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花咲く頃に
季節は巡り、また秋がやってきた。
シオンの咲く季節だ。
蒼太の言った通り、秋になると必ず咲くシオン。
薄紫色の花がそよ風で揺れるたび、私は彼を思い出して笑顔になる。
私は、これからも存在していくだろう。
でも、私はただ待っている。
かくれんぼをしている少年のことを。
彼が、私を見つけてくれることを。
「もー、いーよ」
私は小さく呟いて、独りで笑った。
…まぁ、寿命が来るまで気長に待ってやろう。
シオンの花も笑うように、身を揺する。
蒼太。
たとえ、何千年何億年経ったとしても、私は『君を忘れない』。
そして―――――
花咲く頃に、君を想う。
(完)
ありがとうございました。
長い話でしたが、終わります。
感想とかもらえたら嬉しいです。




