プロローグ、婚約は突然に
初めまして、またお久しぶりです!
Rushianです!
こちらはちょっと趣旨が他のものとは違うお話です!
楽しんで頂けると幸いです!
誤字脱字などのご指摘を頂きましたら順次直していきたいと思います。
書斎に置かれた机で、今日も少女は本を読む。
ハニーレモンのふわふわした髪を無造作に後ろでまとめ、スカイブルーの瞳は本の文字を必死に追いかける。
ちなみに少女が熱心に読んでる本は『誰でもわかる医学!』という題名だった。
「・・・やっぱり向こうに比べれば文明レベルは低いわね」
少女の呟いた独り言は静かな書斎に溶けてなくなった。
────熱心に本を読むこと数時間
少女が今読んでる本は『医学応用編。~これであなたも立派な医者に~』というものであった。
そこへ1人の男が慌ただしくも書斎に入ってきた。
「お父様、書斎ではお静かにしていただけますか?うるさくて本を読むことに集中出来ませんの」
「あ、ああ。済まなかったな。だがお前に急ぎ知らせたいことがあってな・・・・・・」
「お父様勿体ぶらず早く教えてください」
お父様と少女に呼ばれた男は顔面蒼白にしながらも蚊の鳴くような声で言った。
「ルーニャ、これからお前は殿下の婚約者となった。婚約者候補ではなく、婚約者だ・・・」
「・・・そうですか」
男が決死の思いで述べた言葉も少女にとっては本よりも心を引かれなかった。
「それは決定事項ですよね?今時政略結婚など珍しくもありませんわ。なのになぜお父様はそんなお顔をなさるのですか?」
顔は本に向けたまま目だけで男を見ながら少女は述べる。
少女が目にした男は苦虫を噛み潰したよう顔をしていた。
そんな彼に対して少女はフォローなのか追い討ちなのか分からないようなことをのたまう。
「お父様心配なさらないでも、私は本さえあればどのような環境でも生きていけますわよ?地獄だろうと敵国だろうと本さえあればどこでも、誰が隣にいてもよいのです。なのでそのようなお顔をなさらなくても大丈夫ですわ」
「・・・・・・そうか」
男はトボトボと書斎を出る。
それを確認した少女はまたしても本に視線を落とすのであった。
男は書斎を出ると寝室へと向かう。
そこには一足先に布団に潜り込んでいる女の姿があった。
「・・・なぁ、マリア。うちの娘はまだ5歳だよな?」
「そんなに心配なさらなくても大丈夫ですよ。彼女が逞しく育つなら親としてはいいことでしょう?」
「そうなんだが・・・・・・娘がもう少し馬鹿だったらこの婚約話もなかったのにな」
「それは・・・・・・」
2人は哀愁の滲む笑みを浮かべながらも眠りにつくのだった。
この物語は本が好きで好きでたまらない少女とそんな少女を手に入れたい少年の攻防戦についてが描かれたものだ。
ルーニャ「本しゅきぃ(๑♡ᴗ♡๑)」
ルーニャ父「重症だな」
ルーニャ母「重症ね」
王子「婚約者なんて誰も同じだよな・・・( ´・ω・`)」
周囲「それが違うんだなぁ〜( ◜௰◝ )」