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170.全国大会一回戦(vs燕三条高校)③

■前回までのあらすじ■

夏の一大イベント全国高校生ブレバトグランプリが始まった。

真雪(Snow)が所属する神里高校(埼玉県代表)の一回戦の対戦相手は燕三条高校(新潟県代表)である。


<試合経過>

団体戦1 神里高校(セツナ/クルミ/マリー)● - 〇燕三条高校(ジャック/カトル/マドカ)

団体戦2

個人戦1

個人戦2

個人戦3



■登場人物/アバター紹介■

<神里高校>

・カエデ 職業:拳闘士 属性:雷

  ショートヘアで三白眼の容姿。

  Snowと同流派の『真陰熊流』を使う近距離・格闘タイプ。

  剣術にも精通しており、スキルにて剣を召喚して闘う事も出来る。


・タッチー 職業:剣士 属性:地

  痩身痩躯の剣士。身の柔軟性を活かした変幻自在の剣術を扱う。

  近距離戦闘タイプ。古風な口調が特徴。


・Snow 職業:拳闘士 属性:水

  銀髪の美少女。

  可愛らしい容姿に反し、天才的な格闘センスで無双する最強の一角。  


<燕三条高校>

・ブッチャー 職業:戦士 属性:雷

  禿げ頭、強面でがたいの良い巨漢の風貌。

  肉厚刃の肉切り包丁を主武器とする。パワー型の近距離戦闘タイプ。

  属性効果や支援魔法によって弱点である速度を補う戦術を扱う。


・ヨーグ 職業:拳闘士 属性:氷

  オールバックの髪型で見た目は冷静沈着なイメージである。

  拳装刃という攻撃力に特化した装備で闘う超攻撃型の戦闘スタイル。

  魔法も扱え氷魔法で盾や鎧を作り出したりと、弱点である防御力の低さを補う戦術を使う。


・トモエ 職業:騎士 属性:火

  西洋甲冑に身を包んだ女騎士。兜によって顔立ちは分かりずらいが、深紅の瞳が特徴的な容姿。

  火属性の支援魔法で攻撃力を強化し、攻撃時に多段ヒット判定となる波刃剣で相手の体力を削っていくという戦術を好む。

  支援魔法の名手でもあるため、後方援護の役割を果たすことも出来る。

 一試合目となる「団体戦1」が終了し、バトルメンバーだった先輩方が舞台に戻ってくる。

 その表情は悔しさが滲み出ていた。


『一試合目は燕三条高校の勝利となりました。

 マドカ選手の自爆攻撃が試合の潮目を変えた形でしたね。それまでは圧倒的に神里高校が有利に運んでいましたが、あの攻撃で一気に流れが燕三条高校へと行ったように思います』


『そうですわね。結果としては自爆攻撃は不発に終わりましたが、自らを犠牲にしてでも不利的状況を打開しようとしたその行動に、他のメンバーも感化されたという所でしょう。

 無駄となったとしても、必死になって起こした一つの行動が勝利を引き寄せる。とても見ごたえのある試合でしたわね』


 実況と解説の二人が今のバトルの総評を語っていた。


「みんな、すまない。大切な初戦だったのに……」


 反省の言葉を口にするセツナ部長の言葉を遮って、次戦参加メンバー組が前に出る。


「大丈夫です。アタシ達が取り戻しますから」


 そう告げたのは、カエデ先輩だ。その目には闘志の火が灯っていた。

 先輩達の悔しさは伝わっている。想いはこうして繋がっていくのだ。不発に終わった自爆攻撃が他のメンバーの闘志を駆り立てたように、敗北に終わった試合結果であっても、次のメンバーへ勝利への意志を繋ぐことができる。

