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好みのタイプ

「結婚、ですか?」


キョトンとした顔でこちらを見つめる彼のアメジストの瞳は、曇りなくとても綺麗だ


私の突然の質問にも、嫌がることなく真剣な表情を浮かべている


「恥ずかしながら、未だにしておりませんね」


彼の言葉に、全然恥ずかしくないよ!と言いたいけれど、隣のニレがこちらをガン見しているので下手に慰められない


「じゃあ、好きな人は?」


「…好きな人?それも、恥ずかしながらいません」



ほぉ、好きな人もいないという事は彼は完全にフリーなのか。

ふむふむ、私の婚約者候補に相応しいかもしれない!


にやにやと彼を見ていれば、隣から咳払いが聞こえてきて、ハッとして表情を整えた



「では、最後の質問です」


本当の質問は今からだ、これを聞かなければ何も始まらない。


1番真剣な表情で彼を見つめれば、ウィスタリアはごくりと喉を鳴らした


「好きなタイプは?」


「…はい?」


「殿下?」


1番、まともな質問をしているというのに、この2人は何言ってんですか?という顔を浮かべている


「いいから答えてよ」


「え、と…そうですねー…穏やかな女性ですかね」


「ふぅーん…じゃあ外見は?綺麗系とか可愛い系とか」


「ど、うですかね?…強いて言えば可愛い方が好ましいかと」


ほう、彼は可愛くて穏やかな女性が好きらしい



どうしよう、残念なことに私は全く穏やかではない。

しかしまぁ顔は、申し分はないと思うから合格だろうが、性格が穏やかな人かぁー…



「いや、なんで殿下が、悔しがってるんですか?」


あなたは関係ないですよね?と隣からぐさぐさと突き刺してくるニレは本当に、ひどいやつだ



せっかく、いい感じだなぁ、と思った人の好みからかけ離れていれば、そりゃ悔しいに決まっている


くそくそくそと心の中で思いながら、諦めるしかないと、もう一度ウィスタリアを見たが、やはりめちゃくちゃかっこいい。



「私、諦めない!」


「だから何を?!」


近々、魔道具で女になって彼と接触することを決めた私はさっそくニレを連れて魔塔から帰ることにした


帰って、ウィスタリアと女版の私と会う計画を立てなければ!


そのためには、ニレにも協力してもらわなければならない。



どうせ変だと思われているのだから、この際ウィスタリアに一目惚れした!とでも言ってみようかな






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