表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ちょっと痛い  作者: 古市めぐみ
2/3

幸男けっこんについて

少しずつ進んでいきます。

 しかし、最近は幸男の年齢を理由に結婚願望の有無について触れられることが増えた。幸男に尋ねる弟の声音は、腫れ物に触るとまでは言わないものの、相応の慎重さを感じさせた。プライベートな領域に土足で上がり込んでくるような不躾なことをしない弟に少しの感謝の念と、それでもやはり違和感とも呼べる少しの嫌悪感を抱いてしまう幸男だった。

 一番、自身の結婚について考えているのは幸男であるとは、本人も思っていなかった。実際、幸男の周囲にいる人間のほうが、幸男の結婚のことについて考えている。逆に言えば、幸男は幸せなように見えていた自分の人生は、嫌なことや不都合なことから目を背けている幸男の行動と裏腹だったのかもしれないとハッとするようだった。

 幸男は、結婚から逃げていた。もっと言うと、結婚できそうにない自分から逃げていたのである。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