お似合いの2人
シトリン侯爵に生まれた彼女は雷魔法を巧みに使い優秀な兄の下に生まれた長女だった。
美しく、彼女の宝石眼も兄と大差ない程で、女性達の中ではずば抜けた魔力を持っていた。
幼い時からゼニスやニレとは仲がよく、たまに遊びに来るフリントとよく口論できる唯一の女の子
私が小説の中で読んだ彼女は、ゼニスに恋心があるわけではなかったけれど、仲の良い幼馴染が取られるのが嫌でカメリアに対して無視し始めたのが始まりだった
侯爵で、ゼニスの幼馴染である彼女がカメリアに対して無視をするのを見た周りは力の強い者に付き始めた
プルメリアに嫌われたく無い者達が彼女から離れていきひとりぼっちになったカメリアには、頼れる相手はゼニスしかおらず、寂しい日々を過ごしていく。
そんな彼女を守ろうと更に愛を深めていく良いシーンなんだけど、私からしたら好きでも無いくせに幼馴染を取られそうと言う理由だけでカメリアを虐める彼女が嫌いだった。
根はいい子だったんだろうけど、自分の感情だけで周りを巻き込んだ話はどうしても許せない
なので、わたしの記憶の中でプルメリアという存在を消していたせいで、今彼女が目の前にやって来るまで完全に忘れていた。
「ゼニス、体調はもう大丈夫なの?」
早速彼女は私を見ると駆け寄り、心配そうに私を見上げて来る。
彼女の宝石眼はキラキラしていて綺麗だ…じゃなくて
「え、あ!大丈夫!大丈夫だよ!」
「そう?フリントが最近の貴方は面白いって言っていたから心配になったのよ」
「いや、いいことじゃねぇか?子供の時しか遊ばないやつなんてつまんねーし」
「貴方は遊びすぎなのよ」
「でも騎士に必要な事はきちんと勉強してるつもりだぜ?」
「それ以外のことも役に立つかもしれないでしょう?偏りすぎなのよ、大体貴方食事の量もおかしいし」
「え?そうか?普通に食ってるだけだけど?」
「さっき、そこで貴方が何本バナナ食べたか教えましょうか?」
早速、悪役登場と思いきやフリントと口論が始まり私達は蚊帳の外だった。
それよりも気になるのはフリントがこっちまでバナナを持ってきていた事だ、まだ食べてたのか…
ひたすら食べてばかりなのに全く太っていないフリントがだんだん羨ましくなってきた
きっと騎士団では半端なく運動して鍛えているのだろう
羨ましいけれど騎士団に入りたいとは思わない。
私にはそんなスパルタは無理だとわかっているからだ
それにしても、フリントと対等に言い合う彼女の姿は凄くかっこいい。
私達が言っても全く狼狽えない彼が若干プルメリアに叱られる時は焦っている様にも見える
2人のやり取りを側から見ていれば、プルメリアに身構えていたのがバカらしくなった
「あの2人お似合いだと思わない?」
そうボソリと言えば、ニレはそうですねと適当に返事を返した。
未だに言い合う彼らだったが、先生の笛の音が鳴るとパッと言い合いをやめて先生がいる場所をみた。
ざわざわとペアが決まり話していた生徒達も一斉に会話をやめるとあたりはシーンと静まり返った
「では、ペアがそれぞれ決まったところで本題に移ろう。今から森から魔獣を呼び寄せる、3分以内に魔獣を浄化出来れば合格だ、さぁ各々準備を」




