表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
メダカのリタ  作者: 秋乃ゆき
8/14

変化




 春季休業が終わり、高校2年生として最初の登校日を迎えた。

 新しいクラス名簿が張り出された掲示板前は受験の合格発表さながらの歓喜と落胆で賑わっている。


 左端のA組から順に三枝明里という自分の名前を探していると、C組に花菜と沙織の名前があるのを先に見つけた。

続いてD組に私と雪乃の名前があった。


「明里ー!」


 ふと背後で私を呼ぶ声がした。

その快活な少女を連想させる明るい声には聞き覚えがあるようでないような。

 振り向くとそこにいた人物が一瞬誰か分からなかった。

 目を隠すように垂れていた前髪は眉が隠れる程度に綺麗に切り整えられ、長いストレートの黒髪はヘアアイロンをかけたかのようにその艶を余すこと無く曝け出している。

そして見た目以上に、今までとはまるで別人のように自然体に微笑んでいる早川雪乃がそこにいた。


「明里おはよ〜」


「お、おはよう。」


「クラス分けどうだった?」


「……えっと、私はD組で、花菜と沙織はC組だったよ。」


「私は?」


「D組。」


「一緒だね!」


「う、うん。……なんか雪乃、春休に何かあった?」


「え? なんで?」


「なんか変わったなって。」


「普通だよ? 早く行こ!」


いつもどこか憂いを帯びていた彼女とは正反対の、ちょっとしたことで飛び跳ねて喜びそうな明るい声色。



私の一歩先を歩く彼女の後ろ姿に、言い知れぬ不安感を覚えた。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