オパールの女神
あの実技があってから3日後、変わらない毎日を過ごしていた。
そして今、私はニレと共に中庭にあるオパールの女神像を眺めている。
噴水のど真ん中に佇む、真白い女神像の瞳には本物のオパールがはめ込まれてあって、盗まれないか心配だ
気になりすぎて、ニレに確認するも彼はやれやれと手を振った。
「誰も盗みを働く様な方々は此方に通っていませんので」
「…まぁそうだろうけど、あれ結構大きいし」
そう言って女神の瞳を指差せば、七色に輝くオパールの宝石
ニレに女神様を指差さないで下さいと指を叩かれ、小さく謝れば、彼はため息を吐いた。
「そんな心配していないで…良い加減、貴方は生徒会の仕事をしたらどうですか?いつまでここで女神像を眺めているんです!?」
そう、私はオパール学園の生徒会長である。
だけど、仕事は書類整理や風紀に関する事、次のイベントで何をするとか、もうっ!やる事多すぎて辛い
なので、気を紛らわせる為に中庭を歩いていればどこかで見たことがある景色に心を奪われた。
目に入ったのは神々しく輝く、このオパールの女神像だ
これは、ゲームで見たゼニスがカメリアに告白する時の風景そのものだった。
ファンとして、ここを素通り出来る訳もなく、こうしてひたすら眺めているのだ。
噴水の脇に座り込み、チャプチャプと水を持ち上げ手遊びしていれば、横から濡れます!とニレから注意される
「はぁ、そんなカリカリしないでよ。とりあえず女神様でも見て癒されても良いじゃん」
「…殿下、1時間もここにいるの分かってます?僕にとっては過酷です」
「はぁ…もう書類の山は嫌。なんで生徒会長なの私」
「殿下が、決めた事ですよ」
「はぁ〜ゼニスめ…」
「自分を恨んでどうするんですか…」
分からないだろうよニレには、真面目なゼニスはもういないのだ。
でもなんか、王座も嫌、生徒会も嫌、何でもかんでも嫌々言ってる自分が情けない気がして来た
流石に生徒会だけでも頑張るべきかもしれない
こうやって1時間、わざわざ付き合ってくれるニレがいるんだ
そう頭では思っていてもそう簡単に体が言う事を聞かない
「なにかやる気になる事言ってよ」
ニレは暫く考えると、あ、と思い出した様に私を見た
何?と彼の言葉を待っていれば彼は口を開く
「やる気ですか?…例の魔道具ですが、あと1週間で出来そうです」
「…え?まじ?」
「ええ、もう時期できあがります」
「嘘じゃないよね?!」
「なぜ嘘を?思ったより早くに完成しそうなので」
流石にそこまで期待していなかった事を淡々と言ってのける彼に私はその場から立ち上がり、ニレの元へ近づくと彼の手を取りブンブンと上下に振った
「っさすが、天才ニレ!ありがとう!!凄い頑張れる!よし行こう!生徒会室に!!!」
すっかりその気になった私はニレよりも先に歩いて生徒会室を目指した。
後ろで、ニレはようやく私が本気を出した様でホッとしている。
こんな単純な私に、彼は小さく笑いながら先を歩く私を追いかけた。




