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72.七夕イベント

◼️前回までのあらすじ◼️

楓先輩と合流。楓先輩が友人と言っていたのは何と女王・冴華であった。

冴華はオールスターバトルでの出来事を反省し、朱音へと謝罪。真雪へ感謝の言葉を述べ、あの日の蟠りが解消された。

そして、七夕イベントについて一緒に行動することとなった。

 公園で食事した後、私達はイベント会場に向かった。


「それにしても、真雪ちゃん家のパンは本当に美味しかったわぁ」


 その道中に冴華さんが感想を漏らすと「ですよね。ですよね」と朱音ちゃんが我が事のように喜ぶ。

 食事の間の会話で、冴華さんと朱音ちゃんは大分打ち解けたようだ。


 私は食事の時の朱音ちゃんの一方的な熱烈ファンアピールを思い出して苦笑する。その度に美月ちゃんの必殺チョップが朱音ちゃんの脳天に落ちていた。


「ははは。まるで関西の芸人みたいやな」


 と、笑う冴華さんも心を許してくれたのか私達と話す会話にも京都弁が混じるようになってきた。


 それと、冴華さんは女王(クイーン)と呼ばれるのが苦手なようで私や美月ちゃんにも下の名前で呼ぶようにお願いされたので、私も『冴華さん』と呼んでいる。


「さっきちょっと調べてみたら、真雪ちゃん家のパン屋は通販もしているみたいだから、もし気に入ってもらえたなら注文してみるといいかもしれませんね」


 最初は緊張していた美月ちゃんも打ち解けていて会話に混じっている。


「それはええこと聞いたわあ。今度、注文してみるわ。友人にも勧めてみよかな」


「サエに好物を勧められるような友達いたか?」


「あー、フーちゃん酷いわぁ。こう見えたって私だって交友関係広いんよ。フーちゃんみたいに腹を割って話せるほどの人が少ないだけで。

 むしろ剣術流派のお偉いとか、色々なスポンサーとか、テレビ関係とかポイント稼がなくちゃいけない付き合いが多いんよ。そんな人との交流の時にこういうまだ世間で話題になっていない流行先取りな食べ物なんかはポイント高いんよ。ふふ、ふふふ……」


「おい、サエ。腹黒さが顔に出てるぞ」


「はっ! もぅ、フーちゃんのいけず〜」


 冴華さんが楓先輩の背中を叩く。本場の京女の掛け合いは何とも興味深いものであった。


「冴華さんのこんな一面も見れるなんて、夢みたいだ……」


 私が苦笑してる中、隣の朱音ちゃんは夢心地な表情を浮かべていた。


 余談だけど、この時は女王(クイーン)とまで呼ばれる冴華さんの発言力の凄さを知らずに、この後に冴華さんのテレビでの発言がキッカケにうちのお店が超大人気店になることなど知る由もなかった。


「そろそろ、会場ですね」


 美月ちゃんが会場の入り口案内板を指差す。もうお昼過ぎのため、入場する人はまばらだったため、すんなりと入場することができた。楓先輩達も再入場手続きをして一緒に入場する。


 中に入ると七夕に因んだ飾り付けが会場全体にされており、笹の葉や短冊、さらにモニターは夜空に見立てて星が踊っていた。


「ほえぇ…… すごいね」


 思わず感嘆の声が漏れる。初めてこういう季節のイベントに参加したので何もかもが新鮮に感じる。


「結構賑わってるね。出店とかもあるけど、さっきまで美味しいパンを食べてたからお腹はいっぱいなんだよね」


 お腹をさすりながら言う朱音ちゃんに、美月ちゃんが「はしたないよ」と注意している。

 だけど朱音ちゃんの言う通りで、私もお腹が一杯だ。


「ならば、ブレバト紹介をしているブースにでも行ってみるか? ここのメンバーはみんなブレバトプレイヤーだからな」


 楓先輩が提案する。


「そやね。ここはブレバト開発に携わったゲーム会社の一つ、セガワ・コーポレーションのお膝元。ブレバト普及のための初心者講習や、七夕に合わせて発表された新コスチュームや新規スキルの説明会などあるみたいやから、見学するのもありやね」


「そうですね。体験コーナーとしてダイブルームも開放されているみたいなので、腹ごなしに軽くバトルする事も出来るみたい。あっ、だけど冴華さんは規約上、正式に組まれたバトルは駄目なんでしたっけ?」


「そうやね。折角Snowちゃんと再会出来たんやし、リベンジマッチを申し込みたいところやけど、残念ながら私は闘えないね」


 冴華さんは私の方を見て残念そうにため息をつく。あの時は怒りに任せて闘い合ったが、冷静な状態で闘ったら今度は結果がどうなるか分からない。自然に振る舞っているが冴華さんから微かに感じ取れる闘気からは途方もない強者の匂いが感じされる。


「とりあえず、ブレバト紹介ブースへ行くでいいかな?」


「うん。私も新規スキルが気になる」


 朱音ちゃんの言葉に、私が頷く。といっても、私が使用するスキルは決まっているので、対抗策を取るための情報収集なのだが。クマ子さん、もとい楓先輩から情報と知識はバトルでの最大のアドバンテージだと教えられたのだ。


 チラリと見た楓先輩と目が合って、小さく首を傾げられた。怖そうに見えても、親身になって指導してくれる優しい先輩だ。


「それじゃ、レッツゴー」


 他のみんなからも反対意見が出なかったので、朱音ちゃんを先頭に私達はブレバトブースへと向かうのであった。

同時並行で別のお話も書いていたため更新が送れていましたが、これからはこのお話を最優先で書いていきますのでもう少しペースが上がっていくと思います。


面白かったよーという方は、ページ下段にある【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にして応援頂けるとありがたいです。

ギブミー★(笑)

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