 そして先輩達の想いを引き継いだのは、カエデ先輩だけではない――


「うむ。今の勝負は運が無かっただけで、先輩達の方が実力は上であったことは明らかでした。次の試合、我らが取り戻すので部長殿は次の個人戦に備えていてくだされ」


 独特の口調でタッチー先輩が、同じく闘志を漲らせた瞳で言葉を続ける。


「私も次の試合、全力を尽くします」


 私もそう言葉を添えて、先に歩み出た二人の後へ続いた。

 次の「団体戦2」に私も出るのだ。全国の舞台では初の参戦。その独特の雰囲気に心臓がドクンドクンといつも以上に鼓動している。


『さあさあ、このまま燕三条高校が連勝で勝利への王手をかけるのか、はたまた神里高校が勝利し勝利数をイーブンにするのか。注目の団体戦2のメンバーはこちら!』


 舞台進行役のマスコットキャラ「バトラーくん」が大型モニターをに向けて手を広げて見せる。


≪団体戦2≫

神里高校

 カエデ  拳闘士 属性:雷

 タッチー 剣士  属性:地

 Snow   拳闘士 属性:水


燕三条高校

 ブッチャー 戦士  属性:雷

 ヨーグ   拳闘士 属性:氷

 トモエ   騎士  属性:火


 モニターに参加メンバーが表示されると、会場は先程よりも一層大きな歓声に包まれる。


 す、すごい、歓声だ……


 その迫力に私は一瞬たじろいでしまう。観客の視線の多くがなんだかこちらに向いている気がする。


『おお、ついに全国十傑の一角、Snowの登場だぁー!

 聞いてください、この大歓声を』


 実況を担当しているベテランアナウンサーの言葉にあわせて、会場の彼方此方から「Snowちゃーん」などの声が上がる。


 えっ、えっ! なんで私への応援がこんなに多いの?!


 私が目を丸くしていると、カエデ先輩が「Snowも今や有名人だな」と声を掛ける。


「そ、そうなんですか? でも、なんで」


 特に目立つことはしていないはずだけどと思っていると、それが表情に現れていたのか、カエデ先輩は苦笑しながら「県大会のバトルロイヤルで全国二位のポイントを稼いだってだけでも、注目の理由は十分だ」と説明してくれた。


