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光と闇の歯車  作者:
第1章
4/21

幸せな夢 2

俺は、ただ慌てる彼女をなんとなく眺めていた。

「とっ、とりあえず行ってくる!」

行ってらっしゃいと、笑顔で手を振る。

 完全にユミカが消えた後、背後に威圧感。

「こら、…………ヘイゼル……………。」

その聞き慣れた恐ろしい声に、身体の全機能が一時停止する。カクカクと人形の様に、首を回して後ろを向くと案の定。イリス・カミア将軍。

 先程、ユミカが指示を出した白髪の男というのが他でもない、彼である。

 今の彼は、いつ怒鳴るか分からない。と、いった表情をしている。

「貴様、陛下を姫様などと呼びおって!何様のつもりだ。しかも、何だあの軽々しい口調は!!」

無言で立ち上がり、イリス将軍に背を向けたまま逃走。

 イリス将軍は俺の上官なのである。たいへん厳しい人で、特に礼儀作法には容赦がない。その為、今のユミカへの対応を怒られているのだ。

「待たんか!!」

「嫌だよ!絶対俺、怒られんじゃん!」

「当たり前だ馬鹿者!」

叫びながらも必死で走るが、とうとう追いつかれてしまった。老人にはあるまじき、恐ろしい体力。

 イリス将軍に首根っこを掴まれ、引きずられる。なんという怪力。

「全く、これだから最近の小僧は………………―――――――――――」

こっからが勝負だ。いつまで真面目に聞いているようにみせれるか。要は、いつまで小言を聞き流しているのが、ばれないか。

「真面目に話を聞かんか!!」

 やはりばれたか。はっきり言って無理だ。どんなに辛抱強い奴でも堪えられないと思う。それに俺自信、辛抱強い方じゃない。

 次の瞬間、頭が真っ白になった。余りの痛さに。

「痛てぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」

俺の頭に石の鉄槌が落ちたようだ。

「なにも、いきなり殴ることないでしょ!?」

抗議も虚しく無視され、明日の会議に絶対参加を言い渡された。

 此処で少しユミカを恨んだ。まぁ、仕方のないことだけど……………………。

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