幸せな夢 1
空が蒼いな。
小鳥のさえずり。
……………………。
ーーーなんか、疲れた。
「ヘイゼル!!」
「…………何ですか?」
俺ーーーヘイゼル・ダリスーーーはけだるげに返事をした。
目の前でさっきから愚痴をこぼす彼女は、俺の態度が気に食わないらしい。
「姫様、いつまで俺を愚痴に付き合わせるつもりですか。」
「姫様じゃない!陛下だ!」
そういう彼女は紛れもなく、この国の王。ユミカ・ルネシアである。
「あーはいはい。」
適当に流すと、また彼女は憤慨する。
「私も王になったのだ。子供扱いは受けたくはない。………………それに、もう少し私を頼ってくれても良いと思う。」
それに少し苦笑し、ユミカの頭をクシャクシャと撫でてやると、嬉しそうな笑顔が返ってきた。
「格好を付けるなら、俺に勝ってからにして下さい。」
ユミカは悔しそうに顔を歪め、俺を睨みつける。
この少女は大分変わっていて、軍に所属している。俺は非力だった彼女に短槍を渡し、操り方を教え、戦い方を教えた。それ以来、ユミカの師の様なものになってしっまったのだ。
「まだ、本気も出してくれないじゃないか!」
「だから、早く強くなってください。」
ユミカはどうしても俺より強くなりたいらしい。
「今日、会議じゃないんですか?」
そこで思い出したのか顔を蒼くし焦り出す。