 言われて初めて、自分の予選時の成績ががすごかったのだと悟る。


「ぐふふふ。凄まじい人気だな。これではこちらが悪役の様だ。

 だが、敗けないぜ。一人強いメンバーが居るってだけでは団体戦は勝てないという事を教えてやるよ」


 巨漢の大男であるブッチャーが、独特の笑い声を上げて宣戦布告してくる。

 相手は次の試合も勝つ自信があるみたいだ。


「望むところだ。こちらも、Snowの強さに頼っただけのチームではない事を教えてやるよ」


 それに対してカエデ先輩が、強気な言葉を返す。


 互いの視線がぶつかり合う中、バトラーくんが進行する言葉が会場に響き、バトルメンバーはバトルフィールドとへと転送されるのであった。


 転送されたバトルフィールドは『沼地』であった。


 足場の悪いぬかるんだフィールドだ。そのため移動速度に下方補正が入る。地形効果が無効になる『地』属性が有利となる戦場だ。


「向こうは『地』属性がいない。フィールドとしてはこちらがやや有利か。地属性のタッチーを主軸として攻略していこう」


「うむ。任された」


 フィールド転送と同時にカエデ先輩が状況を分析し、簡単な戦略を立てる。


 このメンバーでの基本的な戦略は2凸1援だ。

 カエデ先輩とタッチー先輩が前衛となり、【水弾丸(ウォーターショット)】にて私が支援するという布陣が基本となる。

 戦場や相手の布陣によっては戦略を変更する事もあるのだが、今回はその方針のままで良さそうだ。


 対する相手の布陣としては、後衛職がいないメンバーであるため3凸であろうと予想される。

 布陣としては1か所に固まっている事から、3人が連携して波状攻撃をしてくると思われる。なので、最前をタッチー先輩として応対する方針としたのだ。

 遠距離攻撃を持っている私のバトル開始直後の立ち振る舞いが序盤の戦況を左右する事となりそうだ。


 戦場の中央にバトル開始までのカウントダウンを示す数字が表示される。


 6……5……4……


 その数字が減っていく。バトル開始まであと3秒という所で相手が予想外の行動をする。なんと相手の3人が同時に魔法詠唱状態になったのだ。

 バトル開始前の事前詠唱。それはこのゲームではよくある事ではあるが、前衛職を3人並べた相手メンバー陣が皆、魔法詠唱するとは思っていなかった。


 バトル開始と同時に相手からの魔法攻撃がある、と緊張が走る。


 ターゲットマーカーの表示が出ていないため、遠距離攻撃魔法は無い――そんな事を想っているうちにカウントが終わる。


 『Fight!!!』


 そして、バトルが開始される。


 相手の予想外の動きに私達の初動が遅れる。その一瞬の隙を突いて相手が事前詠唱していた魔法を発動させる。


「「「並列起動(マルチキャスト)」」」


 相手の3人の言葉が重なる。なんと前衛職であるにも関わらず、3人とも魔法の高等技術である並列起動で発動させたのだ。

 並列起動とは一度に複数の対象に対して魔法を発動する技術だ。そして発動した魔法は――


「スキル【速雷付与(エンチャントアクセル)】!」


「スキル【氷冷纏気(アイスベール)】!」


「スキル【炎の加護(ファイアエンチャント)】!」


 支援系の魔法であった。並列起動にて自らを含めた三名を対象に魔法が発動したのだ。

 それにより、3人は同時に3つの支援効果が付与されたのだ。【速雷付与(エンチャントアクセル)】にて反応速度と俊敏が向上し、【氷冷纏気(アイスベール)】にて射撃・投擲攻撃への耐性が付与され、【炎の加護(ファイアエンチャント)】にて筋力と攻撃力が向上したのだ。

 一気に相手への優位性が上がった。


「Bang! Bang! Bang!」


 慌てて私は遠距離攻撃である【水弾丸(ウォーターショット)】を発動させる。的の大きい巨漢のブッチャーを標的として水の弾丸を飛ばすが、そのことごとくを肉厚の武器である肉切り包丁(ミートスラッシャー)で弾き落とされる。


 流石に全国出場選手だ。高速で撃ち出された水の弾丸を武器だけで迎撃するのは相当な技術が必要だ。少しでも【氷冷纏気(アイスベール)】の効果を削っておこうとしたのだが、不発に終わる。


 その間にもヨーグとトモエがこちらの陣営に向けて突撃を仕掛けて来た。


 支援効果で俊敏が向上しているのもあるが、それぞれ【縮地】と【推進炎加速】のスキルを発動させて一気に距離を詰めて来た。

 その二人をカエデ先輩とタッチー先輩が迎え撃つ形となる。完全に後手に回ってしまった。


「タッチー。何とかここで食い止めるぞ」


「応っ!」


 カエデ先輩の言葉に、タッチー先輩が応え武器を構える。


「奥義・崩閃華!」


「秘技・蛇咬斬!」


 高速移動からの攻撃に合わせるように、カエデ先輩とタッチー先輩がカウンターでそれぞれ奥義を繰り出す。

 上手く決まれば大きなダメージを与えるその一撃は共に空を切る事となる。


「なっ」「ぬっ」


 二人から同時に驚愕の声が漏れる。相手がスキルを発動させ、カウンター攻撃を回避したのだ。


 発動されたスキル名が画面に表示される。


――【氷晶屈折(イリュージョン)】――


     ――【陽炎(ヒートヘイズ)】――


 それは幻惑系スキルであった。幻を生み出して相手を幻惑するスキルだ。その効果によって先輩達が繰り出した必殺技は不発となる。


 カエデ先輩達は、幻惑スキル後の不意の攻撃に備え身構えるが、相手の狙いはそれではなかった。燕三条高校の狙いは――


「貴女さえ潰せれば私達の勝利は確実」


 そんな言葉と共に女騎士であるトモエが波打つ独特の刃形の剣を振り下ろす。


 ――相手の狙いは()()


