事件
謝罪会見をみながら僕は朝食を食べていた
現在僕は警察官として働いている
とくになりたい職業もなく高校を卒業した僕は警察学校に
入りそのまま卒業した
今日は朝から殺人事件の会議があり
めんどくさい気持ちを抑えながら出社した
内容はこんな感じだった
蒸されたドラム缶の中から男性が発見されたとのことだ
顔の損傷が激しく現段階では被害者の識別ができておらず
誰かもわからない状況だった
近隣の人にその日の状況を確かめにいくために準備をしていた
「先輩、おれもついて行っていいですか?」
声をかけてきたのは高栗だった
「いいぞ」と声をかけ一緒に行くことにした
高栗は少し滑舌が悪くそのせいかよく周りからいじられることも多いしかし人間としては勘が鋭く仕事にも熱心なやつだ
死体がみつかった場所は西台の廃墟からだった
通りかかった酔っぱらいがたまたま見つけたドラム缶に吐こうと近づいたところ中に死体が入っていたとのことだ
現場につき近隣の人たちに聴取を始めた
いろんな家をまわってみたがなにも情報を得ることができないまま戻ることになってしまった
帰りに蓮根のラーメン屋に入ることにした
このラーメン屋には何回かきた記憶がある
中学2年生のころ悪知恵が働くようになった僕たちは
制服のポケットにお金を仕込ませ部活の帰りに先生にバレないよう集中しながらよく食べていたものだ
あの時はドキドキ感もあったおかげかとても美味しく感じた
そういえば近くに石井の家があることを思い出した
せっかく近くまで来たことだし線香でもあげに行こうと思い高栗をおいて石井の家にむかった
石井の家に行くのは約5年ぶりである
五回忌の時に一度顔をだして線香をあげて以来一度もきていない
石井の家の前に到着した
目の前まで来たはいいがいきなり訪ねるのもいかがなものかと思い少しためらっていた
結局お菓子もなにももってないことに気づき行っても迷惑になるだけだと思い引き返そうと思った時だった
女性に声をかけられた
そちらの方向をみると
「やっぱりだ」と声をかけられた
一瞬だれだかわからなかったがすぐに思いだした
石井の妹だ