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ほらっ、ホラ〜だよ  作者: 灰色の猫
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未来ニュース


 『未来ニュース』

 そんなアプリが巷では流行していた。自分の名前、生年月日、住所を登録すれば自分だけの未来のニュースが知ることができるアプリ。

 ニュース、というだけあって全てが真実という訳ではなく、半々くらいの確率で外れるといったものだ。

 だいたいのニュース内容は、『落とし物をする』などや『相性の良い人と出逢う』といった内容から、占い的な要素が強いものだった。それでも、当たるという噂が広まり、アプリをダウンロードできる携帯の持ち主なら、ほとんどの人が活用しているくらいの繁盛ぶりだった。

 だが、あるニュースが一人に届いた事から、一転してそのアプリへの印象は変わっていった。




『今日の昼過ぎ、街中で何人もの人が切りつけられるといったニュースが発生しました。犯人は駆けつけた警官に取り押さえられましたが――』


 こんなニュースがある男性に届いた。生々しいニュース内容にその男性は少し驚き、ニュース記事を妹にも送っていた。ニュースには住所も記載されていた。男性が住む隣の市での事件らしい。嫌な予感はしたたもの、行かなければ関係のない事だと思い出社した。


 だが、同僚の急な欠勤により代わりに『未来ニュース』で言われた事件が起きる街に、仕事で行かなければいけなくなった。


 まさか、こんなアプリのニュースが起きるので嫌です、とは言えず渋々男性は仕事を引き受けた。

 昼過ぎに事件が起きる、つまりは昼過ぎにいなければいい。取り引き先との商談中、ずっと男性は時間を気にしていた。しかし時間は昼になってしまった。さらに、取り引き先から「お昼、どうですか」などと誘いを受けてしまう。大口な取り引き先なだけに無下にはできず、近くの定食屋さんに入る事になった。時刻は十二時半過ぎ。まあ、建物の中にいれば大丈夫だろ、いつしか男性はニュースが実際に起きる前提で物事を考えていた。


 店が混んでいた事もあり、注文のカツ定食が来たのは昼の一時を過ぎていた。ここまで来たら、なるべく建物の中にいようと思った男性は食事が終わっても取り引き先の人と仕事の話を続けた。仕事の資料を取り出す際、男性は携帯で『未来ニュース』のアプリをチェックした。


『今日の昼過ぎ、――市の飲食店で爆発し、店が全焼しました店員と店内にいた客合わせて五名が火傷を負い、病院で治療を受けております』



 ニュース内容が変わっていた。より信憑性のある内容に。だが、自分から広げた仕事話であったからすぐに切り上げる事ができなかった。相手が「おっと、もうこんな時間か」と時計を見た瞬間、店内の奥から爆発音がして店は一気に火に包まれた。


 幸いにも死者はいなかったが、この男性は『未来ニュース』の危険性をネットで警告した。ニュース内容が変わったという事は、これは誰かが仕組んだ事ではないのか? これを発端にして、各地で続々似たような事例が報告された。中には死亡事故もあり、遺族が事件だ! と騒ぐ事例もあり、一層開発元への不信感は高まっていった。


 しかし、開発元は事件性を否定。占いの様に、個人の解釈でどうとでも捉えられるような内容しか配信してないと主張。警察も、世論に抵抗できず形だけの捜査を開始。結果、何も証拠は出なかった。が、開発元は解散し、事態は一応の沈静化に向かっていった。


 ところが『未来ニュース』の配信自体は今でも続いており、開発会社の元社長の携帯にアプリからこんな内容のニュースが届いた。



『今日昼過ぎ、刃物を持った男に刺され意識不明の重体――』


 元社長自身、事件性を否定していたから、このニュースをネットで公開して身の潔白を証明しようとした。

 しかし、実際に事件は起きた。犯人はすぐに捕まった。以前、死亡関連のニュースが届き本当に死んでしまった女性の父親だった。動機は恨み。この事件が大々的に週刊誌などで取り上げられ、ネットを中心にして今もなお盛んに議論されている。



 あなたにも危険を予知する内容のニュースが届いたら、気を付けて欲しい。



 それは誰かの意志かもしれない。

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