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ほらっ、ホラ〜だよ  作者: 灰色の猫
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ハーモニー


 人は電波を通して顔も名前も知らない人と繋がる事ができる。技術の進歩によって、それは加速度的に結ばれ、そして全人類は皆が何らかの関係性を持てるまでに人はなった。



 息を吸えば、空を仰げば、言葉を発すれば、他人は自分であるがために、賞賛する。称える事で己の価値観をより高め、人は悪という感覚を薄めていった。



 平和。いつしか、求めていたものに達していた人は気づけなかった。ありがとう、と言った日には何億というもの賞賛を浴び、数百、数千、数万という価値はもはやゼロに近かった。近いだけでゼロではないのに。



 いつしか地球には、他人を誉め称える感情で溢れ、己を満たしていく。己を満たすために他者を満たし、他者を満たす事で己が満たされ、他人はすでに他人ではなく、己はすでに己ではなかった。



 そして、名前が消えた。最初に苗字が消え、次第に名前自体も消えた。誰かを呼ぶ必要もなかった。だって隣人も、海の向こうの山に住むあの人も、差異はなかったのから。



 他者を蔑み、罵る事で自己を確立した時代は終わり、他者と繋がる事で自己を全世界にばら蒔き、自殺者の数も今はゼロ。








 でも。


 もしかしたら。


 誰か一人が死にたいと感じたら、人は皆死んでしまうのかもしれない。

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