 幻惑系スキルで二人を振り切った相手はそのまま私の元へと特攻を仕掛けて来たのだ。


 トモエが装備する特殊な武器の波刃剣(フランベルジェ)は、その刃の形によって多段ヒット判定となる。防御したとしてもその効果は有効で、振りぬく剣の方向に合わせて防御を継続しないとダメージが通ってしまうという厄介な武器である。


 しかし私の得意とする戦術は『受け流し』だ。


 優しく剣の側面に触れるようにして斬撃の軌道を変化させ接触を最低限とすることにより、武器の特殊効果を無効化する。


「奥義・崩閃華!」


 それと同時にカウンターで拳を叩き込む。


「がはっ」


 トモエの身体は鎧に包まれたのだが、私の繰り出したのは氣功術の『発勁』を応用した必殺技だ。

 接触の瞬間に氣を放出し、衝撃は鎧を貫通する。その一撃をくらい、トモエは大きく体力を減少させる。


「くっ、スキル発動――」


 ダメージを受けると共にトモエがスキル発動の予備動作に入った。スキルによる攻撃に備えて、私は距離をとり、相手の動きを注視する。しかし、その行動が仇となる。


「【高温炎発光(フラッシュフレイム)】!」


 カッ!!


 瞬間、凄まじい閃光が発生し私の視界を真っ白に塗りつぶした。ここにきて阻害(デバフ)スキルを使ってくるとは思っていなかった私は、まともにその閃光を見てしまった。


「うっ――」


 しまった。視界が――


 スキル効果で私の視界が失われる。そして、隙を突いて相手拳闘士のヨーグが懐に飛び込んでくる。


()った!」


 H型の握りで拳の先に刃が出る形の特殊武器『拳装刃(ジャマダハル)』。それを装備したヨーグの拳が私を襲う。

 拳闘士は固有スキル【武具不壊】があるため、鉄甲にて鉄壁の防御とするのが一般的(セオリー)であるのだが、この特殊武器はその恩恵を攻撃へと転化し凶悪な攻撃力を生み出すのだ。

 その凶刃が急所(クリティカルポイント)である心臓を狙う。その一撃が決まれば一撃必殺となるであろう。


――が、その攻撃を私はしっかりと()()()()()()()


 以前の私であったら対処不能であっただろう。しかし、全国大会前に師匠と再会し、そこで教わった闘気による気配感知の技を瞬時に発動していたのだ。


「真陰熊流、奥義『水穿』!」


 ヨーグの攻撃を見切っていた私は、それを『流水の捌き』で逸らすと、カウンターで拳の連打を相手に叩きこんだ。


「がはぁぁっ!!」


 強烈な一撃を喰らったヨーグは苦悶の声を上げて後退する。


「スキル【超過駆動(オーバードライブ)】っ!」


 離れたところで敵の気配が増大する。私も使用している全ステータスの制限を解除する【超過駆動(オーバードライブ)】を発動させた様だ。


「うおぉぉぉぉぉっ、必殺・豪刃捌裂断(ごうじんはちれつだん)んんん!!!」


 そしてその気配は凄まじい勢いで私に迫り、攻撃を仕掛けて来たのだ。


 相手は肉厚の『肉切り包丁(ミートスラッシャー)』を装備したブッチャーだ。先の二人の攻撃を捌いた私に対し、気を抜く暇を与えぬように間髪入れずに追撃を仕掛けて来たのだ。


