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緑と桃とアイドルと  作者: ぴっぴ
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遠足

今日は学校全体で遠足なるイベントが行われる。

しばらく雨が続いてたので開催が危ぶまれていたけど、なんとか今日は晴れたので決行するみたい。


バリバリの運動部系の人たちには負けると思うけど、人並みに体力はある方だと思う。

だからそこまで遠足自体は苦じゃない。



そう、遠足で行った先でのワイワイお弁当イベント。これがダメなの。


小学校の頃からこの手のイベントの時はいつも遠巻きにされていた。

妹も同じ空間にいるイベントなら妹が一緒にいてくれたんだけど、残念ながら妹は今小学生6年生。


今日も悲しくぼっち飯かな…。



憂鬱な気分を表に出さないようすたすたと歩いていると、お化けさんが話しかけてきた。


「中学で木津杉山きつすぎやまに登るなんて、この学校ハードだよね。」

「そうかしら。登ると言っても山頂まで行くわけではないし。みなさん楽しくおしゃべりしながら歩いてるし余裕はあるんじゃない?」

「そうだね。みんなたくましいよね。」


そういうお化けさんも元気いっぱいだった。

クラスの中心がこんなところにいていいのかしら。


と思ってたら他の子のところに行っちゃった。

むぅ。



みんなお楽しみランチタイム。


男女仲睦まじくみんなが食事を取っている中、私はお化けの独り言をBGMに1人でお弁当を食べる。

え?朱雀院(すざくいん)さんは私に話しかけてるんだって?

そんなわけないじゃない。あれはお化けよ。

早くお祓いに行かなくちゃ。



ちぇ。

私に誘いをかける男子が1人くらいいてもいいじゃない。

誘いに乗るかはどうは別にして。



自由時間はまだまだあるし、もう少し山昇っちゃおうかしら。


「先生、そんなに遠くまで行かないなら遊んできていいって。(あおい)ちゃん、行きましょう?」



お化けさん、最近やたらと私の心を読んでくる。

便利なのは確かだけど、さすがに怖い。お化けと呼びたくなる気持ちもわかるでしょう?


「そんなに怖がらないでよ。(あおい)ちゃんのことが好きだからわかるってだけなんだから。」

「…。」


それが怖いんだってば。


「それで、どこまで行く?山頂まで行っちゃう?」

「実はこの山は来たことがあるのよ。お気に入りの場所があるからそこに行きましょう。」

「お気に入りの場所か〜。楽しみ!」



ーーー


「お〜。なんか神秘的だね。」

「でしょう?このくらいの流れの方が、儚さを感じれて私は好き。」

「そうなんだ。」

「そろそろ時間だし、戻ろっか。」


お気に入りの場所というのは山奥にあるひとつの滝のこと。名の知れたものというわけではないんだけど、小さい頃見つけて気に入ったの。

しばらく眺めた後、みんなのところに戻り、その後も何事もなく帰宅した。



あれ?

なんで私あんな場所にお化けと仲良く行っちゃってるの?

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