クリスマス
遅れました!!!m(_ _)m
メリークリスマスです!!!
誤字脱字などのご指摘を頂きましたら順次直していきたいと思います。
雪がまばらにだが降り出すこの寒い季節。
前世では赤い帽子を被ったおじいさんとプレゼントを乗せたソリを引く赤鼻のトナカイが大活躍する時期だ。
(残念なことに、こちらの世界にクリスマスはないのよね〜・・・だってイエス・キリストの誕生をお祝いする日だものね〜・・・こちらの世界にはそこまでの偉人は居ないもの・・・・・・まぁでも、雰囲気だけ味わいたいし、レイル様とヒーリアにでもプレゼントを渡しましょうか?あぁ、そういえば、ヒーリアはクリスマスを知ってたわね!好都合だわ〜)
エルルーニャはそんなことを考えながらもいつも通りのお忍び用の庶民がよく着るような服に着替え、意気揚々と城下町へと行くのだった。
あれから数日。
彼女の前にはラッピングされた2つの箱が鎮座していた。
「買ったのはいいけど、どうやって渡しましょうか?」
彼女はプレゼントを前にこんなことを思案していた。
「ルーニャお嬢様、お客様がお越しです、お通ししてもよろしいですか?」
「ええ、いいわよ?」
「では、こちらです」
執事は最初の言葉はエルルーニャに、最後の言葉は自身の後方に向けて言った。
そして、執事の後ろからはレイルとヒーリアが現れたのだった。
予想外すぎる来客に虚をつかれるも、サッと、ラッピングされた2つの箱を背で隠し、持ち前のお嬢様口調によりカバーした。
「あら、ヒーリアとレイル様はどうなさいましたの?」
「いや、ミルフィー嬢から今日ルーニャにプレゼントをあげると喜ぶと教えて頂いたので・・・。用意したのですが、いりませんでしたか?」
ヒーリアがいるためかいつもの優しいキラッキラな王太子の仮面を被る彼に彼女は鳥肌を、ヒーリアは笑いを堪えながらも口を開く。
「え、ええ。そうですわね、とても嬉しいですわ」
「ッ・・・・・・おね・・・ではなく、ルーニャは他になにかあるのではないですか?」
「そ、そうですわ・・・ここでプレゼントを開けたいのですがよろしいですか?」
「ええ、もちろんいいですよ?」
「あ、ありがとうございます・・・」
「ぶふぅぅっ・・・・・・い、いえ、なんでもないですわ」
彼は2人の様子を訝しげにしながらも彼女にプレゼントを渡す。
彼女は立派に施された包装を解き、中身を見ると、それは希少な本だった。
そのプレゼントの嬉しさに彼の態度に対する鳥肌は吹っ飛んでいた。
「まぁ!これはとっても嬉しいプレゼントですわね!・・・・・・もちろん、お返ししなくてはいけませんね・・・ちょうど私も2人にプレゼントを用意していたのです。良ければどうぞ」
そういうと彼女は後ろに隠した2つの箱のうち、青色のラッピングの物をヒーリアへ、黄色のラッピングの物をレイルへと渡した。
彼らはいそいそと包装を解き、中身を見た。
そこに入ってた物は・・・・・・
「これは・・・今話題のボールペンですか?」
「これ・・・私が欲しがっていたアクセサリーですわよね?」
「え、ええ」
少し照れくさそうにしながら、彼女はそっぽを向く。
そんな彼女を中心に今日は一日、この調子で過ぎていった。
赤い帽子を被った老人や赤鼻のトナカイはいないが、彼らは彼らなりに楽しい一日を過ごすのだった。
レイル、ヒーリア「照れ顔可愛い」
ルーニャ「黙って!!!(/// ^///)」
余談ですが、ヒーリアからルーニャへのプレゼントは手作りブックカバーとしおりです。