の姿は見えなかったが人和の方からは俺の姿が丸見えになっていたと!?
一刀「わ┅わぁ、そうなんだ。また一つ賢くなっちゃった♪」
とにかく俺は誤魔化そうとするが
人和「えぇ、そうですね。それでは賢くなったご褒美に┅」
スッ!
人和は誤魔化せず巨大ハンマーを手にすると
人和「お仕置きしてあげましょう!!」
ドガドッカァーーンッ!!☆ミ
一刀「ぎゃあぁーーっ!?」
巨大ハンマーで俺を殴りまくったのだった。
さ┅さすがはあの地和の妹。狂暴性までそっくりだぜ
その後、人和からのクレームによりマジックミラーは撤去されたという
そして俺はというと
一刀「とほほ┅」
人和「私の肌を見た罰です。むしろこれくらいですんでよかったと思ってください」
俺は人和に巨大ハンマーで散々殴られた挙げ句、服を買わされ、天和達へのお土産にもと高級アイスを三人分買わされてしまった。
くそっ! おっぱい見てないのに金欠だなんて散々だぜ!
人和「行っておきますけど、今日のことを姉さんや他の人に話したりなんかしたらマスコミに通報しますからね」
一刀「は┅はいぃっ!?」
そんなことされたら俺は世間から大変な目に遭わされてしまう!?
人和「それじゃあ」
スッ!
一刀「んっ?」
そう言うと人和は俺に手を向けてきた。
人和「色々と買ってもらいましたし、ご褒美として手を繋いであげます」
散々買い物したご褒美が手を繋ぐかよ
どうせならおっぱいを見せ┅
人和「嫌だって言うならマスコミに┅」
一刀「わ┅わかりました!?」
俺はすかさず人和の手を握ったのだった。
人和「手を繋ぐのは学園の前までですからね」
一刀「へいへい」
しかし、この時の俺は気付いていなかった。
「~~!!」
この時の俺達を見ていた奴がいたことに!