三年生
引き続き木村健一の捜査がおこなわれていたが、なかなか証拠がでてこなくて捜査が難航していた
美咲と連絡先を交換してから2、3日まったく連絡がなかった。僕は中学高校とモテなく、女性ともうまく喋ることができないため、彼女が一度もできたことがなかった。そのため女性の誘い方がわからなく、自分から美咲に連絡することができなかった
連絡がこないことに、すこし悲しみを覚えながら美咲の連絡先を見ていた時だった。急に携帯の画面が移り変わりバイブレーションが鳴り始めた
びっくりしながら画面をみると石井美咲という文字が書いてあって、気持ちが昂揚したが平然も装うために一息ついてから電話にでた
画面越しの美咲から
「就職活動で近くにきてるから夜食事しない?」
と誘われた
断る理由もないのでわかったと伝え、8時に駅前に待ち合わせした
ただ、食事を誘われただけなのに、なぜか今日1日機嫌が良かった
美咲との待ち合わせ時刻の5分前に駅に到着した
美咲の方が先についており、あってすぐに駅ビルの中にあるパスタ屋に入った
料理を食べてるあいだいろいろな話をした
大学の話や就職活動がうまくいってるかどうかの話をしていた
なぜだかわからないが無意識に僕は中学時代の話は避けていた
しかし、美咲の方から中学時代の話をもちかけてきた
「山里くんっていまなにしてるか知ってる?」
と、言ってきた
山里とは僕の一個上で3年生の先輩だった。
3年生は4人しかいなかったがいつも1、2年生のことをこき使い、なにか嫌なことでもあると意味もなくいじめられたものだ
1、2年生あわせて6人しかおらず、3年生に逆らおうと提案するやつもいなかった
噂に聞いた話だが3年生も石井が死んだ後、美咲目当てにお参りといってよく家にあがりこんでいたらしい
3年生が卒業してからは、かかわりがまったく無かったため今どこでなにをしてるかまったく知らなかった。
そのため、美咲にはわからないと伝えた
美咲はなぜか少し残念そうな顔をした
僕はそれが嫌だった
「なにかあったの?」
と僕は美咲に聞いた
美咲は
「とくに、なんでもないんだけど、みんなが今なにしてるのか少し気になっただけ」
と言ってきたが、わからないと言った時の表情はそんな時のものではなかった
その日はそのあと中学時代の話をして、9時をすこしすぎた頃に解散した
「今度また食事でもしよう」
と帰りの駅のホームでいわれ、僕はわかったと言って、違う電車に乗った
次の日の朝だった。
中学二年生の頃にキャプテンだった、和田の死体がみつかった