お祭り
番外編にしては長めです!
地区のお祭りがココ最近あったのでそのネタです!
誤字脱字などのご指摘を頂きましたら順次直していきたいと思います。
「うわぁ〜・・・・・・懐かしいですわね」
「懐かしい?どういう事だ?」
「いえ、なんでもありませんわ」
今日の城下町はいつも以上の賑わいを見せる。
それもこれもレイルの立太子を記念したお祭りであった。
そんな彼とエルルーニャはお祭りに来ていた。
転生者である彼女は前世の夏祭りや田舎ならではの地区のお祭りを思い出し感傷に浸っていたのだった。
この世界には彼女以外の転生者がいるのか、屋台では前世と同じような物もある。
もちろん、前世では絶対にないような物も売っているが。
「レイル様!あちらにある焼きそばや焼き鳥を食べてみましょうよ!絶対に美味しいと思いますわ!」
「お、おう」
彼女のいつもとは違うはしゃぎぶりに少し気圧される彼であった。
「すいませ〜ん!焼きそば1つと焼き鳥5本くださいまし!焼き鳥は塩3、タレ2でよろしくお願いしますわ!」
「あいよ!今から焼くから少し待っときな!ところでお嬢ちゃん、珍しいねぇ・・・最初は物珍しさに色々きかれるんだけどねぇ〜・・・」
「こちらではそれはそうですよ・・・・・・これらの再現は大変そうですわね。焼き鳥のタレはタレが不味ければ全て台無しですしね。焼きそばなんて麺から作らねばなりませんものね。お疲れ様ですわ」
「わかってくれるってことァ、お嬢ちゃんは同郷かい?」
「・・・日の丸弁当は嫌いですがね」
「俺も日の丸弁当は嫌いだよ。梅干しが嫌いなもんでな」
和気あいあいと店主と話す彼女。
最後の一言を言う時、彼女は微かに笑う。
心の底からの笑顔。
彼が足掻きに足掻いて手にできる激レアと言っても過言ではないもの。
それをいとも容易く引き出す店主に彼は相当嫉妬していた。
「ほい!じゃ、焼き鳥、塩3とタレ2、焼きそばだよ!」
「ありがとうございます」
「いいってことよ!同郷の人と久しぶりに会うことが出来たしな!」
「またいつか、語らえるといいですわね」
「そうだな〜・・・ま、そんなことしたら後ろの坊ちゃんに殺されそうだけどなぁ」
店主はそう言って豪快に笑う。
彼女はそれに対して苦笑をすると彼の手を引っ張って座れる場所へと行くのだった。
「ルーニャは俺よりもあいつがいいのか?」
2人きりになった途端彼は彼女を膝上に座らせ、後ろから覆い被さるように抱きつくと、首に頭を擦り付け甘えてくる。
(嫉妬・・・だよね。それにしてもこの体勢好きだなぁ〜・・・・・・いい加減慣れちゃった。レイル様が機嫌悪いといい事1つもないんだよなぁ〜)
「違いますわよ。私はレイル様でもあのお方でもなく、本が好きですわ。そして、本は唯一無二の存在ですわ」
「・・・まぁ、そうだよな」
彼は苦笑を漏らすと彼女の首から頭をあげる。
そのタイミングを見計らったかのように彼女は彼の口に焼き鳥を突っ込んだ。
「なにひゅんだ!」
「チュロスの仕返しですわ。手加減したので喉には串が刺さってませんので、そこは感謝してくださいまし」
「・・・・・・美味いな」
彼は突っ込まれた焼き鳥をモグモグと食べる。
「そうですわよね!さぁ、思う存分祭りを楽しみますわよ!」
彼の感想に満足したのか彼女はワクワクと効果音がつきそうな程の上機嫌で歩き出すのだった。
レイル「あのリンゴルが包まれたものはなんだ?」
ルーニャ「リンゴル飴ではないでしょうか?」
レイル「イーゴも包まれてるぞ?」
ルーニャ「美味しそうですわね〜」
お分りと思いますが、ここでのリンゴルはりんご、イーゴはいちごです!