 三つの魔法支援効果も上乗せされているため、同じ【超過駆動(オーバードライブ)】を発動させている今の私の身体能力をさらに上回っている。


 さらに、武器を地面に滑らせたその勢いを乗せて切り上げたため、その威力は凄まじく、まるで戦場(フィールド)自体が真っ二つに切り裂いたかの様な一撃が繰り出された。


 凄まじい勢いの突撃。その勢いと制限の解除された筋力を乗せた切り上げ攻撃を繰り出した。それは属性効果には頼らない、パワーと速度を乗せた純粋なる高破壊力の攻撃だ。防御したとしても防具ごと一刀両断されるほどの破壊力を持った、ゲーム内で再現できる最高威力の攻撃だろう。


 だが闘気による『気配感知』にてその動きを読んでいた私は、冷静にその攻撃を躱し、相手の攻撃の勢いを利用して大きく投げ飛ばしていたのだった。


「なっ――」


 渾身を込めた攻撃がいとも容易く回避され、さらに何の衝撃も無くふわりと宙に投げ飛ばされたため、ブッチャーは一瞬なにが起きたか理解できなかったのだろう。その口からは困惑の声が漏れていた。


「カエデ先輩!」


 私はブッチャーを投げ飛ばした先にいるカエデ先輩へと声を掛ける。先程の投げ技はダメージを与えるためのものではない。相手の一人の相手を仲間に託すためのものだ。さすがに視界を失った状況で三人を同時に相手することは出来ない。


「任せろ! 奥義・雷霆八閃!」


 宙に浮いたブッチャーへ、カエデ先輩の連続攻撃が炸裂する打撃音が耳に届く。


 視界が失われているため、対手の体力ゲージは確認できないが、今の攻撃で大きく体力を削ったはずだ。このままブッチャーについては、カエデ先輩に任せて大丈夫だろう。


 あとは目の前の二人を何とかすれば――


「くっ、想像以上の化物ね。スキル【属性纏衣(ぞくせいてんい)】」


「援護しろトモエ。俺が先行して活路を開く」


 二人が言葉を交わし、片方の気配が先行して攻撃を仕掛けてくる。気配から察すると、攻撃を仕掛けて来たのは拳闘士のヨーグだ。

 私の視界はまだ回復していない。このまま気配感知の闘気を発動させたままでは精神力の消費が不安だ。ここはやはり一気に闘気を開放させて早期決着を図るしかないか――


 そう思った時、もう一つの気配を感じ取る。これは――


「我の存在を忘れてもらっては困る。助太刀する」


 独特の古風な口調の声と共に、ありえないぐらいの低い位置から斬撃が繰り出される。


 ザシュッ――


「ぐぁっ。邪魔が入ったか」


 ヨーグの苦悶の声。


 想定外の位置からの攻撃に、防御が間に合わずダメージを受けたようだ。タッチー先輩はその身の柔軟性から思いもよらない位置からも攻撃を繰り出せるのだ。今も地面擦れ擦れまで身を屈めた態勢から攻撃を放ったのだろう。


「先輩、フォローありがとうございます」


「うむ。視力が回復するまで我に任せるがよい。持ちこたえてみせる」


 タッチー先輩の言葉に甘えて、私は一歩後退する。


「Snow以外に苦戦する訳にいかないのよ」


「心外。

 我とて、対多数相手の手合わせは修練済みだ。うぬら二人を相手としても引けを取らんよ」


 タッチー先輩の言葉と共に、ビリビリと空気が震える。闘気発動まではしていないが、先輩の覚悟と気合が気迫の圧となって空気を振るわせたのだ。


 変わり者、変人などと言われているが、覚悟を決めたタッチー先輩の実力は部活内でも屈指である。今のタッチー先輩ならば安心して前線を任せることが出来る。


 私は試合中に一度だけ発動できる道具効果の【濃霧(フォッグ)】をここで発動させ、支援に回る。


 こうしてカエデ先輩とタッチー先輩は、互角以上に相手と渡り合うのであった。


 二人が作ってくれた時間のおかげで、視力回復まで私はダメージを受ける事はなかった。


 私が戦線に復帰すると、形勢は一気に上里高校優位に傾き、その勢いのまま「団体戦2」は私達の勝利として決着するのであった。

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