表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ほらっ、ホラ〜だよ  作者: 灰色の猫
2/34

おはよう


 昨日、夢をみた。

 正確には今日の午前一時だが、細かい事はいい。

 どんな夢か、はっきりと覚えている。生々しくて今でも汗が止まらない。どうしたら忘れる事ができるのか、悩んでいたら余計に思い出してしまう。悪循環。こんな時は、いつものように過ごすのが一番なのかもしれない。そうだな。彼女におはようのメールでもしよう。他者と会話して落ち着こう。


『おはよう、今日もいい天気だね』

 良し、と。

――♪♪――

 すぐに着信が鳴る。よし、落ち着いてきた。シャワー浴びて汗とか流そう。このままの匂いじゃあ外に出れない。


「うわ、なんで風呂場に血が」

 昨日、彼女がシャワー使ってたけど、あの日だったのかな。たくっ、流していけよ。にしても、あの夢は嫌だったな。なんで僕が彼女を殺す夢をみなきゃいけないんだよ。首なんか絞めて。……年下だけどしっかりしてて、料理も上手い。付き合っていて不満もない。一緒に街を歩けば周囲の男達の視線が気になるくらい。そう、そのくらい。だいたい、彼女はもうこの世にはいないのに。


「ふう」

 だいぶさっぱりしたな。そういえば生ゴミの日っていつだったっけ。……お、ちょうど今日か。良かった。ちょっと溜まってて臭いがしてたんだよな。


――ガチャ――

「あらっ、おはようございます。」

「あ、おはようございます。大家さん」

「あらっ、それは生ゴミかしら」

「そうですよ、ちょっと溜まっちゃいまして」

「そういえば私の家もあったわね、おかげで思い出しました。ありがとうございます」

「いえいえ」



 そう、あれは夢だ。

 だって僕は刺して殺したんだから、彼女を。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