繋がり
じつは実話です、これ。
異性の友達。
彼女は友達以上友達未満。つまりは友達。俺が抱きたいと思わなかった数少ない女性。どんな流れかは覚えてないが、一緒にご飯を食べた後に、近くの湖までドライブに行く事になった。
透明度の高さで有名な湖だった。季節は夏。道中にはペットの霊園があったり、外灯の少ない道路、閉鎖はしていたが殺人事件のあったラブホテルなんかもあった。怖い話なんかもして盛り上がっていた。夜の湖ってもしかしたら出るかもね、なんて冗談を言いながら車を走らせていた。
湖の駐車場に着いた。車はちらほら。シャッターの閉められた売店と虫が群がる自動販売機の横を歩きながら、俺達は湖のそばまで歩いていった。
「ちょっと、だれかいるよ」
友達が小声で言ってきた。
「あ、ほんとだ」
俺はちょっと残念だった。性欲はないが、二人っきりで夜の湖を楽しみたかった。そして次の瞬間、友達が信じられない言葉を口にした。
「あ、交尾してる!!」
俺は言葉の意味が分からず、目を凝らした。柵に掴まる女性。そして後ろから絶えず突きまくる男性。確かに、それはセックスというより交尾、野性的な言葉が似合う光景だった。俺は声にだして笑った。
「あっはははは」
友達もつられて笑った。交尾していた男女はズボンを上げていた。
結局、夜の湖を楽しまずに俺達は帰った。あん時は邪魔してすまんかったね。
野外でするのは勝手だけど、透明度の高い湖には出さないでね。