始まり2
「あの、早く本題に入って下さい。」
長年の付き合いの経験から、ルシアには勝てないとわかっている為、さっさと本題に入る。
「あらら、つまんない。」
「…………。」
何と応えれば良いのか分からず、口を閉ざした。
「じゃあ、本題に入ろうかな。」
今の今までふざけていたと思えばこれだ。どうも、ルシアの調子の早さにはついて行けない。
「でも、だいたい検討は付いてるんでしょ?」
「はい。民間を招いたパーティーでは?」
ルシアは微笑みをいっそう深くし、口を開く。
「今回は船上でやりたいの。」
「ルシア!!」
私は思ったときには叫んでいた。
「それでは、ルシアを守りきれない!」
そう、船上でのパーティーでは軍人の数にも限りがある。それにもし、本国に何か遭ったときに対応しきれない。
一方、城で開くならば船上での場合の不安は無くなる。
「私は今、示しておきたい。」
「……………。」
確かに、船上ならば他国に権威の巨大さと金銭面の安定さを見せつけられる。
「なにも船上でなくとも…………。」
ルシアは軽く苦笑したが私はずっと渋い顔をしていた。
「大丈夫よ。ユミカが守ってくれるでしょ。」
「私も全力で護衛するが、もしもの場合というのもあるだろう……!」
「それは城でやっても同じだと思うけど?」
…………反論出来ない。
「解りました。そのように話を進めます。」
一つ頭を下げて部屋を出た。