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枕元
毎晩毎晩、枕元に立つ影がいる。場所を変えても。いつもいた。
毎晩、毎晩、毎晩。何日も何週間も、何ヵ月も。
ただ立つだけ、何かをしてくるわけでもない。身体に触ってくるでもない。悪夢を見せてくれるわけでもない。
立つだけ、いるだけ。それだけ。ほんとにそれだけだった。
でも、それも終わるよ。
三年前に一足先に逝った、おまえ。待たせてごめんな。立つだけ、待つだけの日々も終わるよ。思っていた以上に長くなってしまった。
もっと早くお前に逢いたかったけど、色々とやらなきゃいけない事があってな。
おまえが枕元にいてくれたおかげで、私は今まで枕を涙で濡らす事なく生きてこれたよ。
ありがとう。
向こうで一緒になったら、どこに行こうか。新婚旅行も行かせてやれなかったからな。
やっと。やっとだよ。
やっと、また一緒に、なれ、るな……
ピッ、ピッ、ピーーー。




